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July 29, 2004

けっこう高性能!J型アンテナの勧め

 わたくしの第2局目の交信相手となった札幌のHさんは、休日ともなると各地の山に出掛けてそこからハンディ機で電波を出すことを趣味としている山岳移動無線家でした。そのHさんが穂別の坊主山という好ロケーション地から250mWという小電力で使用していたアンテナがこのJ型アンテナだったのです。J型アンテナというと、最近は2アマの試験にも殆ど出てくることはなく、最近はアンテナを自作しなくとも移動用の機材が多数発売されているので、わざわざJ型アンテナを自作して使用する人も少ないために、実際にはあまり見たこともない人も多いと思いますが、殆ど数百円の予算で予算以上の高性能アンテナを手にいられますので、自称無銭家で機材購入の余裕がない人、ハンディ機の付属アンテナだけで、結局電波が飛ばない物と諦めている人は自作する価値があるものと確信します。
材料は市販のTVフイーダー線(300Ω-5m)270円、M型プラグ300円、あとは家に転がっていた50Ωの3D2V同軸ケーブルこれだけです。J型アンテナの基本は、同軸の心線に同調させる周波数の3/4波長のエレメントを半田付けし、外側の網線に1/4波長のエレメントを半田付けしたものですが、形がアルファベットのJににているためにJ型アンテナと呼ばれる垂直偏波アンテナです。実際には下端で給電すると非常に高い給電点インピーダンスになってしまうために、1/4波長の部分に平衡・不平衡の整合をとるためのバランとなる部分を設けます。
このアンテナの欠点は垂直面指向性として打ち上げ角が高くなるために、短波帯による遠距離通信にはあまり向きません。また、全周囲に渡って無指向性とならず、1/4波長のエレメント方向の反対方向に弱い指向性が生じるようです。しかし、最大の利点はこのような簡単なアンテナであるのにも関わらず、最大の利得が144MHz帯で約6デシベルを超え、このようなフィーダー線だけでこのような高利得のアンテナになるのは不思議な現象ですが、明らかに3段GPアンテナ並の性能のアンテナを数百円の材料で得られることです。たぶん、材料を全部購入したとすると、これ以下の予算で高利得のアンテナを作り出すことは難しいでしょう。
荷物に余裕のない山岳運用で、重いアンテナ設備を担いで登山することは大変です。Hさんはグラスファイバーの細い釣り竿と丸めたJ型アンテナだけで登山し、延ばした釣り竿にJ型アンテナを吊し、立ち木に釣り竿を縛り付けたりして運用しながら、かなりの遠距離とも交信を行っているので、その性能は実際に疑いがありませんでした。
 実際の工作と寸法出しはCQ出版社「ワイヤーアンテナ」のP225,芝浦工業大学無線部の設計図によりました。実は以前自分で寸法出ししたときには短縮率の関係か計算上の寸法ではSWRがうまく下がらず、カットアンドトライに手間取り、途中で放り出してしまったことがありました。工作はほんの10分程度です。給電点も設計図どおりに出しましたが、何度給電点を調整してもSWRは1.3より下にはさがりませんでした。どうもエレメント自体の長さを調整しなければいけないようですが、普通に運用していてSWR1.3ならまあいいだろうということで、このまま防水処理して完成です。欲を言えばアンテナアナライザで共振周波数直読が出来たら楽なんですが、うちにはディップメータもなく、SWR計見ながら給電点調整することしか出来ませんが。
2階の天井から出来たばかりのアンテナを吊して、バンド内のワッチするとたまたまCQ出している局があって、この室内アンテナで初交信しました。室内に張っていることもあってか、四方八方からノイズを拾っている感じでしたが、明らかにゲインの高さを感じられます。
材料も特別なものが入らず、低予算で割と高性能のアンテナが手に入れられるので、ハンディ機しか持っていなくて付属アンテナじゃ電波が入らずに無線を諦めてしまった人は、ぜひ作ってみてその威力を試してみてください。                                                                                                                                         

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July 28, 2004

霊界通信機とエジソン&ニコラ・テスラなど

 晩年のエジソンがその死まで真剣に取り組んでいた発明は霊界通信機というものでした。エジソンは人間が死んだあとにはその霊魂がエネルギー(電磁波)の形で残って、不滅なものではないかと考え、その霊魂が発するメッセージをとらえようとゲルマニウムとコイルを利用し、真空管で増幅する受信機を作って霊界と交信する実験を繰り返していました。エジソンというと電灯、蓄音機、映画などの人類の生活をまったく変えてしまうような発明を多数行った半面、数多くの首を傾げるような発明品も作っております。また、人間的にはケチで人を信用しないひねくれた思いやりのない性格だったためか、有能な人材を育てて会社を大きくし、経営は任せて自分は発明に没頭するというようなことが出来なかったために、自分の部下だったニコラ・テスラとの直流・交流送電闘争にやぶれ、エジソン・ジェネラルエレクトリック社は早々に資本家の手に渡り、経営権を失ってしまいます。以前、彼の下で働いていた自動車王ヘンリー・フォードはエジソンを評して「彼は史上最大の発明家であるとともに、史上最悪の経営者である」と。又、ニコラ・テスラという人間も晩年はかなり紙一重の方向の人間だったようですが、現在も使用されている誘導モーター、交流トランス、交流発電機の発明者として、又イタリアのマルコーニに先んじて電波の実験(ラジオの発明の件に関してはマルコーニの間と長い法廷闘争が繰り広げられたようですが)なども行ったようで、今日ではその功績を記念して磁束密度の国際単位をガウスからテスラに変更して今にその名前を残しています。磁束密度として身近な存在はあのピップエレキ判の磁石の性能目安の単位でしょうか(笑)
 エジソンとテスラの直・交流闘争は、その件だけでも一冊の本が出来てしまうほどネタには事欠かないんですが、もともとテスラはクロアチア出身の人間で、フランスのエジソン電灯会社で働いていたときに上司にその才能を認められ、本国のエジソンの元で働かせようと紹介状を持たせてエジソンの元に送ったのですが、エジソンはその来訪を一蹴し、たまたま港で船の発電装置が故障して修理を求めてきたので、この発電装置の修理が5時間で完了したら採用してやろうという難題をテスラに押しつけました。エジソンはこの修理が1日で終わらないことをわかっていたのです。ところがテスラはこの難題を2時間でこなしてエジソンの元へ現れ、エジソンを驚かせると共に、エジソンもこの約束を反故にするわけにはいかず、エジソンの研究所員としての生活が始まりました。しかし、交流モーターをすでに発明し、交流システムの優位性を説くテスラの存在は、直流送電システムに多額の投資をし続けてきたエジソンにとっては相容れない物であったし、他に天才の存在を許さないエジソン研究所にとってもテスラはじゃまなものでした。ある時エジソンはテスラに、ある発電機の効率を高めることが出来たら5万ドルのボーナスを払ってもよいといい、それを真に受けたテスラはほどなくその改良をやってのけ、エジソンの元に現れました。まさかこの改良を出来るわけがないとたかを括っていたエジソンは非常に驚きましたが、この5万ドルの約束を冗談だったと反故にし、怒ったテスラはエジソンの元を離れることとなりました。
 その後テスラは自身が発明した放電灯(アーク灯。後にネオンや蛍光灯の原型も発明している)制作会社をニューヨークに設立しますが1年で破綻させ、その後肉体労働者として働いていた後にマンハッタンに研究所を作り、このときにすでに交流発電・送電システム理論をほぼ完成させました。そのころにフィラデルフィアの鉄鋼事業家、ウエスチングハウスと出逢い、彼の資金援助で交流送電の実用化に力を注ぎます。ウエスチングハウスは製鉄所で使用する大量の電力を効率よく伝達する手段を探しており、テスラの交流送電の特許多数を巨額な費用で買い取りました。
 これに危機感を持ったエジソンは、得意のマスコミを使った反交流キャンペーンを大々的に展開することになります。新聞記者らを多数集め、犬や猫を交流で感電死させる実験を行ったり、政治家に働きかけ、自身の発明した交流を使用した電気椅子でマスコミを集めて死刑囚を公開処刑にし、交流はいかに危険で世の中に害がある物かという子供じみたネガティブキャンペーンを行い続けます。その姿は何か世界征服に固執するマッドサイエンティストの姿のようですね(^_^;)
 これに対してテスラ側では100万ボルトの高周波放電の下で椅子に座った人間が平気で本を読むという実験を行い、交流は危険ではないと言うキャンペーンを展開しますが、1900年のシカゴ博覧会にむけてのナイヤガラの滝発電所の発電システムをウエスチングハウスの交流システムが受注することが決定し、結果的に送電効率に優れ、変圧器の使用により電圧を可変させることが自由自在の交流の優位さが証明されることとなるのです。
 その後テスラの興味は高周波の研究にうつり、マルコーニに先んじて実用的な送受信機の発明にとどまるところを知らず、遠距離通信の実用化の実験などにも取り組み、将来的には高周波でロスのない電力の送電を行うということまで踏み込み、さらに定常波と振動を利用すれば地球上から無尽蔵にエネルギーを取り出すことが出来、発電所も不要になるという理論を証明するために大がかりな高周波伝搬システムの実験施設を作るのですが、実験途中でマルコーニの大西洋横断通信実験成功に先を越されて、実験は中断され、その後無線送電に重点をおいて実験を行いますが、資金援助者が資本を引き上げ、不遇の晩年を送りました。
 ということで、エジソンもテスラも晩年は神懸かり、凡人には荒唐無稽な理論と実験に明け暮れていたような気がしますが、霊界通信機を含めて今の世の中にはその理論の存在を狂信的に信じる人たちもいるんですね。某教団のPSIヘッドギアや又別の教団のテスラー波防護の白布、コイルの絵などに知識の欠如の怖さを感じる様な気がします。
 そういえばこんなことが某無線雑誌に投稿されていました。「1.9メガ帯で電信で交信し、そのまま受信機の電源を入れ続けたまま、1時間近く経って、自分のコールサインがスピーカから聞こえるんで、一瞬アンカバ(不法無線局)が自分のコールサインを語って送信しているのかと思ったら、1時間以上前に自分が打った電信がいまになって聞こえて来たのがわかって、とても驚いた」とのこと。1.9メガ帯というとラジオ放送のすぐ上のバンドで、中波帯に属しますが、1時間も前の自分の電波が今になって聞こえてくるのも理論的には解せません。たぶんエジソンのいうラジオの周波数近辺に霊界と交信できる周波数があると考えたのも、ここいらに秘密があるのでしょうか? エジソンは自分が死んだ後は現世にメッセージを送り続けるから、確かに受信してその理論が正しかったことを証明してくれと言い残して亡くなったそうですが、今までエジソンからの霊界通信をキャッチしたものは誰もいないようです。

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July 27, 2004

無線アンテナ落雷で火事?

 昨日(7/26)は全国的に大気が不安定になり、各地で雷による停電等によって、交通機関や生活に混乱を来したようですが、ここ北海道では無線のアンテナに落雷して家が火災になるという騒ぎがありました。落ちたアンテナはアマチュア無線用の鉄塔のような高いアンテナではなくて150メガ帯(アマチュアバンドの2m帯の少し上)業務用無線の屋根よりほんの少し高いだけのグランドプレーンアンテナに落雷したようです。そしてテレビを何かを繋いでいた電源付近から出火して一階内部を焼失したとのこと。アマチュア用の高い鉄塔アンテナに落雷するのは確率的に高いような気がしますが、テレビのアンテナ並に低いアンテナにも落雷するというのでは、おちおち無線のアンテナも上げておくわけにもいきません。まあ、うちの周囲にもアンテナに誘導雷を食らって繋いであった無線機の内部パーツがいかれて無線機数台をパーにしたとか、ファックスや電話や回線を繋いであったモデムからパソコンまでがダメになったという話はよくありますが、無線のアンテナに落雷して火事になったという話はあまり聞いたことがありません。
 電波法施行規則上では26,175キロヘルツ以下の短波帯より長い周波数のアンテナには避雷器もしくは接地装置を設けなければならないとあり、我が研究所のマルチバンドアンテナにもアースラインが用いられていますが、VHF帯UHF帯のアンテナには規定通り省略してあります。避雷器というのは誘導雷のような大電圧を瞬間的に食らった場合に同軸ケーブルの中間に用いて無線機側に至る回路をカットして大電流を脇路の電線から接地したアースに流す装置のことで、2アマの試験に出てくるバリスタという加えた電圧により抵抗値が変わるダイオードを使用した物ですが、この装置であっても何百何千万ボルトの電圧が掛かる直撃雷にとっては無力です。
落雷のメカニズムに関しては、フランクリンが初めて雷の正体が電気であることを証明してから今までの間、まだまだ分かっていないことも多く、旧来言われてきた避雷針の60度の笠の下に入ると安全であるというのも、かならずしもそうとは限らないようですし、真上からではなく横からも落雷するという現象もあるといわれているので、まだまだ完全に雷を防ぐ手だてというものはありませんが、アマチュア無線の鉄塔は接地抵抗を極少にして接地を完全にし、同軸ケーブルの中間にはアレスター(避雷器)を設置。そして雷が鳴りそうなときにはいち早く同軸ケーブルを無線機から外す等、アンテナと無線機を遮断する以外に被害を最小にする方法はないみたいです。又、ごく十数メートル圏内の電信柱等に落雷した場合にはアースラインから高電圧を拾って無線機がダメになる場合があるらしいので、アースラインも念のため遮断しておいたほうがいいでしょう。無線機に限らず、最近のICチップ制御による電化製品は誘導雷に弱いので、パソコン、電話、ファックス、TVなどもコンセントを抜く、電話回線から完全に遮断する等の処置が必要だと思います。なお、誘導雷というのは雷がごろごろ鳴っているようなときばかりではなく、蒸し暑くて空気がよどんで寝苦しいような夜に音もなく落雷して電化製品の内部丸焼けということも多いようですから、そういうような気象状態の時には誘導雷に気をつける必要があると思います。蛇足ですが誘導雷がおきやすい蒸し暑くて空気がよどんで寝苦しいような気象条件のときには、大槻教授が解明したような球雷現象、俗に言う火の玉が出現しやすいようです。このように大気中に帯電した部分が常に電位の低い部分に流れよう流れようとして、大地に静電誘導する部分を捜して移動しているような状態になっているようです。しかしそれでも雷の被害が心配なら、近所の天神様のお札でも貰ってケーブルにでも貼っておきましょう(笑)

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July 23, 2004

雪に祟られた航空無線通信士試験受験記

 航空無線通信士資格は、航空機局と航空局の間に電信が廃止されてしまい、パイロットが電話送受信のオペレーターを兼ねるようになった今では航空無線従事者のグローバルスタンダードたる航空移動業務および航空衛星移動業務の無線電話通信士資格です。上位免許としては第1級および第2級総合無線通信士が該当するようですが、今となっては2総通1総通持ちで航空業務に就いているのは自衛隊関係と管制関係の一部だけでしょうね。航空無線通信士の資格での操作範囲は主に航空機の無線設備および航空局(地上の航空管制等の無線局)航空地球局、航空機のための無線航行局(マーカー、ビーコン等)のモールス以外の通信操作の他に、航空機や出力250ワット以下の無線航行局、レーダの外部の調整部分の技術操作となっており、国際通信のための電話による通信が認められておりますので、英語の試験が科されます。パイロットが管制とやり取りするあの会話ですね。しかし、航空無線通信士資格を取っただけでは航空機の業務に就くことは出来ず、別に国土交通省の航空通信士試験を受け航空通信士免許を取る必要がありますので、航空無線通信士免許を取得しても実際に使うことが出来るのは、ごくごく限られた一部の人ということになるでしょう。カンパニー波といって、各航空会社が業務のために航空機と交わす固有の周波数の無線交信がありますが、これは地上のオペレーターは航空無線通信士資格でいいのかな?そういえば航空無線通信士の試験にはエアライン系の人が多く訪れているようで、その中には女性の姿も多く見られますが、圧倒的に多いのは自衛隊関係者です。部内で配られた過去問題集を持ち込んでますし、受験票の写真が制服だからすぐにわかります(笑)あと、北海道では受験生で該当者がいないとは思うんですが、航空大学校の生徒は、今は宮崎の2年間の間に自力で航空無線通信士試験を取らないと不適格者として放校処分され、帯広の過程に進めないとのこと。チャンスは国試4回分しかありませんが、どうしても無線通信士資格を取得できない航大生のために某航空系雑誌出版社が費用約30万円で養成課程講習会を募集しているようです。毎年に渡ってこの養成課程講習の広告を見るということは、結構参加者がいるっていうことなんでしょうね。ちなみに養成課程講習は第4級海上無線通信士のほうにも法律的には存在するのですが、受験者の数がもともと少ないので、近年開催されたという話は聞きません。
 このような、実際に取得してもエアラインもしくは自衛隊関係者以外にとっては余り利用価値のない航空無線通信士の免許ですが、わたくし1アマを取得したときに地元のOMに「1アマ取っても英語が出来なくては仕方がない」と言われて、それなら英語の試験のある無線の資格を取ってやろうじゃないかいと思ったことが取得理由でした(^_^;) 割とこういう事には屈曲した性格で、闘争心をメラメラと燃やすタイプです。ところが8月に4海通試験を受けることになっていましたので、その後の試験というと翌年の2月まで待たなければなりませんでした。余りにも試験までの間隔が空いてしまうので、通信術の科目免除欲しさに10月に航空特殊無線技士を受けたのち、無線資格の試験だけでは飽きてしまうので、割と手軽に受験できる危険物乙4の試験と、12月にわざわざ3日間の実技講習を受けて受験資格を取得した第2級ボイラー技士と並行で勉強することにしました。当初、2週間の間に3つの試験を受験する予定になっていましたが、これだけ異種の資格試験を並行して受験するとどれもこれも取りこぼす可能性があるので、ボイラー試験だけは月に1回ずつ開催されているので1月延ばし、危険物試験の14日後が航空通、さらにその10日後に2級ボイラーという試験日程に変更し、何とかすべて合格させる余裕が出来た感じです。1月中は初めての危険物取扱者資格と、当初は一番最初に受験予定だった2級ボイラーの試験にかかりっきりだったので、実質的に航空通試験の準備が出来たのは危険物試験終了後の14日間だけです。用意した参考書は養成課程教科書の工学、法規、英語の3冊と航空通過去試験問題集のみで、これは8月にはすべて揃えてありましたが航空特のときに工学の教科書を少々使っただけで、このときになって開いてみたものばかりでした。そのなかから航空通特有の分野である無線航行設備関係のものをすべてA4版の紙に書き出し、いつもの壁紙作戦です。そして書いて覚えないといけない部分はポケット版の大学ノートに書き写して覚えていきました。無線工学の基礎関係は既に何回も試験を受けてきているので、過去にまとめた要点整理を見るくらいでした。法規は海通試験と同じで遭難の分野の問題がかなりの部分を占めますので、航空分野特有の部分は書きだしておきます。また遭難通信の基礎はその殆どが海通の部分の共通しますのでで、4海通の時にまとめた部分をもう一度確認しておきます。問題は英語ですが、国際電気通信連合憲章と国際通信条約の英語条文が出題されるとのこと。本来はこれらの英語和訳本を手に入れて勉強するべきなんでしょうが、そんなことをやっている時間はありません。英語の教科書もあまり使わず仕舞でした。英語試験には1海特のときに受けたのと同様に英語のヒアリング試験があって、7問のうち3問未満しか出来なかったら筆記の英語試験がいくら良くても不合格という足切り点が存在します。そもそも英語は学生時代から補習、再履修続きで全くの不得意分野でしたが、会社に入って外国との商取引をするようになって必要に迫られて使えるようになっただけで、今でも文章見せられると30%くらいの単語の意味は正確にはわかっていないと思います。でも文章の前後関係で大意を読みとる術と、割と耳は良いほうだと思っているので今持っている自分の英語の能力の試金石がこの航空通試験の英語試験だと思いました。とりあえす過去問題集から英語の問題をピックアップしてやってみますが、海通の英語試験よりは長文にも難しい単語が出てこなくて簡単なようでした。このように英語の試験がネックになった航空通試験でしたが、ボーダーラインが105点中60点で、英会話試験7問の配点が1問5点で35点あり、英会話試験で1問間違えたとしても筆記試験で6問正解すればこれで合格です。これでだいぶ気が楽になりました。英会話試験さえ落とさなければ、筆記がさほど得意じゃなくとも大丈夫です。とはいえ、まったく英語に縁のない人にとっては、一朝一夕に英語が出来るようになるわけではないので、英語だけはモールス通信術の習得より難しいかもしれません。
 航空通の工学の試験は3アマ並に14問しかありません。試験時間も1時間30分で、70点満点中49点以上が合格です。法規の試験も1時間30分で、問題は20問。100点満点で70点以上が合格。英語も英会話試験を除き筆記試験は1時間30分で、英会話試験を合わせて105点中60点以上で合格です。英語の試験だけは100点満点換算で57%取れば合格になっているんで、無線の資格試験の合格基準の中では特別に低いボーダーラインとなっているようです。各科目には科目合格制度があり、科目合格日の翌月から3年以内に他の科目に合格すれば良いようになっています。あと、英語試験の終了後に英語電報送受話の通信術試験がありますが、3時40分から受験番号順に進められるためにいつになったら終わるのか予想が付かず、その通信術免除のためだけに航空特を取ってありましたが、このおかげで札幌で足止めを食らわずに済みました。
 2月の早々に届いた受験票によると22日日曜日の試験会場は1陸特のときと同じNTT北海道セミナーセンターということになっています。ということは1陸特並みに受験者が多いということでしょうか。今の季節にいつも心配になることなんですが、当日雪で交通機関が動かなくなっても試験が中止になることはありません。試験場にたどり着くことは自己責任で、交通機関のせいで救済措置を求めることは出来ないのです。特に北海道では1月の中頃に低気圧が3日に渡って居座り、交通機関が3日間もマヒしたことがあったので、万が一試験当日に交通機関が動かないことが予想されるときは前日に移動して札幌に宿泊することを計画していました。冬場の試験は過去2回受けていますが幸いにも前日宿泊しなければいけない目には一度も遭っていません。ところが今回は試験当日に大荒れの空模様になりました。
 試験当日、これから大雪の天気予報が出ていますが、未だに雪は降っていません。いつもの手稲行き2番電車に乗った途端に雪が降り始めました。無事に札幌駅に到着し、地下鉄で薄野にむかい、路面電車に乗り込もうとするときにはずっと雪が降り続いていて、もうかなりの積雪があるみたいです。電車の中には明らかに同じ試験場に向かう人間が5人くらい乗っており、過去問題集を懸命に暗記している人間もいました。幌南小学校電停で降りると、3分ほどで試験会場です。日曜日だからか他の研修で来ている小学生の集団が多くて賑わっている感じでしたが、NTT職員が休みのためか売店さえ開いていません。試験場では奥の列の一番前から到着順に座らせています。何たる偶然、3往復目の最前列に着席順を指定され、これで最前列の試験も4回目となり、最初から何か見えない力で運を掴んでいるような感じがしました。受験人数は75人あまりで、科目合格者が入れ替わり何人かあるみたいです。受験者の顔ぶれは圧倒的に自衛隊員が多いらしくてちらほら女性隊員らしきYLも混じってます。あとはエアライン関係者とおぼしきスーツの集団、航空関係とか関係なさそうな年輩の女性のほかは、おそらく航空オタと呼ばれる人種とわたくしみたいな免許マニアという感じでしょうか。英語がネックになるためか、資格欄を埋めたい高校生の姿は殆ど見あたりませんでした。9時20分からお定まりの説明が始まり、問題用紙が配られますが、14問しか問題がないために問題用紙は3枚綴りで迫力がありません(笑) ただし問題数が少ないだけに点数を取りにくく、少しの問題でも取りこぼす事ができません。定刻に試験が開始になりました。航空設備等をはじめとしてさほど難しい問題はありませんが、航空通試験に付き物のGPアンテナ、スリーブアンテナ、ブレードアンテナの問題ではなくアマチュアには付き物の八木アンテナに関する新問題が出てきています。電力の利得に関するデシベル換算の問題も「無線工学の基礎」レベルを超えているような感じがしますが出題されていました。とりあえず深く考えないと出来ないような問題はないので、20分くらいで書き上げて退出時間を待ち、45分後の退出可能時間になってから一番で答案を出して退出しました。相変わらず雪はどんどん降り積もって、晴れる気配はまったくありません。この分じゃ札幌周辺も相当交通にマヒを来しているのが予想されますが、試験場までたどり着いてしまえばもうこっちのものです。工学の試験終了時間は11時ちょうどで、10分の休みを挟んですぐに法規の試験が始まります。ここで科目合格者が10人ほど入れ替わりました。工学よりも法規の方が科目合格が取りにくいのか、工学の時よりも人数が増えた感じです。
  法規の試験は以前からさんざん繰り返してきたことですし、遭難通信の取扱及び国際条約に関しては4海通法規と共通するところばかりなのでまったく問題はなく、10分で解答を書き上げ、退出時間を待ちます。45分の退出時間のコールが掛かって一番で解答を提出、センターの中で食事でもと思ったら、センターの食堂は団体研修利用者であらかじめ予約をしていない者は利用できないとのこと。売店は日曜で開いていないし、外に食事をとりに出なければいけませんが、試験場にコートを置きっぱなしです。これでは雪が降り続いている外に出るわけにもいかないんで、最後の人間が退出するのを待っていたんですが、法規の試験ごときで最後の5人が結局試験終了時まで残ってしまい、英語の試験まで30分しかなく、慌ててコートを着て外に飛び出すも雪は深いわ、回りにコンビニさえ見あたらず、電車の一駅分歩いてやっとコンビニを発見し、弁当を調達。すぐにとって返して5分で食事を済ませてまもなく英語の試験の時間です。NTTセミナーセンターで午前午後に渡って試験を受ける方は、あらかじめ食事の用意をしていったほうが慌てなくて済むと思います。1時から英語の試験が始まりますが、最初に英会話の試験、それが終了して筆記の試験にはいります。英会話試験は1海特のときと同じように3回、質問形式の英文が読まれ、最初はゆっくりと、2回目は普通に、3回目は早く流れて1分のインターバルの間にその答えとして正しいものの番号を選んでマークシートに記入するというものです。3回目の読み上げは人にとっては何を言っているのか聞き取れないくらいに早く感じるでしょうから、2回目の読み上げまでにしっかりと質問の意味を把握している必要があります。マークシートは筆記試験のものを兼ねているので、筆記試験中に間違いに気が付いたら答えを修正することも可能です。英会話試験の35点配分のうち、25点から30点くらい取ることが出来ると、大体合格点の半分近い点数がこれだけで獲得出来るので、ここで点数を落とせないと思ったら妙に緊張して、手に持つ鉛筆が震えてきました。最初の設問がテープ(毎試験ごとに新しく問題が作成されるので、試験場で初めて開封されるカセット)から流れてきますが、正確に聞き取ったとは思うんですが、手が震えて1海特のときみたいに一言一句書き取ることが出来ません。書き取れないうちに正しい答えの選択肢と思われる物を選んでいきますが、よく質問の意味を考えないと正しい答えが出てこないものもあります。たとえば「ランディングギアは着陸の時だけに使用するか?」などという質問で、答えは離陸の時にも地上を移動するときにもエアブレーキ代わりに緊急時にスピードを落とすときにも使いますから答えは「NO」を選ばなければいけません。こういう質問は考えている間にすぐ1分が経ってしまいます。こういう問題を7問こなしましたが、1問だけ質問の意味がよく解らなかったものがあって、これ以外は全部質問の意味を把握出来たので、7問中5問程度は出来たのではないかと思います。次に筆記試験の3枚綴りの問題が配られますが、英語の長文に関しては近年希に見る平易な長文で、このわたくしでさえ意味の解らない単語が一つもなかったくらいですから。長文を読解してそれに対する設問に答え、国際通信条約の条文の英英訳も意味としてわかっているものが出てきたようです。和文英訳は虫食い部分に英文をはめ込む問題ですが、1問だけ言い回しの違いで単語のはめ込みがよくわからない物があります、英語試験は過去の英語力に依存するところばかりなので、得手不得手の違いが大きく、わたくしもさすがに1番で答案を提出して退出するわけにはいきませんでしたが、5番目くらいに答案を提出して荷物をすべて持って退出です。解答を提出してからふと英語のみの再受験者の解答用紙が目にはいると、英会話試験の解答以外はいまだに全て白紙の状態でした。英語だけ科目合格できずに再試験にやってくる受験者が意外に沢山いるのですが、やはり英語が不得手の人に取ってはいつまでも英語試験のボーダーラインは高いようです。
 これで通信術試験を待たずして航空通試験の3科目を全て終了しました。雪は未だに強く降り続いており、晴れる気配も全くないので、これから15時40分になっての通信術試験の順番待ちなどしていると確実に家に帰れない事態が予想されますので、通信術免除を取って置いたのは見えない力に最初から導かれてそのレールに乗せられていたからかもしれません。試験場を離れ、札幌駅に向かいましたが家に帰る路線バスは高速道路が閉鎖になったために全て運休です。札幌駅に着いたときも千歳空港が雪で閉鎖され、快速エアポートも全て運休、ローカル列車も全て運休でしたが、定刻15時10分の地元に向かう普通電車が駅に着いた直後に1時間10分遅れで午後に初めて動く電車として出発することになり、すぐそれに乗ると1席分だけ残っていた座席に着席出来すぐに発車。途中で特急の通過待ちもまったくなく17時過ぎには、あの大雪の日としては、奇跡的にまったくの待ち時間もなくすんなり地元に帰ってくることが出来ました。たぶん試験場ではいまだに通信術の試験の順番待ちをしている受験者がいることでしょう。
 家に帰って無線資格系の会議室を覗くと、試験の私的解答速報をしている人がいましたが、英語の英会話の解答が自分のものとまったく違ってました。質問の聞き取った意味がまったく違うんです。確か最初の問題は「寒さを感じたときにどうするか?」で「ストーブのスイッチを入れる」と聞き取ったのに「暑いときにどうするか?」「窓を開ける(本当は窓を開け続ける)」とか「フライトアテンダントは飛行中にどこで働いているか」を「乗客は飛行機のどこにいるか?」に聞き取ったりで、何かこっちのほうが間違えて聞き取ったのかと思って不安になりましたが、無線協会の正式な回答が上がって不安が解消。英会話部分は1問だけ落として7問中6問の正解でした。無線工学はちょっと勘違いが多くて、56/70。法規は何と満点。英語は76/105でボーダーラインを大幅に上回ってとりあえず一発で全科目合格です。
 試験結果通知書は3月16日付で18日に到着。すぐ申請しないと申請書の様式が代わり、申請料も値上がりするので即日総通局に免許申請し、3月27日に3月26日付の免許が到着しました。次回の試験から航空通試験は受験料が値下げになったために、最後の高い受験料の航空通試験となりました(笑)
 航空無線通信士は航空従事者以外には使いようのない無線資格ですけど、合格して何よりうれしかったのは、苦手意識のあった英語試験に通って国家的なお墨付きを頂いたことです。航空通で英検2級程度と言われているので、個人的には英検2級同等の実力所持かなぁ、なんて思ったりしますが、アマチュア無線的には英語で外国と自由に交信できるかどうかということに関しては別問題です(^_^;)

 航空通資格取得費用
 受験料      9,780円(当時)
 工学教科書    1,900円
 法規教科書    1,900円
 英語教科書    1,300円
 過去問題集    1,860円
 英文電報受信テープ なし (1海特流用)
 免許申請料    1,650円
 郵送料・その他   570円
  合  計    18,960円

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July 21, 2004

科目免除目的の航空特殊無線技士受験記

 航空特殊無線技士は航空運送事業の用に供さない自家用事業用の航空機(セスナ機やヘリコプタ)とこれと通信をする地上の航空局の無線設備の国内通信のための通信操作を行うための免許です。又、航空機に搭載されるATCトランスポンダおよび航空用レーダーの操作も可能ですけど、旅客機みたいに管制と英語で業務通信をかわす必要がないために航空無線通信士のように英語の試験はありません。また航空無線通信士の通信操作の範囲がHF、VHF(主にA3E)にかかわらず制限がない(技術的操作は出力250ワット以下の外部の調整部分)とされているのに、航空特殊無線技士は25,010キロヘルツ以上の周波数に限定され出力も50ワット以下というように定められております。特殊無線技士では珍しく1海特同様に英文電報の送受話の通信術試験があり、航空特殊無線技士の資格を取ると航空無線通信士の通信術(これも英語電報の送受話試験のみ)が科目免除となるため、わたくしはこの科目免除のためだけにわざわざこの試験を受けたというのが受験の理由です。世の中にそれほど航空機事業に従事する人間が多いわけではなく、非実用的な資格にもかかわらず、航空機オタクというのが存在するらしく受験する人間は多いようです。
 受験にあたって用意した特別の参考書その他はありません。4海通受験後に航空通用の養成課程教科書の無線工学、法規、英語、過去問題集を購入してあったので、トランスポンダ、レーダーなどの問題はこれを参考にして、2陸特を取るときに購入した特殊無線技師用問題集をそのまま使って2日くらい勉強しただけです。
 10月の特殊無線技士試験は土日の開催で、1陸特以外の特殊無線技士の試験は土曜に集中しておりました。航空特は今回は1海特試験と一緒で昼の1時からの開始となります。会場はしばらくぶりとなる札幌卸センター共同会館となります。昼からの試験というと3アマ試験以来でしたかねぇ。会場には既に何人かが集まっており、今回は一番前というわけにはいきません。航空特受験者は受験番号から見ると22人、1海特受験者はたったの6人です。そのうち女性が2人くらい混じっていました。10人くらいの男女のグループで北見からやって来ているようでしたが、何の集団だったんでしょうね。アマチュア帯を締め出されたパラグライダーの連中だったのかな?お定まりの試験の説明が12時50分からあり、13時から試験が始まりました。1陸特を除き特殊無線技士は過去問が繰り返し出題されるので、過去問さえやっていれば落ちることはまずありません。3分で解答して5分で見直しまで終わって終了です。試験官としては皆が30分の退出時間までに出来ればすぐに通信術の試験に入りたいところなんですが、約1名が30分でもまだ終了しません。1時間が試験時間ですから仕方がありませんが、全員が廊下に退出してもまだ粘っています。結局50分を過ぎるまでこの男は答案を提出しませんでした。それから1海特の英語の試験を片づけてから航空特と一緒に英文電報受話の試験となりますので、まだまだ時間がかかります。1海特の英語の試験の間、北見の集団の会話を聞いていると「問題集とまったく同じのが出てきたけど微妙に選択肢の順番が変わっていて2番って覚えたからその通り書いたらたぶん間違えた」とか女の子は「通信術の品位点ってなあに?態度とか服装とかそういうのでマイナスされたりするの?」なんてめちゃくちゃな事を言ってます。それでも殆ど落ちる人間のいない試験なんだよなぁ。1海特の英語の試験が終わり、中に呼ばれて英語電報受話の試験です。「赤い罫線の恐怖の受信用紙」も、モールス受話じゃなければ単なる紙きれ。わたくしは1海特のときにすでに英文電報の送受話通信術試験に通っているにもかかわらず、特殊無線技士相互間には科目免除もなく、また海上、陸上資格相互にも科目免除の融通がないためか、同じ試験を再度受験することになります。あいかわらずネイティブじゃない発音のテープが回って2分の受話試験が終了、もちろん取りこぼしナシです。それから一旦廊下に出されてから受験番号順に中に呼ばれて2分間の英語電報送話試験が始まりますが、受験番号が10数番だったので、おおよそ40分くらいあとにならないと順番が回ってこない計算です。実は航空無線通信士試験ではおおよそ100人ほど受験者があるという話を聞き、午後の英語の試験が終わったあとに3時40分から60人くらい通信術を受けるとしても大変な時間が掛かってしまって、いつまでたっても帰れない事態が容易に想像出来たので、科目免除ほしさに航空特を受験したのでした。45分くらい経って中に呼ばれて5文字ずつのアルファベットを書かれた送話表を渡され、2分間の送話試験を無事に終了しました。試験場を出たのは3時を過ぎてましたが、あの50分まで粘った受験者がいなければ20分は早く帰れたのになぁ(^_^;)後日、無線協会のWEBからの解答で答え合わせをすると工学も法規も100点でした。まあ1陸特以外の特殊無線技士試験で工学は100点を切ったことはなくすべて法規で1問落としただけですから。100点は試験としても3アマ試験以来かな?とは言えあんまり合格してもうれしくないのは科目免除のためだけに受けた試験だからですね。月末に試験結果通知が到着、即日で免許申請して10日ほどで免許が到着しました。このあと受験予定の無線従事者試験は2月末の航空無線通信士試験までありません。そのために他ジャンルの資格試験を2つ入れることにしましたが、2月にその試験が集中してしまい、後で苦しむことになります(^_^;)

 航空特資格取得費用
 受験料     4,930円
 参考書      なし
 問題集         (特技問題集流用)
 免許申請料   1,650円
 郵送料・その他  570円
 合   計   7,150円

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人気薄な第4級海上無線通信士受験記

第4級海上無線通信士の資格は旧名を電話級無線通信士といって、第3級無線通信士(今の第三級総合通信士)の下位の資格として海上、陸上を問わず音声電話による通信とレーダー、および技術的操作の一部が認められた資格だったのですが、モールス通信を廃して電子通信の通信術が科せられた1,2,3級海上通信士が新設されて第4級海上無線通信士という名前に変更になり、陸上の通信がその操作範囲から除かれたためにまことに使いでの悪い資格になってしまいました。電話級無線通信士資格の時代には、第2級アマチュア無線技士の資格を持っていると工学の試験が科目免除とされていて、上級アマを取得したついでに法規と和文電報送受話の通信術試験を受けて取得するアマチュアがけっこういたようですが、現在はアマチュアの資格とプロの資格の間の科目免除が無くなり(プロの免許でアマチュア無線が運用できる資格は多数あります)、現在はアマ上級資格所持者でも工学、法規の両方を受験する必要があります。また、第4級海上無線通信士の試験には英語の試験がないために無線による国際通信が認められておらず、主に300トンまでの漁船の国内向け通信としての資格ですが、最近のGMDSSシステムの下にあっては大型の漁船は3海通以上の資格で海技士(電子通信)を所持していないと役にたたないので、実際の通信には殆ど使いようのない資格に成り下がってしまいました。ところが技術操作の一部にあっては2海通よりも上位の部分があり、海上通信に関する技術免許として第三種認定点検業者の点検業務に就くことが出来るので、1陸特、4海通、航空通の3枚を所持していれば技術職の最低資格として陸海空の簡単な無線通信装置の認定点検業務に就ける可能性もあります。それ以上の無線技術職をめざすんだったら2陸技、1陸技を受験しましょう。
 名前は4海通ですが、工学の難易度に関しては3海通と逆転します。3海通は主に航海士等の航海従事者に資格を取らせるために工学が簡単になっており、英語と法規、さらに通信術試験が上位の海通試験とまったく同じということになっております。さらに4海通はアマチュア無線の4級相当の資格としてアマチュア無線の運用が出来ますが、3海通には認められておりません。また4海通の工学の試験に合格すると、3海通の工学の試験は科目免除になるため、3海通の下位資格が4海通とはいえない状況になっています。強いて言うなれば3海通の下位資格が1海特、3総通の下位資格が4海通というようなポジションでしょうか。
 1陸特試験終了後に電気通信振興会北海道支部から4海通養成教科書の工学と法規、国家試験問題集を手に入れてきました。工学の難易度は「各種無線工学の基礎」にすぎず、2アマ程度でさほどは難しくはないんですが、どうも最近の傾向として2アマには出てこないデシベルの計算が出てきたり、交流の力率の問題がでてきたりして、アマの試験制作者とまったく違う担当が試験を制作しているのがよくわかるのですが、過去問丸暗記の受験者は面食らうでしょうね。法規に関しては遭難救助の取扱の部分がかなりの割合を占めますんで、ここはしっかり押さえておきましょう。工学は過去問を軽く押さえる程度で済ませましたが、法規はしっかり各項目をノートに丸写しして、それから空でも言えるように暗記する毎日です。しかし、これが後に航空通の英語試験における国際条約の英英訳問題を解くのに非常に訳にたちました。4海通の試験の問題数は工学18問、法規20問です。上級アマの試験と違って問題数が少ない割には出題範囲が広いので、点数が取りにくいと感じられるかもしれません。試験時間は1時間半で午前工学、午後に法規の試験が行われ、以前科せられていた和文電報の送受話試験は廃止になり、唯一通信術試験のない通信士試験になってしまいました。
 試験日は8月第2週の平日で、試験場は上級アマ試験で2回通った道民活動センターかでる2.7でした。例によって手稲行きの朝2番電車で札幌へ行き、徒歩で試験会場に向かいます。大体試験官は8時50分頃到着というのがわかっているためロビーで待っていましたが、受験人数がそもそも少ないのかそれらしい人間は1人も見かけません。試験官が到着して一緒にエレベータで5階に上り、しばしの会場セッティングののち試験場に1番で入場。厳を担いで真ん中の列の右一番前に座ります。受験番号を見ると本日受験人数は9人のようでした。4海通試験はさすがに海通試験だけあって、科目別の科目合格が認められており、たとえ片方の科目に不合格でも翌月から3年以内にもう一つの科目に合格すれば良いようになっていますので、通信術に落ちたらすべてパーになるアマの上級試験よりはよっぽどマシです。受験者の顔ぶれは自衛隊員風の髪の短い受験者が半分、あとは免許マニア風のわたくしみたいなのが半分というところでしょうか。
 9時20分から型どおりの説明が始まり、問題用紙、解答用紙が配られ定刻9時30分に試験が開始となりました。1名欠席のようですが科目合格で午後の試験から現れるのかもしれません。試験開始と共にさっそく計算問題を後回しにして取りかかりますが、今はお盆の連休直前で夏休みと言うこともあり、この道民活動センターの研修室はほとんど満杯状態です。特に隣の部屋は何かのセミナーを行っているらしく、さほど広い部屋でないのにワイヤレスマイクの音がこちらの部屋まで響いてきて、落ち着いて計算問題に取りかかれない状態なんです。これは誤算でした。すっかり落ち着きを無くしてどう計算しても未知の抵抗の値が出てこない、LRC回路のLのインピーダンスが出てこないで浮き足立ち、問題用紙中計算式を書き殴り、退出可能時間になって先に終わった者がちらほら答案を提出する45分が経過しても答えがでてきません。そして、もう一度計算式を消しゴムできれいに消して、やり直したらすんなり答えが出てきました。単純な計算ミスが原因でした。それで試験開始後約1時間で解答を提出。3番目くらいだったかなぁ。今回だけは先に退出する者がいて逆にこちらがプレッシャーを掛けられた感じです(^_^;)
いつも通りの長い昼休みの後午後1時から法規の試験開始。科目合格者が1人入れ替わりで法規の試験だけ受けるようです。さきほどまで静かだった隣の部屋のセミナーも1時きっかりにマイクでがなり立てはじめました。これが上級アマの通信術試験に重なっていたらゾっとしますねぇ。まあ、隣の騒音にももう慣れてしまったので、黙々と法規の解答を進め、退出可能時間の45分後に他の受験者1名と一緒に1番で解答を提出し、試験場を後にしました。通信士試験は無線協会が免許申請の代行をしないので免許申請書すら販売の用意をしてきていませんが、そんなことは先刻承知で参考書を揃えるときに申請書まで購入済でしたからあとは合否の到着を待つだけです。一週間後に無線協会の解答を確認し双方とも84点以上で合格を確認。合格通知書が到着する前に免許申請書は写真を貼り付け収入印紙も貼っていつでも出せるように準備してありました。8月末に結果通知書が到着して合格。即日総合通信局に免許申請書を発送すると何と今回は5日後に免許がポストに入っておりました。初めての手帳型見開きの通信士免許ですけど、ラミネートの免許に比べて持ち歩きに不便で角がめくれそうなので家にしまい込んであります(笑)

 4海通資格取得費用
 受験料     7,080円(当時)
 工学教科書   2,500円 
 法規教科書   2,200円
 過去問題集   1,600円
 免許申請料   1,650円
 郵送料・その他  570円
 合  計    15,600円

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July 20, 2004

1陸特免許取得は楽勝

 第1級陸上特殊無線技士は旧名を特殊無線技士(多重無線設備)といい、他の特殊無線技士免許と比べると比較的に歴史も浅いために旧名に甲乙丙の名前が付いていないのは第1級海上特殊無線技士の場合と同様です。技術系免許として第2級陸上無線技術士の下位の位置に属するマイクロウエーブのスペシャリストの資格です。そのために操作範囲に多重無線設備の操作および技術的操作の一部が含まれており、TVの中継、衛星通信を始め携帯基地局の点検業務等の第三種認定点検業者における陸上の無線設備の点検業務なども行える点が他の特殊無線技士免許と一線を隔してます。
 合格率は20%前後で、他の特殊無線技士試験の無線工学の試験の範囲が「各種無線装置の取扱い」程度に過ぎないのに、1陸特だけは「各種無線工学の概要」となって、これだけは1アマと同じで、4海通や航空通よりも一段上ということになります。したがって試験の範囲に2アマには出てこない複素数によるRLC回路の計算、キルヒホッフの法則による閉回路の計算、デシベル絡みの電力、電界強度の計算などが含まれてきます。他の特殊無線技士試験が4択なのにも関わらず、1陸特試験は5択で、これだけを見ても他の特殊無線技士と差別化されているのがわかると思います。無線工学だけで見ると2陸特と1陸特の間のレベル差は4アマと1アマくらい離れているので、上級アマ程度の知識なしに2陸特から1陸特にいきなりステップアップするのは無謀とも言えますが、それを知らずに就職にやや有利ということだけで受験に来る資格欄を埋めたい高校生も相変わらず多いようですが。
 4月期で1アマ受験に失敗したと思ったので、すぐに6月の1陸特試験の受験申請を出して1陸特試験の受験勉強に入りました。2月の1海特試験のあとに東京電機大出版局の「一陸特集中ゼミ」は買ってあったので、あと4月の1アマ試験の後に1陸特養成課程教科書の工学と、1陸特国家試験問題集を購入。1陸特は通信術試験がないため通信術ですべてが御破産になることがないので気が楽です。さらに1アマ試験の延長ですぐに受験のために、多重無線の基礎と中継方式、マイクロ波の基礎、デジタル変調の基礎、導波管とモードの問題等覚えるだけで基礎はすでに出来ているので、1陸特特有の分野だけをまとめ、ノートを作り、また問題集をパソコンに打ち込んで解答用紙も独自に作って反復して練習出来るようにしました。最初はマイクロ波とか中継方式に戸惑っていたのですが、この1陸特独自の部分に関しては、過去の問題はさほど意地悪く捻って出題されている問題はないようで、基礎さえしっかりおさえれば十分点数が取れるような感触です。しかし計算問題だけは2アマの「整数で割り切れる問題」というのは見あたらず、しっかり計算力を問われる問題が多いようです。それで例によって重要暗記事項と公式は壁紙作戦です。A4サイズの紙に13枚ほどにまとめていつもの場所に張り付け、いつでも目に付くようにしました。そして4月の末に思いがけなく1アマの合格を拾ってそれが弾みになり、あとは6月の試験に向かって勉強するのみでした。
 6月試験は平日です。そして再選挙になった札幌市長選の真っ最中にぶつかりますが、今度は通信術がないので何の問題もありません。受験者数が特殊無線技士試験中で一番多いために他の特殊無線技士とは別な場所で行われると聞いていましたが、受験票が届くと「NTT北海道セミナーセンター」になっています。南22条なので、札幌駅から地下鉄で薄野に出てそこから路面電車で15分ほど揺られる計算になります。いつもの2番電車に乗って札幌に向かいますが、平日のために途中からすし詰めの通勤電車になりました。地下鉄で薄野で降り、路面電車に乗ろうと交差点で信号を待っていたら信号が変わる前に電車が出てゆきました。次の電車がすぐ来ましたがすぐには発車しません。同じ試験を受ける受験者が5人くらい電車に乗っているようで、1陸特養成教科書を必死で読んでいる男も見かけましたが、あの教科書を丸暗記しても試験範囲としてぜんぜん足りないんだよなぁ(^_^;)9時5分前くらいに会場に入るとすでに25人くらいが前から順番に着席させられていて、何とわたくしは折り返し1番前の席に着席させられてしまいました。2アマ1アマに引き続き一番前とは縁起の良い(笑)本日の受験者は125人で、他のエリアみたいに午前と午後に2回に分けて試験が行われることはありません。最初の教室に詰め込めるだけ詰めて、後からやって来た人間は隣の教室で試験を受けることになります。しかし制服を着た工業高校の生徒が半分近くを占めているくらい高校生が目に付きました。女子高生もちらほら目に付きます。悪いけど分数の計算も怪しいような彼らに負けるわけにはいきません。資格欄を埋めたい気持ちは分かるけど、基礎知識なしに答え丸暗記で1陸特試験にやってくるのは無謀じゃないの?(^_^;)作業服来たまま現場から直行してきたようなオヤジたちもちらちら目に付きますが、皆一様に養成教科書しか勉強していないようでした。型どおり試験の説明が9時20分から始まり、法規12問の問題用紙と工学24問の問題用紙、それぞれの解答用紙が一度に配られます。試験時間は法規の12問があるので2時間半が制限時間だったかな?9時30分から試験が開始になりますが、最初に法規の12問を3分ほどで片付け、工学の試験に取りかかりますが、デシベル絡みの問題は出ないことはないくらいですから驚きませんが、今回もキルヒホッフの法則絡みの問題が出てきませんでした。せっかく得意種目になったというのに皮肉なものです。他に論理回路の問題も出てこないし、全般的な難易度としては近年希なサービス問題の山という感じでした。ただし、これは出ないとヤマを張った絶対温度の絡む雑音計数の問題が出てきて、公式を忘れてしまってたぶんこれくらいという近似値をはじき出して選択肢と合わせてみましたがしっかり間違えてしまいましたが。退出可能時間は試験開始から1時間後です。約40分ほどで一通り解答を書き上げて10分くらいで更にチェックを加えて退出時間を待ちました。退出可能のコールがかかると女子高生を含めた高校生たちが一斉に解答用紙を持って立ち上がったので交通整理のために出口に近い場所から順番に退出ですが、彼らは解答用紙だけ提出すると誰1人として免許申請書を購入せずに廊下に直行です。24問中15問正解だったら合格なんだから、考えようによっては計算問題を全部捨てても他が合っていれば合格なんだけどなぁ。こちらは1アマ試験のときと違って確かな感触を得て免許申請書を購入しての帰還になりました。そして路面電車に飛び乗って薄野の三味線屋さんで糸を買い足し、さらに昼になる前に菊水のメディアミックスの電気通信振興会北海道支部に直接出掛けて、8月受験予定の4海通試験申請書と免許申請書、4海通養成課程教科書の工学と法規ならびに概出問題集を購入して4海通の試験に備えます。
 試験翌日くらいに解答速報サイトが更新されてそれにより答え合わせをすると工学21/24、法規11/12で楽勝でした。試験の結果通知は6月の末くらいに到着し、即日で免許申請して2週間ほどで免許が到着しました。しかし、難易度の割には1陸特の免許は他の特殊無線技士免許と同じく白地で地方総合通信局長名で発行されるのが、実に物足りないんですけどねぇ。1アマ2アマ免許くらいに差別化してほしいと思っているのはわたくしだけじゃないでしょうねぇ(笑)

 1陸特資格取得費用
  受験料     4,930円(当時)
  工学教科書   1,700円
  法規教科書       (2陸特流用)
  問題集     2,200円
  解説本     3,000円(1陸特集中ゼミ)
  免許申請料   1,650円
  郵送料・その他  570円
  合  計    14,050円

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薄氷を踏んだ1アマ試験受験記

 第一級アマチュア無線技士免許、通称1アマの資格は4アマ免許の発行枚数を100とすると0.7になります。4アマ100人のうちで1アマまで取得する人は1人以下ということになります。2アマまで取得する人は4アマ40人に1人という計算ですから、いかに1アマまで取得する人が少ないかというのがわかるというもの。昨年までの4アマ免許発行枚数が290万枚に対して1アマ免許の発行枚数は過去50年間で約2万3千枚となっています。なぜこれだけ取得する人間が少ないかというと、「リニアアンプを使って1kWの許可を取らない限り1アマも2アマも操作範囲は変わらないから1アマを取るのは時間のムダ、その時間を他のことに有効に使った方がいい」なんて言う人もいますけど、最近の受験者数を見ても2アマより1アマ受験者の方がずっと多いことの説明が付きません。取得する人間が少ない理由は、1アマ試験のボーダーラインがけっこう高いからに違いありません。近年の合格率も14%から22%くらいで推移しているんで、受験者5人に1人くらいしか合格できないレベルの試験ということになります。「小学生でも合格する簡単な試験」なんて言う人間がいますけど、1アマに合格した小学生本人を連れてきて下さい(笑)「危険物乙種第4類試験に小学校2年生が合格した」ということがニュースになるくらいです。とはいっても、しっかりポイントを押さえた勉強とモールスの受信さえきっちり出来れば1回の受験で十分合格することも可能です。なにせ、アマチュア無線の実戦経験がまったくなかったわたくしがとりあえず初回で合格しているんですから(^_^;) とくに平成8年から1アマ試験に40年間に渡って科されてきた和文モールスの試験がなくなり、現在はモールス試験は60字/分の速度の英文平文の3分間180字の受信のみなので楽になりました。昔の1アマの試験は記述式で、通信術も和文英文モールスの送受信試験が科されていて、今の1アマ試験は簡単すぎると1アマの資格に差を付けたがるわからずやもいるようですが、合格率の推移を数字で見ても今の試験が返って以前より合格率が低下していて決して簡単に取れるようになったわけではないので、最近1アマ免許を取った人でも卑屈になることはありません(笑)
 わたくしが1アマの試験を受験した理由は、当初から1アマまで取ることを年次計画として立てていて、それに従っただけという理由です。当初3アマを取った翌年4月に2アマを、2アマに合格したら8月に1アマを取るという予定でしたが、2アマを前倒しして12月に受験し、それに合格してしまったものだから、1アマ受験もそれに従って4月に受験することにしました。というのも、2アマを受験した余波が残っているうちに極力時間を空けないで1アマの受験勉強をしたほうがよいという某掲示板のアドバイスに従ったからです。「2アマを取ってしまうと2アマで満足してしまい、時間を空ければいつまで経っても1アマに合格できない」という言葉はなるほどと思いましたので、これから1アマを受験する人もキモに命じて下さい。そういえば3アマから一気に1アマを受験する人もけっこういるようですが、工学部出身で無線工学その他得意な人ならともかく、わたくしみたいな、ついこないだまでオームの法則まで怪しかった文系の人は迷わず2アマに合格してから1アマに挑戦するようにしたほうがいいでしょう。以前は「ガルスカ本」なる数値も原理原則も暗記で1アマ合格という主旨の丸暗記本が流行したこともありましたし、「1アマの方が概出問題のパターンが2アマに比べて少ないから1アマのほうが勉強の量が少なくて済むのでいきなり1アマを受験したほうがいい」と勧める人も未だにいるようですが、今の試験ではさすがに「ガルスカ本」丸暗記じゃ工学20点が関の山でしょう。2アマと1アマの試験じゃ計算問題のレベルが中学と高校くらいの差がありますから、よっぽどの理系人間でない限りは2アマからのステップアップとして受験した方がよろしいでしょう。万が一何回か1アマ試験に失敗しても出力以外の操作範囲は1アマと同じですから2アマを先に取っておけばショックは少ないはずです。(厳密に言うと1アマ資格は2アマと違って唯一第二種認定点検業者としてアマチュア無線設備の認定点検業務に従事できるという技術系免許という側面もあるのですが)
 2アマ試験の無線工学の範囲は「各種無線工学の基礎」で、ほんの基本的なことの表面をなぞるような出題なのに対して1アマ試験の範囲は「各種無線工学の概要」となります。これは第一級陸上特殊無線技士試験の無線工学と同等、第4級海上無線通信士と航空無線通信士の無線工学より上になります。2アマの計算は整数で割り切れるようなごく簡単な問題ばかりで、複雑な計算は一切出てきませんが、1アマの計算は複雑で、計算力と応用力と理解度を問われる中身に踏み込んだ問題が多くなります。2アマになくて1アマに出てくる独自の問題というと、複素数によるLRC回路の計算、キルヒホッフの法則による閉回路の計算、デシベルの絡む電力や電界強度の計算などがありますが、計算問題を全部投げてしまうと、いかに他の問題が出来てもちょっと合格レベルには難しいと思うので、諦めずに地道にマスターしていきましょう。これらをマスターしてしまうと、少しの努力で第一級陸上特殊無線技士(合格率20%前後)の道も開けてきます。
 用意した問題集は、実は2アマ試験の工学試験が終わった昼休みに札幌大通りの本屋で購入してしまったCQ出版の第一級ハム国家試験問題集、および解説が平易な通称カエル本の第一級ハム解説付き問題集、2アマの時にも使った解説・無線工学と気休めにガルスカ本まで用意して万全の体制です。4月試験に合わせて2アマ試験のあとにすぐ1アマの受験勉強をするつもりが、2月に1海特試験が入っていたために本格的な勉強は2月の頭からということになりましたが、なんだが勉強が手に付きません。12月に2アマの試験で死力を尽くして1発合格してしまったために、2アマですでに燃え尽きてしまって「あしたのジョー」になってしまった感じです。CQ出版の1アマモールス練習CDも購入しましたがモールスの練習もなかなか60字まで取れない感じです。ということであっという間に時間ばかり経ってしましましたが、2アマの時と同じようにノートに要点整理、パソコンに問題打ち込みで105ページの問題集作製、重要暗記事項と公式は壁一面に18枚も張り付けました。基本的には2アマの基礎問題から一歩踏み込んだ内容になるので、計算問題に関しては最初から捨てないで一通りはやったとは思うんですが、最後まで絶対に合格出来る確信というものは持てずに試験に臨んだ状態です。モールスの受信練習は2アマの2分までなら緊張感の維持が可能なんですが、さすがに1アマの3分になると180字の文章のうち140文字くらいから緊張感が崩れて脱字が極端に増えて行く感じです。また、45字/分であれば語調方で間に合っていたものが60字/分ともなると、そろそろ音のイメージで符号をとらえないと書取が間に合いません。これが後になって落とし穴にはまりこむ原因になってしまいました。60字/分の速さだとそろそろ小文字で書き取りをしないと脱字するスピードですが、あえて大文字ばかりで書き取ることにしました。しかし60文字/分だと5文字単位の暗文はほぼ取りこぼしがなくとも、平文だと余裕がなくなります。60文字/分で練習してもスピード的に心配なので70文字/分くらいのスピードで取りこぼしがないような状態にしたいところですが、なかなかそこまで上達しませんでした。文章は時事英語の部分から180文字くらいの部分を抜粋し、モールス練習ソフトのデフォルトの文章と入れ換えて、平文180文字だけの書き取り練習を続けていきます。
 2アマに受かってから、免許状も晴れてHFオールバンドに書き換えましたが、ここで運用にハマってしまうと絶対に1アマに受からないと思って、無線機は1アマ試験の結果が出るまであえて封印しました。まだ開局以来一度も電波を出したことが無くて、HFからUHFまでリグはすべて揃っているのに(但しこの時点では6mがまだ無かった)リグはトランシーバーじゃなくてレシーバー状態です。たまに気晴らしでHFでどこが入感しているかワッチなぞをしておりましたが、今考えると運用を開始するようになってから一度も交信記録のないところばかり入感していたのが皮肉なものでした。とはいえ、1アマの勉強の妨げにならないように運用は厳に控え、運用しない限りはJARLに入会するのも勿体ないので、その時点ではJARLの入会もまだでした。
 ということで、2アマ燃え尽き症候群に苦しめられながら、3月末まで何とかデシベルの計算もキルヒホッフ絡みの計算も出来るようになり、複素数計算だけは怪しかったですけど、合格水準にすれすれ達するくらいのレベルに持っていけたような感触を得ました。法規は殆ど2アマの延長線で、その2アマの問題の重箱の隅をつついたような引っかけ問題の山となりますが、もう出題プライオリティの高い部分は条文を空で言えるくらいになりましたから、どこの部分の虫食い穴埋めが出ても大丈夫と思い、あまりやりませんでしたが、法規の確認用には唯一「ガルスカ本」が役に立ったような感じです(笑)
 ところで、その年の4月試験の開催日には道議会議員選挙と札幌市長選挙の選挙戦の真っ直中と重なってしまうことが判明しました。モールスの試験の最中に選挙カーが来られて大音量で受信の邪魔をされては、その候補の選挙事務所に火をつけてやりたい衝動に駆られないとも限りません。そういう心配をよそに準備万端ともいえないまま1アマ試験開催当日を迎えてしまいました。
 試験会場は2アマのときと同様に札幌の道民活動センターかでる2.7です。例によって朝2番の手稲行き電車に乗って札幌に向かいましたが、2アマの試験のときにはまだ陽も昇っていなかったのに今の季節はもう太陽がさんさんと輝いてます。8時20分頃に試験場に到着。開場が8時30分からということで10分少々外で待たされることになりました。もう顔なじみとなってしまった試験官が到着するまで、下のロビーで論理回路の組合せをまとめた部分のノートを確認します。受験者とおぼしきオヤジ数人がやってきて、計算問題の2アマと1アマの違いなどということを論じながら煙草をふかしています。8時50分くらいに試験官がやって来て一緒に5階の試験会場に向かいます。そしてしばしの試験場設営の合間ののち一番先頭で試験場に入り、正面真ん中一番先頭の場所を確保。これは通信術試験の受信用紙の回収の順番の関係で大きな意味を持ちます。受験番号でいうと本日試験の受験人数は24人、そのうち通信術免除者が1/3くらいうだったでしょうか。試験に来る顔触れも2アマの時よりもさらにオタクっぽい顔ぶれが集まっているような気がします。年齢層は20代から70代過ぎくらいまで。話を聞くとどうも3年くらい通い続けて通信術も取っていないような「1アマ試験は参加することに意義がある」というようなポリシーの万年受験組も数多くいるようでしたね(^_^;) 自分のとなりの20代後半オタク系受験者は、自分が使わなかった東京電機大発行の「1アマ教室」を使用していて、試験に対しても堂々としていて自信に満ちあふれている感じでした。9時20分からお定まりの試験の説明が始まって、無線工学の問題が配られます。7枚綴り30問の問題用紙はけっこうなボリュームです。9時30分きっかりに欠席者4名のまま2時間30分の無線工学の試験が始まりました。まず、計算問題は後に回して原理原則で答えられる問題の正解の選択肢を捜して正解に印を付けていきますが、1アマ問題も五択なので穴埋めにしても最終的にどっちの選択肢が正しいか迷わせるというような意地の悪い問題が続きます。これを何とか終わらせた後に計算問題に取りかかりますが、けっこう覚えるのに時間の掛かったキルヒホッフ絡みの計算問題は今回も出題されずに拍子抜け。しかし最近の傾向として2陸技あたりの概出問題が新問題として出題されることが多く、まったく見たこともない計算問題があり、公式、解法がわからないために手も足も出ない計算もありますが、これまでの知識を総動員して、わからないなりに5つの選択肢からあり得ない数値の答えを除いていき、消去法で近似値と思えるものに印をつけていきます。計算問題は正解不正解が五分五分というような感触でした。そして合格水準には何とか達しただろうという感触を得て退出可能時間の1時間で一番に解答を提出して午後の通信術試験開始まで長い昼休みに入ります。
 12時30分に試験場に戻るとピコモールスやノートパソコン使って受信練習に余念のない者、法規試験に備えて参考書を広げ数値暗記に余念のない者それぞれでした。1人「ガルスカ本」を広げて法規の勉強していた人を見かけましたが、まさが工学もガルスカ本1冊で勉強を済ませたわけではないでしょう。となりのオタク系あんちゃんもピコモールスの書き取りに余念がありませんが、何と字が整っていて非常にきれいに書き取ってあり、相当上のスピードまで練習したような感じでした。
 そして1時を過ぎて通信術の試験開始にあたり、通信術科目合格者は廊下で待機です。4名の欠席者のうち2名が通信術のみを受験するためにやってきました。高い受験料払って通信術以外は棄権とはもったいないですよね(^_^;)。なぜか市場では見かけないKENWOODのMDカセットテレコが用意され、MDに入っている受信課題のうち開封した指示書に従って#12の課題がセットされました。恐怖の赤い罫線の受信用紙が配られ、受験番号と氏名を記入しますが、180字を記入していくとなるとこれ一枚では間に合わなくなるのではないかと思ってちょっと心配になります。用意したのは2Bの先を丸めた鉛筆一本ですが、万一芯が折れたときのために左手の指に予備の鉛筆を挟んでおきます。シャープペンは芯が折れるとノックしている閑に脱字するのでお薦めしません。気になるんだったらボールペンを使った方がマシです。そして音量確認のためにA〜Zまでの信号が流れますが、北海道では本番に入る前にここで一旦機械を止めて後ろまで聞こえるかどうかの確認をしたのち、再度本番に入ってゆくようになっており、機械を止め深呼吸させてもらったときに相撲で言う「呼吸が合わなくなる」状態になってリズムが崩れてしまいました。また、試験官が気を利かせたのか機械を止めたときにボリュームをぐっと上げて(いつもより1/6回転ほど多かった)しまって、本番で慌てることになります。HR HR B~T が流れて本番突入ですが、何と音量が大きすぎて短点長点の切れ目がまったく付きません、気ばかりあせると音は取れても書き取るスピードが付いていかず、長い単語は語尾の3文字くらい取りこぼしている感じです。例によって2分を過ぎたくらいから緊張感もとぎれてきて、ぼろぼろの状態で3分の通信術試験が終わりました。単語で覚えていて書き取れなかった部分は即座に単語として正しいように瞬間的に書き足していきますが(MISSISSIPPI等)、後ろから回収が回ってくる間に見返しても脱字多数誤字もあって、さらに品位点でもだいぶ減点されるようにきたない解答です。隣をふと見ると、きれいな小文字ブロック体で非の打ち所のないような受信用紙で、オタク系あんちゃんが人の顔みてフッと嘲笑するんです。悔しいから反対側の万年受験組ほぼ御同輩と夏の試験での再会を誓い合いました(笑)しかしよく言われる短点トラップの単語「MISSISSIPPI」がまさか本当に出てくるとは思わなかった(^_^;)
 ということで、最初はなんとか通信術だけでも科目合格したいと思って試験に臨んだものの通信術で減点超過となるといくら工学と法規で高得点を取っても「不合格」の3文字を食らうことになります。法規の試験はもう力を尽くしても通信術で玉砕しているので上の空状態でしたが、何とか25問の問題で制限時間2時間の試験のうち、退出可能時間の1時間が過ぎたらさっさと解答を提出して退出です。もちろん今回だけは「不合格確実」だと確信していたので免許申請書は買わずじまいで、初めての資格試験の敗北感を味わっての帰還です。6月の1陸特試験は通信術試験がないから、そっちのほうで確実に免許を取ろうと養成教科書の工学と過去問題集を買って返りました。家に帰ると例の解答速報サイトからすでに工学と法規の解答がアップされており、工学の答え合わせをすると、何と1点だけ基準点に達していません。これで法規の答え合わせをする気もなくなり、通信術だけはしておこうと8月試験に向けてモールス書き取り練習を続けました。ところが翌日風向きが変わって、例の解答速報が一部訂正になり、工学が基準点ぴったりで合格圏内に入っているのです。とはいっても通信術に失敗していれば元の木阿弥でそれだけ悔しさがつのりますけど、もう今回の試験失敗は貴重な教訓だと思って合否のことは忘れることにしました。
 4月28日に試験の結果通知が届きましたが、結果はわかりきっているので3文字を確かめようとシールをめくって我が目を疑いました。何と「合格」の2文字が書かれていたのですから。最初は何かの間違いじゃないかと思いましたが、確かに1アマの試験通知になっています。そこで慌てて近所のハムショップに出掛けて総通局に直接申請する申請書を購入し、(但し記載事項を一部書き加える必要がありました)その足で市役所に走り住民票を取って郵便局に飛び込み、写真を貼った申請書にさらに収入印紙を1650円分貼り付け、免許返送用封筒を同封して総通局に即日発送しました。連休後の10日に総通局無線通信部航空海上課(こんな部署が従免発行しているんですね)より5月9日付けの1アマ免許証が届きましたが、申請が早かったからか年度1番の番号を頂いてしまって、数ある無線免許証の中でも従免番号1番は唯一これ一枚だけです。たぶんオタク系あんちゃんは成績もトップで合格しただろうけど、従免番号1番だけは取れなくて、ここで少し溜飲が下がったかな(^_^;)
 そして1アマ試験に合格して半年で3アマ2アマ1アマを制覇したことになり、4アマ取得からでも1年半でアマチュア無線免許取得を完結させたことになります。これで心おきなく運用を出来る立場になったはずなんですが、また欲が出て6月には1陸特、8月には4海通試験を受けることになっており本格的な運用は未だに自粛状態だったんですが、5月の連休にログブックの先頭を飾るJL8DJSとしての初交信を体験しました。バンドは何と14メガで上級バンドです。密かに14メガで初交信を狙っていたわけではないんですが、お相手は8J6DONの博多どんたく記念局でした。4月頭にはJARLにも入会し、2アマで初回登録になりましたが、コールブック出版前に1アマに訂正を出したので、コールブック上ではすでにH表記になっていると思うのですがいかかでしょう?なにせ貧乏無銭局なんで当電波研究所にはコールブックなるシロモノは未だにございませんので(^_^;)

 1アマ資格取得費用
 受験料     8,580円(当時)
 1アマ問題集  2,400円
 1アマ解説本  2,700円
 ガルスカ本   2,000円
 モールスCD  1,500円
 免許申請料   1,650円
 郵送料・その他  570円
 合   計   19,400円

 平成17年10月1日予定で無線従事者規則が改定され、1アマ2アマの通信術試験は従来3アマ同様に25文字/分の速度の50文字受信の内容に改められる模様です。また、従来の3アマおとび旧電信級免許所持者は1アマ2アマ試験の通信術も免除となる模様です。これで「学科は合格点に達したけど通信術で緊張して失敗し、3文字通知を食らう」っていう悲劇は大幅になくなりそうですが、なんかなぁ…。

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July 18, 2004

危険物取扱資格を取ろう!

 無線の話と関係ないんですが、だんだん無線の国家試験の回数を重ねると、それも合格率20パーセント前後の試験にも合格してくると、だんだん試験勉強の要領がわかったような気がして、ほかの資格の国家試験も受けてみたいような衝動に駆られます(というのはσ(^^;)だけか?)。しかしまあ、無線の電気系統の基礎知識が使える資格というのは2種電気工事士あたりを始めとして、数が本当に限られてきますので(それだけ無線の資格なんてツブシが効かない免許です)おのずから他の資格を取ろうとするのは異種格闘技に挑戦するようなもので、一から勉強を始めないといけません。
 ということで、試験回数も多く(北海道で年4回)地元の町で受験できる手軽さもあって、危険物取扱者乙4類の試験を受験してみることとしました。受験申請書は地元の消防署の2階に平積みにしてあって、自由に持ち帰ることの出来るようになっています。受験料は3,400円で、郵便局から振り込んでその受領書を試験申請書に糊付けし、北海道の消防試験センター宛てに期日内に郵送することになります。無線の試験と違ってあらかじめ試験申請書に3×2.4センチの写真を一枚貼付するようになっていて、この写真が合格後の免許作成まで使用されることになります。危険物の乙種というのはその性質によって1種から6種までの6種類に分かれていて、それそれその取得した免状(危険物の場合は免許じゃなくてこういう)に書かれた種類の危険物の取り扱いとその監督をすることが出来るというもので、その受験者の90パーセント以上は第4類(可燃性液体:石油、アルコール、油脂類他)の受験者です。主にガソリンスタンド、油槽所、石油輸送関連の就業者必須の資格ですが、乙4類の下位資格に丙種危険物取扱者資格というものがあって、第1、第2石油類以下の可燃性液体の取り扱いは出来ても監督ができない代わりに試験内容が第4類危険物に特化して問題数も内容も幾分簡単な資格(物理化学の問題がない)であり、ガソリンスタンド一般従業員、タンクローリー運転手などの需要が多いようです。
 危険物の乙種の試験は、最初に一つの類の資格を取ると、あとの類の試験を受けるときには科目合格が使えるために非常に楽になりますが、最初の試験を受けるときには法令、物理化学、危険物の性質・消火の合わせて35問の試験を受ける必要があり、かなり勉強しなければいけない範囲が広いので要領よく勉強しないと難しいと感じるかもしれません。特に危険物に関する法令に関する問題は、指定数量や設備の基準など、数字として覚えなければいけない問題がかなり多いので、数字の暗記の苦手な人は特に苦しいかもしれません。合格率は乙種第4類試験(殆どの人は最初にこの試験を受ける)で全国平均33%だそうです。3人に1人しか受からないなんて、英語試験のある航空無線通信士より狭き門になりますけど、それだけいろいろな人が受験しにやってくるということでしょうか。
 わたくしは行きませんでしたが、危険物取扱者試験の直前に「乙種危険物取扱者試験講習会」というものが開催されて、これは消防署に申込書が置いてありましたが講習料が18,000とのこと(@_@;) こんなもの受講しなくとも十分合格出来ますけど、講習会を受講すると他では入手不可の過去問題集に近いものが配られて、これを繰り返しやることによって十分合格点に達するという話を聞きます。というのも、危険物取扱者試験は無線系の試験と違って試験問題が厳重に管理されており、一切外部に持ち出すことが出来ず、問題を一部受験票に書き写した高校生が不正行為で失格になったとかそういう話があるくらいで、そのために市販の教本、問題集には過去問そのものズバリが出てくることがあまりなくて、本当によい教本、問題集がないのが現状です。産業安全系の資格はどれもそうですが、どうも問題のパターンがどうしても少なくなってしまうのと、過去問題の選択肢丸暗記で資格を取られて事故を起こされてもたまらないということで、かなりの理解度を試されるようなそんな感じでした。2級ボイラー技士の試験も受けましたが、問題は全部回収して数量を確かめ、産業安全試験センター内の焼却炉で焼却処分するそうです。
 ということで、用意した教本、問題集はどこの本屋にでも置いてあるような成美堂出版の「乙種第4類危険物取扱者・科目別集中講座」と練習問題と同じく成美堂出版の「本試験型・乙種第4類危険物取扱者資格試験問題集」の2冊です。無線試験のための勉強と同じ要領で、教本の要点をポケット版の大学ノートに書き写していくことから始めてゆきます。あいかわらず大変な手間ですが、まったく予備知識のない状態から始めるとすると、この作業によってどのポイントが本当に重要になってゆくかということがおぼろげながら掴めていけるはずです。また問題集は一旦パソコンに打ち込んで、例によってA4版にまとめて解答用紙も作成し、毎日繰り返し練習できるようにしました。又、4類の各危険物の性質については、壁紙作戦で一覧表を作り融点・沸点・引火点・発火点・消火の方法などを覚えていきます。
 試験場は地元の工業高校でした。試験は午前と午後に別れており、午前中は甲類危険物受験者と乙4類以外の類の受験者と乙4類受験者の一部、午後は乙4類受験者と丙種受験者ならびに消防設備士甲乙全種の試験が一緒でした。車で30分前に出掛けると、もう高校の敷地内は受験者と車でごった返しています。受験番号からすると消防設備士と合わせて500人以上の受験者が溢れかえっている計算です。午後1時半開始の試験で会場は1時にならないと入場できないために玄関前に受験者がひしめき合っている状態でした。どうも年度末最後の試験ということもあって、いままで資格を取れなかった現役高校生の受験者が2/3を締めているような感じでした。入場時間になって受験番号ごとに玄関から入場することになります。割り当てられた教室には主に社会人の受験者ばかりでした。年齢は10代後半から60代くらいまでと幅広く、明らかにガソリンスタンドから抜け出してきたようなツナギのあんちゃんもいました。机には自分の受験番号と名前のシールが貼っており、このシールを使い終わった問題に貼って、回収するようになっています。試験開始前15分にお定まりの試験の説明が始まり、1時半から35問制限時間2時間の試験が始まりました。問題を見ると、どれも市販の問題集に載っていた問題のパターンとは違ってました。ということで問題丸暗記では答えが出せないので、一つ一つ考えながら問題を慎重に解いてゆく必要がありました。そして一通り見返してチェックを入れ、マークシートに転記をし終えると35分が経過してました。1問1分近く掛かった計算になりますか。退出可能時間は確か45分後だったと思いますが、とりあえず落ちることは絶対にない範囲(各問題間違いがあっても1問くらい)に解答できた自信があったので、退出可能のコールが掛かったらすぐに問題と解答を試験官に提出して一番で帰ってきました。一番前の席に座っていたツナギのあんちゃんが退出するわたくしを不安そうな目で追っていたのが印象的でしたが、もちろんあんまり勉強してこなくてあせっている人間にプレッシャーを与えるために一番でさっさと退出するんですから(笑)そういえば教室に入って最後のチェックのために参考書を広げる人が目に付きましたが、講習会で配られる「赤い表紙の本(非市販品)」を使っている人が多かったですね。講習会に出ても試験の一部が免除になるわけではないので、18,000はいかにも高いような気がします(^_^;)
 試験の結果通知書は20日くらいして郵送されてきた様な気がします。もちろん二文字の合格で、この通知書が免状申請書を兼ねており、直接2,800円の「北海道証紙」をはって、免状送付用の配達証明付き料金切手を貼った封筒と一緒に消防試験センターの北海道支部に送付すると2週間くらいで免状が作製されて送付されてきました。
 この免状は3ヶ月後に乙3,6種の資格が追加になったため、3ヶ月という短い間で新しい免状に書き換えられてしましました。しかし1枚の免許に項目追加なのに関わらず、しっかり1類について2,800円ずつの申請料、取るんですよね。
 それで、自分にとって危険物取扱者免状を獲得して何かメリットがあったかというと、別に何もありませんけど、大型・牽引免許持ちなのでタンクローリに乗るためのセットが出来たってことくらいかなぁ?一生乗ることはないでしょうけどね(^_^;)

 危険物乙四種取扱資格
 受験料      3,400円
 解説本      1,300円
 問題集      1,000円
 免許申請料    2,800円
 郵送料・その他  1,110円
 合  計     9,610円

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July 05, 2004

6m & Downコンテスト参戦

 我が秘密電波研究所の設備ではアンテナからしておおよそコンテスト向きではないんですが、50メガだけはアンテナの善し悪しよりも条件面に左右されることが多いので、GPアンテナ一本で10Wの出力でもそこそこコンテストで高得点を取れる可能性があると思います。従来のコンテストではコンテストサービスといってコンテストCQを出している局に積極的に応答してあげることに徹していました。7月3日から4日にかけて行われた6m & Downコンテストも最初はまったく参加する気がありませんでしたが、4日の朝にコンディションを調べるとかなり広範囲に開けているんですねぇ。そこで急遽参戦を決意して、とはいうもののすでにコンテスト周波数帯全域にわたってCQコンテストコールの嵐で、同一エリアから1キロヘルツも離れていない周波数でCQが出ていて混信の嵐です。最初から高得点を狙うつもりはないんで呼び出している局を狙ってこまめに応答し、コンテストナンバーを交換することに徹しました。途中1時間半ほど席を空けたのと午後1時過ぎからEスポの伝搬が弱くなったために実質3時間の参加で68局と25のマルチを獲得した計算になりました。当方開局から3年経っていないために1アマ局ですけどニューカマー部門のカテゴリーの参加です(笑)我が電波研究所の、おおよそ25年前の50メガモノバンド無線機も頑張ってくれましたが、コンテストともなると、悲しいかな混信除去機能の欠如と強い電波の抑圧でコールが取れないことも再三ありました。またCWフィルターが最初から取付け不可なので、電信も「出来る」という程度の状態。これから真剣に6mをやるんだったら新しい無線機が必要な感じです。でも昔みたいに6mモノバンドの無線機って作っていないんだよなぁ。6mってモノバンドの無線機で出るのが粋だと思うんだけど、どうでしょ?誰かFT-655譲ってくれませんかねぇ?
 ちなみにうちの無線機群は常に建て増しの改築家屋状態なんで、HF、6m、2m、430の無線機がすべてモノバンドで独立してます。こういう集め方したほうが安く上がったから(笑)

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July 03, 2004

国際免許の1級海上特殊無線技士

 第1級海上特殊無線技士資格は元の名称を特殊無線技士(国際無線電話)といい、昭和50年代になってから新しく加えられた資格のために特殊無線技士の旧区分である甲乙丙丁が末尾に付かない資格でした。この資格では2海特以下の操作範囲を含むと共に、主に港湾無線などで使用されるVHF帯の無線で外国の港などで国際通信を行うことができる資格で、現在では外航船舶その他では甲板員以上の職務担当者は全員取得するように定められております。さらに航海士は3級以上の海上通信士免許を取るように定められており。最近ではモールス通信が特殊なケース以外では使われなくなり、衛星通信、GMDSSが稼働した現在では、航海士が通信士を兼業してしまって専門職の通信士が船に乗らないのが一般的になり、たとえ第一級総合無線通信士の免許を持っていても仕事がないという状況になっています。というわけで第一級海上特殊無線技士は最低限の船舶国際通信のための資格ですので、工学、法規の試験のほかに英語の試験とさらに、無線電話の送受話試験の通信術試験を科せられます。
 用意した教材は養成課程教科書の無線工学、法規、英語の3冊と、特殊無線技士共通問題集。さらに英語練習用テープと無線電話受話練習用テープです。これは最初に2陸特のものと一緒に7月頭に揃えたものでしたが、この1海特の部分だけで1万円に近い価格となりました。1海特の養成課程講習などでは英語の占める分量が非常に多いんですが、試験の内容を調べると、テープから流れてくる5題の英語を聴いて、1分以内にその答えの正しい選択肢をマークシートに印を付けるというものでした。無線工学と法規は過去問題が繰り返し出題される方式らしく、2アマを取得した後にはレーダーや衛星通信等のアマチュアには出てこない分野さえ押さえればあとはよく考えればわかると思ってさほど身を入れてやりませんでした。法規はアマの部分と共通な部分以外にかなりの部分を遭難通信の取り扱いが占めているので、必要な部分はまた紙に書き出して要点整理を行いました。国際通信条約の問題はさらっと流した程度です。英語の教科書並びに英語のテープは実践的な通信に関するものが重点におかれており、試験を受ける練習にはなりませんでした。ただしヒアリングでは海事英語が結構出てきてその意味がわからないと正しい答えの選択肢が導き出せないので、わからない専門用語はノートに書き出して調べることは怠りませんでした。通信術試験でフォネティックコードを聴いて受信用紙に書く練習はテープを使ってやりましたが、すぐに慣れて2分の時間中に誤字脱字を出すことはありませんでした。送話は逆にアルファベットを見てフォネティックコードに直して口で言うんですけど、アマチュア的なインチキなフォネティックコードに汚染されているわけではないので(JA#OSZをジャパン・アメリカ・#・オンターリオ・サンチャゴ・ザンジバルなんて言いませんって)すんなり口から出てくるようになりましたが、実際に声を立てて言う練習をしないと本番でなめらかに声になって出ない可能性があります。またBとV、LとRは間違えやすいのでそれは何回も声を出して練習することですね。
 2月の特殊無線技士試験は平日の開催でした。今まで試験では土日の電車にしか乗ったことがないので、途中から都会の通勤電車並に混雑する電車がちょっと懐かしくもあり新鮮でした(笑)試験会場はおなじみの札幌卸しセンター共同会館です。今回は国内電信級特殊無線技士という本当に特殊な和文電信の受験者と一緒です。少々早く来すぎたのか試験場にはまだ誰もいません。ほどなく何人かが現れ、しばらく経ってからもう顔なじみの無線協会の試験官2人が現れました。本日の1海特受験者は12名中欠席1名、国内電信級特殊無線技士の受験者が8名もいたのには驚きました、そのなかに若いおねーちゃんが2人も混じっていたのにも更に驚かされ、和文好きとは物好きなYL(女性ハム)もいるもんだと思ったら、それは大きな勘違いでした。1海特受験者はやはり履歴書の資格欄を少しでも埋めたいと思う高校生が殆どでした。
 お定まりの試験の注意事項説明があったのち、問題用紙解答用紙が配られて試験開始なります。一つ前の席の同年輩の人が無線工学免除で法規と英語、通信術のみの受験で制限時間30分ということを告げられていました。そして程なく試験開始。4アマ同様工学12問、法規12問の試験なので、一カ所法規でうろ覚えの箇所がありましたが3分で答案を書き上げ、一通りチェックして5分ほどで終了。そのとき1人の遅刻者が飛び込んできました。そして受験票を出して問題用紙を貰って書き始めたころに試験官が一言「キミ、キミの試験は一陸特試験で明日だし、会場もここじゃないぞ」っと。そのときの遅刻者の表情はばつが悪そうで正に「穴があったら入りたい」という感じでした。そして試験官に「丁度欠席者が1人居たからこっちもおかしいと思わなかったよ。あんまり試験内容が簡単だったから驚いたろう」と言われて退出しました。受験票を忘れて慌てる受験者には2陸特試験の時に1人いましたけど、試験日を間違えて別な試験に飛び込んでくる、しかも遅刻者に遭遇したのは後にも先にもこれ1回限りです(笑)そし30分過ぎたところでまだ問題と格闘している受験者も皆無となったため、試験時間を繰り上げて終了となりました。ここで国内電信級の受験者と別れて英語の試験に入ります。英語試験の説明が始まり、解答の選択肢と解答のマークシートが配られます。解答の選択肢をそれぞれ読んで行くと、明らかに他の選択肢と異なっておかしな文章がありますからそいつを目でチェックしてゆきます。そして解答の選択肢からどんな問題が読み上げられるか予想を付けてテープが流れるのを待ちます。問題は3回読み上げられ、1回目は遅く、2回目は普通に、3回目は早く読み上げられます。1回目にゆっくり読み上げられるときに書き取る余裕があるくらいで、2回目でそれを確かめるというような感じでしょうか。3回目に素早く読み上げられるときには人にもよるでしょうが、何と言っているかわからないくらい早いと感じる人もいるでしょうから、2回目を読み上げられたときには何を尋ねられているかを把握している必要があります。3回目が読み上げられてから1分間のインターバルがあり、この間に正解の選択肢を選んでマークシートに記入します。1分が経過すると有無を言わさず次の問題が読み上げられます。問題は5問で3問以上正解をしないと不合格です。いくら学科と通信術の成績が良くとも英語を落とすと不合格です。科目合格はありません。このとき、5問目の質問が水先案内人をどこで乗せるのか、どこで降ろすのかが判然としなくなり、降ろす方の選択肢の解答を選んだら逆でした。これで英語を1問落としてしまいましたが、後ろから回収されたマークシートが目に入りましたが、マークの位置が後ろの人間とぜんぜん違ってました。急に不安になりましたけど、5問目以外は文書も正確に書き取るくらいの余裕があったし、間違えるわけはないだろうと思いましたが、無線協会のホームページから正式な回答が出てくるまで安心できませんでした。次は通信術試験で、モールス試験でおなじみの赤い罫線の恐怖の受信用紙が配られますが、今度は英語電話受話なんで余裕です。テープが回り始めてAからZまで一通り送話されてから「始めます、本文」に続いて5文字単位ひとかたまりのアルファベットの暗文が読み上げられます。英語試験はネイティブな人の読み上げでしたが、電話受話の試験は日本人の読み上げだったので、いまいち聞き取りにくい感じでしたが、2分間の送話がおわり「終わり」のコールで送話終了となり。すぐさま受信用紙の回収となります。このあとは一旦廊下に全員退出して受験番号順に順番に呼ばれて、試験官に渡されたアルファベットの文章を2分間で読み上げる送話試験にうつります。このとき、受験番号が2桁だったので、1人5分くらいとして1時間は掛かると思ってその待ち時間がつらくて、後日航空無線通信士を受ける前に、通信術の免除を受ける目的だけのために航空特殊無線技士試験を受験するきっかけになるのですが。
 廊下での待ち時間の間、隣の部屋で電信の送信試験を受けるのを待っているくだんのYLさんを観察したら、エレキーじゃなくて縦振れのHK-808なんかを持っていていて、さらにノブの前端に紙テープなどで滑り止めを付けている。これはただ者ではないなぁと電鍵をさらに観察したら「○○士長」とネームが貼ってありました。自衛隊員だったのね(笑)ほかすべての受験者が自衛隊員のようでした。しかも千歳からも旭川からも…。やっと通信術の順番が回り、試験官の前の椅子に座らされて文章を渡され「いつでも自分のタイミングで始めてください」と言われて「始めます、本文」に続いてフォネティックコードでアルファベットを読み上げると同時に試験官がストップウオッチを押します。最後の方で読み上げのリズムがちょっと乱れて採点表にチェックが入ったので、一点減点されたようですけど無事に2分以内に送話が終わり「終わり」のコールでストップウオッチが止まりました。この時点で試験はすべて終了なので荷物をすべて持って退出し、試験場を後にしました。本屋で一陸特の東京電機大出版「1陸特集中ゼミ」を購入して帰りました。結果通知書が届いたのは月末になりました。事前に説明を受けていましたが、2,3陸特とアマ以外に必要だった診断書が不要になる総務省令の改正が3月中に行なわれる予定で、それを待ってから免許申請したほうがムダがないと言われて、保留にしておきましたが、ネットで官報の目次を見ても一向に省令の発行が行われる気配がありません。4月の1アマ試験の時に試験官にエレベータの中で聞いたら3月12日に省令が発行したとのことで、翌日免許申請したら新年度の番号になって番号も7番という受験人数と合格率から考えたら殆どラストの番号を貰ってしましました。この1海特の免許状は唯一黄色の台紙になっており、国際免許ということで裏は英語表記です。更に一般の従免裏のただし書きが黄色の別な紙になって添付されており、このただし書きを含めて免許一式なのか、ただし書きは捨ててもいいのか判然としません(笑)でも従事者免許の束のなかで上級アマ同様色違いで異彩を放ってます。写真が転写になった現在も黄色の台紙かどうかはわかりませんので最近取得された方は誰か教えて下さい。

 1海特資格取得費用
 受験料     4,930円(当時)
 工学教科書   1,300円
 法規教科書   1,460円
 英語教科書   1,260円
 英会話テープ  2,625円
 電報受話テープ 1,680円
 免許申請料   1,650円
 郵送料・その他  570円
 合   計   15,475円

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初めての上級資格2アマ取得記

 アマチュア無線の世界が100人の村だとすると、95人が4アマです。残りの5人が3アマ所持者でその中の2.5人は2アマ所持者です。1アマの所持者は100人中1人いるかいないかの計算(構成比0.7%)となります。2アマ以上の試験はレベル的にも3,4アマの遙かに上になり、試験も繰り返し過去の問題が出題されるのではなく、常に新しい問題を含めた新たな問題が起こされるために、過去問選択肢丸暗記の勉強法では通用しなくなります。試験も無線工学25問、法規25問で、午前と午後に渡って行われます。通信術は45字/分の速度で2分間の受信を行う実践的なものになります。上級資格のために、3,4アマの免許が地方総合通信局長名で発行されるのに対して1,2アマ免許は総務大臣名で発行され、台紙の色も薄い緑色の台紙になります(但し平成16年度発行の1,2アマ免許から写真の転写システムが採用されたために台紙の区別が無くなり1,2アマも白い台紙に変わってしまいましたが)。さて、その3,4アマの試験と一線を隔する上級試験の2アマ資格は、3級までに科されてきた周波数の制限がなくなり、送信出力の制限も最大200ワットとなります。すなわち2アマの資格を取って初めて市販の無線機で「使える無線機と使えない無線機」がなくなり、リニアアンプを許可を受けて使うのでない限りはどんな無線機でも使うことができるということです。周波数の制限がなくなり、昼間も安定して運用できる14メガと主に電信の専用帯である10メガが新たに使えるメリットも大きいです。そのためだけに2アマの資格を取るという理由は十分あるのですが、その試験の難易度は合格率4アマ65%(講習はほぼ100%)、3アマ48%に対して2アマは25-30%という合格率で推移しています。受験者の4人に1人か3人に1人しか合格しない計算になるんですね。そのために苦労して2アマを取らずに4アマのまま、認められていない出力の無線機を無許可で使用したり、出ることの出来ない周波数に出没する例は珍しくありません。人が見ていなければ盗みでもなんでもする、別に人に迷惑を掛けている訳じゃないから何をやっても自分の勝手、ただし仲間の利益と秘密は徹底的に守ることを掟とし、裏切り者は村八分という極めて江戸時代の日本農民的論理が横行し、アマチュア無線の世界でも好き勝手なことを行う人間が多いです。(一度移動局のQSLカードで、「当グループ員○○は身の程をわきまえず○○○に手を出しましたので破門いたしました」という破門状兼のものが届いて驚きました。まるで893屋さんです)
 また余談になりました。4月まで5ヶ月掛けてじっくり勉強しようと思った2アマ試験ですが2ヶ月でとりあえず合格水準くらいまでは持って行かなくてはなりません。2ヶ月前に間違えて送られてきた2アマ国試問題集は返送しましたが、交流回路の問題からしてさっぱり意味がわかりませんでした。そのようなレベルでしたが、受験準備として返送したものと同じ「第2級ハム国家試験問題集」と用意、これだけでは問題の解説部部分が足りなくて「解説・無線工学」を入手。さらに少々古くなったとはいえ、まだまだ基本的な部分の説明が平易な通称カエル本「第2級ハム解説付き問題集」を入手。この3冊で2アマ試験の攻略開始です。上級ハム試験の攻略には往年の「上級ハムになる本」がよく勧められてきましたが、その時すでに絶版で入手できませんでした。
 まず、どう手を付けて良いかわからず、とりあえず第2級ハム国家試験問題集をポケット版の大学ノートに書き写し、解説がない問題については解説・無線工学から調べて自分なりに解法を付けるという地道で根気のある作業を毎夜ごとに行いました。この作業に約3週間掛かりました。3日でボールペンのインクが空になるくらい書きまくりました。その作業の結果、何回も繰り返し出題されている問題の出題プライオリティーがだいたい掴め、さらにノートに書き込んだ作業により計算法以外の原理原則に関する部分の全容がおぼろげながら掴めてきました。そして重要暗記事項、公式などをA4の用紙10枚に渡って書き込み、壁に貼ることによっていつでも目に入るようにしました。その後この壁の張り紙が試験前の恒例行事になってしまいましたが。続いて更にこの第2級ハム国家試験問題集の問題部分だけを抜き出してパソコンに打ち込み、A4で約90枚にまとめて、反復して練習できる用意をしました。
 次に通信術の練習ですが、3アマ受験時点で35文字を取るレベルには達していましたが、2アマの45字2分のモールスはさすがに早くて長いので、早速モールス練習ソフトの文章を平文90字に入れ換えて毎日20分くらいずつの練習を繰り返しました。そしてパソコンの発信音と実際の試験音との音調の違いに驚いて、ネットで情報を調べると電気通信振興会の2級モールス練習テープがCQ出版のものより音調が近いということで、さっそく北海道支部から入手。たしかに音調はこちらのほうが近いようでした。
 地道な作業を繰り返して行くうちに、最初は2アマのレベルの計算は複雑で難しいし、とてもやりきれないと思っていたものが、どうもルートがからむRLC回路のインピーダンスを始めとして、ほぼ整数で割り切れることに気が付きました。公式や解法さえわかっていれば計算自体はさほど難しくないんです。さらに実際の数値の計算問題をすべて落としたとしても、原理原則に従って正しい選択肢さえ選べば合格点に達することがわかりました。2アマ試験恐れずに足りずです。
 法規の問題はすべて条文暗記、虫食い問題の選択肢にいかにも出てきそうな部分を集中的に覚えました。さらにスプリアスの許容値、周波数の偏差の幅などの数値は壁紙作戦で暗記です。この暗記作戦は後の通信士試験などの法規の勉強につながり、ずいぶんと楽することが出来ました。
 2ヶ月間の集中した勉強で試験直前には確かな手応えがありました。試験前に受かるかどうかわからない、受かったら儲けものというバクチのような状態では絶対に合格しません。特に4人に1人しか合格しない様な試験の場合では尚更です。確かな手応えを得るためには人がやっている2倍、3倍の時間を掛けて勉強しなければなりません。夜の町に出掛けて酒飲んでいる暇などありませんよ。
 試験日は12月8日の真珠湾奇襲の日でした。奇しくも電気通信振興会のモールステープの内容が真珠湾奇襲から始まる太平洋海戦史だったというのも偶然ではない感じ。10月の試験を受けるときに乗った朝2番の札幌行き電車の発車は明るかったのに今回はまだ日の出前の発車です。試験会場は道警ビル裏の道民活動センターかでる2.7の研修室ということで、札幌駅から歩いて10数分のところです。8時半には試験場に着いてしまいましたが、試験官一行もまだ到着していないようなので、ロビーで待っていると先客の60過ぎのおじさんが問題集を片手に必死に暗記している最中でした。このおじさん、オシロによる測定の基本もわかっていなかったので、質問を受けて説明してやりましたが、オシロの測定問題がさっそく本番で1問出てきて、出来たかどうかわからんけど儲かったね。試験官が現れたので一緒に5階に上り、試験会場に入りました。真ん中の列の一番前を確保。この一番前というのは後の1アマの通信術試験のときに重要な意義を持ちました。帯広からやってきた男、この人10年無線を止めていて再開するにあたって2アマを取りに来たという話だったんだけど、問題集を付箋紙だらけにして答えの選択肢の暗記に徹したということ。この男、論理回路の基本すらまったく理解していなかったから「しばらく出てないから今回あたりヤバいぞぉ」って脅かしたんだけど、結局その時は論理回路は出なかったね(笑)
 受験人数は20人で欠席者2名でした。お定まりの試験の説明があったあと、問題用紙と解答用紙が配られました。いままでの試験と違って午前は無線工学、午後は通信術と法規に別れており、問題も5枚綴りのものをどさっと渡されるので初めてだと面食らいますね。試験時間は2時間で1時間経過した時点で既に書き終わった人間は退出できます。試験開始となり、さっそくすべての問題に目を通します。そして計算問題以外から手を付けて問題用紙の選択肢に印を付けて行きます。解答は上級試験らしく初級ハムが4択に対して5択になり難しくなります。試験開始後10分経って遅刻者が1名飛び込んできました。計算問題以外をかたづけて、今度は計算問題に取りかかりますが、さほど複雑な数値の計算はありませんでした。公式とルートの計算さえしっかり出来れば解ける問題ばかりです。この試験で3つの新問題が出てきました。この問題に引っかかっていろいろ計算したのにもかかわらず、近い値の数値と思われるものしか出せずに、選択肢を選んでマークシートに転記。約50分で終了しましたが、合格点に達する確かな手応えはありました。退出可能時間になって1番に解答を提出して退出。時間は10時半でしたが次の通信術試験開始の1時までは2時間半もあります。それでその時間を利用して大通り方面に早めの昼食と買い物に出掛けてしまいました。
 12時半に試験場に戻りました。パンと牛乳を摂りながら必死にモールスの書取り練習をしている受験者がいます。こちらは、やることはやり尽くしたので、参考書を開くでもなく、一番後ろの席でまったりです。やがて午後の試験開始時刻となり通信術試験の説明が始まりました。過去の試験で通信術の科目合格を摂っている受験者は廊下で待機です。12名くらいが通信術試験対象者でした。そして恐怖の赤い受信用紙が配られます。90文字の平文で練習してきて、更に電気通信振興会テープも聴いたので、あの音調に驚くこともないと思います。始めにA〜Zまでのテストパターンが流れてHR HR B~Tに続いて本文開始です。人数が少ないので鉛筆を走らせる音も気になりません。短点連続の単語が流れた直後に「ふぅ〜」というため息が思わず漏れるのが聞こえます。そして長かったのか短かったのかよくわからない2分間の通信術試験が終わりました。誤字、脱字なくほぼ完璧に取れた感じです。受信用紙は後ろの席から順に前の席に向かって回収されます。後ろの席よりも前の席に座る方が書いた符号をチェックする余裕が少しあります。
 廊下で待機していた通信術科目合格者を試験場に入れて法規の試験が始まりました。法規の試験も25問2時間の試験時間です。法規のほうは工学に比べて殆ど時間は掛けませんでしたので、細かいところでけっこう引っかかってしまったような感じでしたが、落ちることはない確信を得て15分で解答を書き上げ、見直しした後に退出時間がきたら早速提出して2アマの免許申請書を購入し退出しました。法規は1時間で退出する人間が多かったんですが、わざわざ免許申請書を買う人間は多くはありませんでしたね。朝のオシロのわからないおじさんも「やっぱりけっこう難しかったよ」と言って肩をつぼめて家路につき(でも家じゃ3アマ100w運用してるんでしょ?)、申請書を買ったことを目敏く見つけられた男からは「どこかで一緒に答え合わせしませんか?」などと誘われましたけど、解答速報サイトの事を教えて、さっさと帰ってきました。帯広のあんちゃんは法規はなんとかなったけど無線工学は丸暗記じゃ手も足も出なかったと言って帯広に帰って行きました。
 家に帰ると某上級試験解答速報サイトがすでに無線工学と法規の解答を発表してました。さっそく答え合わせをすると工学が125点中110点(5点問題3問不正解)、法規が125点中103点で、双方とも88点が合格最低点なのでけっこうな高得点です。通信術試験だけは結果を見るまではわかりませんが、たとえ無線工学と法規に合格していても通信術試験を落とした場合には学科の科目合格はありません。まあ、落とした気はしないので、その日以降は2月に受験予定の第一級海上特殊無線技士試験の準備を行うことにしました。
 試験結果通知書は12月24日のクリスマスイブに到着。年末進行なので、いつもより早いみたいです。シールをめくると2文字で合格。即刻申請書を送り明けて新年の18日に総務大臣名の青色2アマ免許を取得しました。3アマ免許取得から3ヶ月も経たないうちに2アマ取得で、周波数の制限もなくなり、中古で揃えた2m,430の無線機ともども保証認定をうけて1.9から430までの(この時点で6m抜き)周波数の許可を得ることができました。しかし、2アマを取った後も電波は出さず、実際に交信したのはさらに4ヶ月も後のことになります。

 2アマ資格取得費用
 受験料     7,080円(当時)
 2アマ問題集  2,400円
 2アマ解説本  2,500円
 解説・無線工学 2,800円
 振興会テープ  1,500円
 免許申請料   1,650円
 郵送料・その他  570円
 合  計    18,500円


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July 02, 2004

プロ入門資格の2陸特

 2級陸上特殊無線技士とは、主に陸上の警察、消防、バス、タクシー、鉄道、防災その他業務無線と速度測定用レーダー及びVSATと呼ばれる衛星を使った通信システムの主に通信するための技術的操作(電源スイッチを入れる、周波数を合わせる、送信ボタンを押す等)を行うために必要な免許です。しかし、最近増えてきたMCAシステムの操作に関してはさほど高度な技術的知識を要求されないために3級陸上特殊無線技士という別な資格がありますが、2級陸上特殊無線技士(以下2陸特と省略)の操作範囲に含まれ、さらに試験の内容はさほど変わらないために、まずプロの無線資格の入門用としては2陸特が適当と判断して2陸特試験の受験を申請しました。
 もっとも特殊無線技士試験は1陸特を除いて資格を必要とする人のためになるべく簡単に資格を取って貰うという主旨の資格であるために、4級アマチュア無線(実は3アマにも養成講座がありますが)同様に殆どの人は養成講座を受講して取得してしまう資格です。自衛隊、警察学校などの職場単位で養成講座が組まれる場合も多く、百人単位で2陸特合格者が養成されることも珍しくありません。そのために免許の年間発給枚数に比べると意外と国家試験受験者の数は少ないのです。もっとも最近の電波法、無線従事者規則の下では主任無線従事者という有資格者の管理の下で無資格者が無線操作を行うことが認められており、タクシー会社でも主任無線従事者以外はオペレーターもドライバーも有資格者ゼロという場合も珍しくないので、現在は2陸特所持ということでは就職にはまったく繋がらない資格ですが。
 用意した教材は工学、法規の養成課程用教科書と特殊無線技士用共通問題集でした。この特殊無線技師用問題集から共通分野、2陸特専用分野だけを抜き出してパソコンに打ち込み、2陸特問題集としてまとめてプリントアウトし、それを繰り返しやることに専念しました。ネットで集めた情報によると、ほぼ過去問題が組合せを替えられてそのまま出題されるため、過去問題だけやっておけばよいということなので、3アマ試験同様過去問反復に専念しました。但しレーダーの原理原則、VSATに関することは新たな分野なので、理論から覚えてましたが。2陸特試験は通信術がないのでその点は気が楽でした。
 10月の特殊無線技士試験は土、日の開催でした。試験会場は3アマの時と同じ札幌総合卸しセンター共同会館です。試験は9時15分まで入室、9時30分開始ですが、8時30分には試験場入りしました。スーツを着たサラリーマン風の男が特殊無線技士試験の受験票の封筒を5枚も見せびらかしてました。こんなものは上位免許を1枚ずつ持っていればいいのに、免許マニアか酔狂なやつもいるもんだと思って見ておりましたが。会場は3アマのときの30人収容くらいの小さな部屋と違って70人ぐらい収容できる大部屋での開催でした。その時の試験は3級海上特殊無線技士受験者と一緒。2陸特受験者63人に対して3海特受験者は3名でした。受験者はこの時節を反映して少しでも履歴書の資格所持欄を埋めたい工業高校系の学生が多いんですが、商店主のようなおじさんや、ブラックスーツを着た職業不詳のコンビもおりました。お定まりの試験の説明があったあとに問題用紙と解答用紙が配られ、試験開始となります。特殊無線技士試験は1陸特と3海特、国内電信特を除いて法規12問、工学12問の合計24問なので問題数は4アマと同じです。そのためか解答のマークシートも「4アマ・特殊無線技師用」となってます。試験が始まり、3分完結ペースで問題を解いていきましたが、法規の問題で一カ所悩んでしましました。これは確か許容周波数偏差の法律条文の虫食い箇所に入る語句を答える問題で、これは後にアマの上級試験と海通試験に同じ問題がでてきましたが、このときはうろ覚えだったので、結局アウト。退出可能時間になってすぐに解答用紙を提出して退出しましたが、この一問が引っかかって何かすっきりしませんでしたね。家に帰って答え合わせすると、結局この1問以外は正解で24問中23問の正解でした。試験の合格通知は20日ほど掛かって届きました。従免申請書は必要分をすでに入手してあったので即日申請書を出し、それから20日ほどで従事者免許が届きました。
 試験も2回目で、試験の雰囲気にも慣れたところで、重大な計画変更をする決意をしました。4月までじっくり勉強すればいいと思っていた2アマの試験を12月に前倒しして受けることにしたのです。12月にたとえ落ちたとしても、通信術試験だけ科目合格をとれば4月試験が楽になる。12月試験で2アマが受かれば4月に1アマ試験を受けることも可能だという判断で、4月までだらだら勉強しても身にはいらなくて短期集中決戦で自分にプレッシャーを掛けた方がいい方向に向かうだろうと思い、2陸特試験が終わった翌々日に12月期の2アマ試験の申請をしたのでした。
 2陸特取得に掛かった費用
  受験料     4,930円(当時)
  工学教科書   1,200円
  法規教科書   1,200円
  問題集     2,200円
  免許申請料   1,650円
  郵送料その他   570円
  合  計    11,750円

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我が3アマ取得記

 4アマの講習を受けて4アマの免許を取得し、3アマの国家試験を実際に受けたのは更に一年後でした。3アマは4アマと違いモールスによる交信が認められる他、無線機の出力も移動できる無線局の上限である50ワットまで許可されますし、新たに18メガという周波数帯が許可されます。モールスさえクリアできれば学科試験は4アマとさほど変わらず、国際条約に関する分野が追加されるくらいのお得な試験です。3アマの試験は昔には電信級アマチュア無線技士試験と呼ばれただけに、未だに電気通信術としてモールス電信の試験があります。ただし昔は受信試験と送信試験の両方がありましたが、現在では3級を含めてすべての通信術試験は受信のみです。そのモールス受信の試験はまずモールス符号を覚えないと話になりません。それも紙に記号を書いた単語帳みたいなカードで符号を覚えるのではなくて音で覚えなくてはならず、一夜漬けはおろか一週間ほどの促成ではどうにもならないことです。一般にはピコモールスというモールス暗文発信器を使って、5文字ずつの符号の固まりを紙に書き取ってゆくというような練習法をおこなう受験者が多いようですが、ピコモールスの価格が1万円もするために、3級取得だけのためには過分な投資(ミズホの高田OM、すいま
せん)だと思って躊躇しているうちに時間ばかりずるずると過ぎてしまいました。そのうち無線資格取得の専門サイトを見つけて3級試験の取得記などを読むと、我がMacでも使えるモールス練習ソフトがあるのが分かり、それを使うことによってモールス受信の練習が手軽に出来ることがわかって、さっそくそれを導入。そして他のサイトも検索するにつけ、どうも3級程度の知識で取得できるプロの無線資格もいろいろあることがわかって、どうせならアマ資格だけではなくプロの資格も取ってしまおうと6月の末になってから年次計画を立てました。その計画とは、まず9月に3アマ、10月に2級陸上特殊無線技士、翌年2月に1級海上特殊無線技士の試験を受ける事というものです。そして自分を追い込み、後戻りできないように、CQ出版に3アマ国家試験問題集を、振興会に2陸特、1海特の養成教科書と試験問題集。英会話と通信術練習テープならびに試験申請書から免許申請書までまとめて発注しました。おおよそ1万8千円の投資で、これで元を取るために後には引けなくなりました。そのときの計画によると翌年4月期に2アマ、8月期に1アマ、9月期に1陸特を受けることまで決めてありましたが、さすがにそれらの教材の手配は下位の資格を取ってからということで、入手はしませんでしたが(笑)
 まあ余談となりましたが、3アマ国家試験問題集が届くまでとりあえずモールス練習ソフトを使ってモールスの受信練習を始めましたが、最初は迷わず「語調方」を使いました。語調法はだんだん速度が速くなってゆくと取りきれなくなるから止めた方がいいという人もいますが、2アマまでの速度だったら語調法でもまったく問題はありません。最初は語調法でモールスを取っていっても速度がだんだん速くなってくると自然に音調で符号をとらえてゆくものです。語調法というのはモールス符号のAである「・−」をあれー(亜鈴)、Bである「−・・・」をぼーたおし(棒倒し)などと覚えてゆくんですが、人の作った語調よりも自分で語調を作ったほうが覚えやすかろうということで、Aをアホー、Bをビートルズ、Cをシーマ納車、Dをデーモンなどというように勝手に割り振って覚えて、これが意外に短期でモールスの符号を覚えて書き取ることに慣れるのに役立ちました。3アマ試験のモールス受信は、1分間25文字の速度で2分間50文字の受信です。1日朝晩20分程度の練習で1ヶ月かからないうちに25文字などほぼ完璧に取れるようになりました。そこで25文字が完璧でも少し速度的に心配なので、35文字/分程度の速度まで上げて練習を行いましたが、試験1週間前に聞き取り速度を25字/分に戻したときに符号が遅すぎて一つの記号が二つに聞こえてちょっと焦りましたが。モールス受信の練習は毎日繰り返さないと身に付きません。前に日に2時間やったからといって翌日に休んでしまうとダメになってしまいます。3分でも10分でも毎日繰り返すのがコツです。そして5文字ランダム暗文受信ではなく、50文字平文で練習しなければいけません。ランダム暗文ばかりで練習すると3級モールス試験で得意なトラップ「ENGLISH」の短点連続に引っかかりますからね。そして平文も文章を暗記してしまえば練習にならないんで、自分は時事英語の参考書から取り出した50文字程度の文章をモールス受信ソフトのデフォルトな文章と入れ換えて常に新鮮なものを使用してました。
 無線工学と法規の勉強に使用したのはCQ出版社の3級ハム解説付き問題集1冊だけです。当初、CQ出版社から送られてきた問題集は分厚くてRLC回路のインピーダンスとかもう訳のわからない公式だらけで、4アマとこんなにレベルの差があるのかと思って愕然としたら、間違って2アマ用の問題集が送られてきたのでした。再度送られてきた3アマの問題集は4アマのものより薄い感じで拍子抜けでしたが(笑)ネットで情報を集めると、どうも巻末の模擬国試問題10題がそれぞれ組合せを替えられて繰り返し出題されるということがわかり、それなら理論的なことも理解しながら問題と正しい選択肢を暗記してしまう作戦に出ました。具体的には模擬試験問題をスキャナーで取り込んでA4サイズに拡大印刷し、解答用紙も作ってその10題を1日最低2回は繰り返すということを試験前まで繰り返しました。ざっとやって、いままでの4アマの知識でも理解出来て正解の問題は理論は省略。毎回ごと引っかかり、いままでの知識で理解できない問題は、徹底的に「なぜそうなるのか」を勉強してゆきました。2週間も繰り返せば10題中10題ともに100点を取ることが出来ようになりました。それ以上やってもしょうがないので、10月受験の2陸特試験のほうのレーダーとか衛星通信などの分野の勉強に時間を振り分けてしまいました。
 7月に無線協会北海道支部に提出した受験申請書が8月の20日ころに受験票になって返ってきました。それによると試験会場は札幌駅から東に10分くらい歩いたところにある札幌総合卸センター共同会館とかいうところらしいです。試験は午後13時からでした。午前中は4アマの試験が行われるようです。試験当日電車で札幌に移動、線路に沿って東に歩き、突き当たりを右に曲がると試験場の総合卸センター共同会館があります。2階へあがると既に無線協会の試験官が2名おり、他の受験者はまだ現れていないようでした。モールスはどこが聞き取りやすいかなどと図々しくもお伺いを立てたら「どこでも似たようなもんだけど、今日は4人だけだから一番前か二番目に座ってください」と言われ、前から二番目に着席。ネットで情報収集して置いたとおり最初にモールス受信の通信術から始められるので、2Bの先を丸めたモールス受信用鉛筆をさっそく用意。あとはもう準備することはし尽くした感があるので、参考書を開くわけではなく、ひたすら落ち着くことに専念しました。そのうち他の3人の受験者も現れてやがて時間となり。お定まりの試験の説明などが行われ、そして赤い罫線の恐怖の受信用紙が配られ、モールス試験が始まりました。MDの中の試験文章のなかから試験指示書に従って1つの番号が選ばれて音が流れ始めます。最初はA〜Zまでのアルファベットがモールス符号で流れて、これはテストパターンですから書き取りません。Aから順にアルファベットが流れていくうちにだんだん焦ってきました。まったく音調が家でパソコンソフトで流していたものと異なって取りにくいんです。音がビョビョビョっていう感じに聞こえてちょっと濁音混じりの感じさえしました。そのうちHR HR B~Tが流れて本文書取開始。とりあえず35文字くらいまでは完璧に取れると思っていたのに音調が違うだけであんなに焦るとは思いませんでした。けっこうな誤算でしたが一文字も落とさずに50文字を書き上げ、ARが流れてモールス試験が終わりました。受験者が4人しかいなかったので、よく耳にする「受験者が一斉に鉛筆を走らすザザザという音でモールスが聞こえなくて焦った」ということはありませんでした。そしてすぐさま無線工学と法規の試験が始まり、問題集巻末模擬試験のあるパターンがそのまま出題されたために、3分で書き上げ見直し含めて5分で終了しました。30分しないと退出できないのでそれまでまったりのんびりし、退出可能時間になってさっさと退出してきましたが、残る3人はまだ問題用紙と格闘しているようでした。どうも並列共振回路のインピーダンス・電流・共振回路内の電流の値の基本的な考え方がわからなかったようでしたね。問題用紙は持ち帰れるので、家で問題集とつき合わせると問題の数値もそのままのものが出題されており答え合わせの結果取りこぼしもなく満点。あとはモールスですが、こちらはどんな文章が流れてきたかも記憶になく、落ちる気はしませんでしたが合格通知が届くまでちょっとどきどきしてました。合格通知は4日目くらいにもう届きました。そして即日で従免申請をし20日後に3アマの従事者免許をゲット。これでやっと免許も2枚になりハンディ機1台のみの状況から脱却するべく10月には中古のHF無線機(真空管式)と屋根上マルチバンドの垂直アンテナを自分で設置して、保証認定を取って免許状に1.9から28までの周波数を追加し、晴れて3アマでHF局に変更となりました。しかし、ある理由により実際に電波を出し始めるまで、さらに半年かかってます。
 3アマ資格取得費用
 受験料    4,930円(当時)
 3アマ問題集  1,500円
 免許申請料  1,650円
 郵送料・その他 570円
 合  計   8,650円

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July 01, 2004

4級アマチュア無線技士免許取得記

 我々が小学生、中学生のころには、電話級アマチュア無線技士免許といわれていた現4級アマチュア無線技士免許は、小中学生にとってはかなりレベルの高い資格でした。当時から講習を受けて修了試験に合格すると免許をもらえる講習会制度もありましたが、夏休み中に渡って夜2時間くらいの講習を1か月近くに渡って受けなくてはならなく、遊びたい盛りの年齢にとって夏休みを丸々拘束されるのもつらいものでした。同級生の何人かが直接国家試験を受けて電話級アマチュア無線免許を取得し、その国家試験の問題集を見せてもらいましたが、最初の複数の抵抗の組合せによる合成抵抗の計算からさっぱりわからなくて挫折してしまい、また国家試験は当時は平日で、試験の回数も札幌では年に3回程度のものだったと思います。さらにハムショップというものは、普通の電器店と違って銃砲店なみにその筋の人間じゃないと入れないような気がして、近寄りがたい存在でした。実は地元のハムショップの娘さんが後に高校時代のブラスバンドの同窓生になるのですが、そんな運命など知る由もなく、自分は無線の世界とは縁のないものと思い、部活とバンド活動に精を出しましたが、その友人達の家に遊びに行くとステレオのアンプよりまだメカメカしいHFの無線機が鎮座しておりました。それを見ていつかは無線の免許くらい取ってやろうと思い、時折CQ誌なども購入したこともありましたが、高校に入って挫折。友人達は中学3年で電信級免許を取るために学校でも電鍵持ち込みで送信練習なぞしておりましたが、ある日短点が連続して打てる不思議な電鍵を持ってきていじらせてもらいました。これが船舶なんかで使われていたバグキーのBK-100だったんですね。友人達は無線で電子工学に目覚めて大学は工学部系統の理系に進みましたが、自分は電気や物理の計算が苦手なばかりに理系進学を断念し、東京の大学の経済学部に進学。寮で隣の部屋にHFの無線機を持ち込んだ後輩がやってきて、そのころからまた無線の免許が取りたい熱に駆られ、受信機を買い込んで2mバンドをほとんど毎夜にわたってワッチ。講習会の予定をCQ誌で見ると、歩いても10分掛からない新宿百人町の某電子専門学校で夜に講習を開催しているのを発見しましたが、費用と夜1ヶ月拘束の時間が捻出出来なくて挫折。よくよく挫折の無線人生でしたが、結局4アマ免許を取得するのはそれから更に20年後の話だから気が長い。そもそも4アマになったきっかけは、FSAKEメンバーの中に隠れ従事者免許所持者がかなりの割合いたことで、話を聞いたら3日の講習を受けて修了試験受けだけで免許を取得したとのこと。その時はずいぶん簡単になったなぁと思っただけでしたが、仕事を辞して田舎にUターンし、幾分時間に余裕が出たときに、地元のローカル新聞に4アマ講習会の広告を発見。即座に申し込んで3日間の講習を受け、修了試験に合格して晴れて4アマ免許の取得と相成りました。同級生たちに遅れること実に30年でした。
 このときも講習会に参加する以前に4アマの丸暗記本を購入していて、答え丸暗記で直接国家試験を受けようかと思ったんですけど、複数の抵抗の合成抵抗値を解く問題でも、答えはいくつと覚えるのではなく、どういう解き方でどういう計算をするからこういう数値になるということを納得しないとどうもダメで、また挫折して、講習会参加と相成ったわけです。4アマの講習会は地元のベテランアマチュア無線家を講師に、高周波から電波伝搬、法令にいたるまで原理原則を詳しく教えてくれ、ここで無線工学の奥深さと面白みに初めて触れ、初めて苦戦工学が無線工学に変わり、さらに「私でも1アマの資格を取ったのだから、皆さんもきっと上級の資格まで取れますから、頑張って次は3アマに挑戦してください」という講師の言葉に触発されて、4アマ取ったら早いうちに3アマ取ろうと本気で考えるようになりました。余談ですが最近の4アマ講習会はトラックの運転手関係から違法CB無線を止めさせてアマチュアとして正規の免許を取らせて運用させようという意味合いが強くなっており、以前と違って講習会に参加するメンバーは7割方トラック運転手のようでした。夏休み中に開催される4アマ講習会というと、昔は小中学生が溢れていたような状況だったらしいですが、今回は学生というと小学校5年の男の子が二人だけ。それも家族がアマ免許を持っているからというのが講習参加の理由だったようです。女性は20才代の子が2人参加していて、1人は40キロほど離れた町からやって来ているようでした。講習会から1ヶ月ほどで従事者免許が到着。すぐに地元のHAMショップでハンディ機を購入し、開局申請。1か月で局免が到着し、ここにJL8DJSコールの無線局が開局しました。とはいっても3アマの免許を取得するのに更に1年。JL8DJS局が実際に電波を出し始めるのはこれから1年半もあとのことです。その時はすでに1アマの国家試験に合格していました。3アマ取得から1アマ取得の顛末は、また後日。
4アマ資格取得費用
 受験料(養成課程) 22,650円
 郵送料・その他    250円
 合  計      22,900円

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2mEスポとの遭遇

 去年の6月29日でしたかねぇ。ちょうどオールJA8コンテストの最中だったから6月の最終日曜日だったことは確かだと思いますが、ここ北海道で2m(144Mhz)が韓国とEスポで大オープンしました。
 2mというのは警察や消防の無線周波数のすぐ下に設けられているアマチュア無線用バンドで、主にローカル局の通信用に使われる周波数です。高さの高いタワーとテレビのアンテナを何本も櫛状に並べたスタックアンテナを使えば200キロ近く離れた局とも交信が可能な場合がありますが、普通の屋根に上げたような簡単なアンテナだと数十キロ先の局と話をするのが限界のような伝搬特性の電波です。従って遠くまで届いて混信を来すことにないようにアマチュア用としても業務用としても50ワットという出力を越える無線局は、月面反射通信とかそういう実験用無線局を除いて認められていません。また、6mの電波よりさらに電離層で反射されることが少なくてよっぽどの濃い電子密度のEs層に遭遇しないと反射されることはまずありません。
 ところが、隣の町の無線局とも交信に苦労するような低利得の低いアンテナと無線機の組合せでも、ある瞬間から無線機のバンド中が韓国語の洪水になりました。オープンした時間は15:10からほんの数十分の間だったと記憶していますが、まるで我が市内から電波が発せられているように強い電界強度で韓国語の交信がはっきりと入るようになったんです。
 目敏いローカル局はここぞとばかりに盛んに韓国局を呼び出して交信してました。こちらは初めての大オープンだったので、交信するよりもハンディ機のアンテナでも電波がはっきり入感するか、どれくらいバンドが混んでいるかとかそういうほうの興味が強くて交信そっちのけでバンドの観測に集中してましたけど、けっこう韓国では2mのバンドはどこも混んでいるようですねぇ。男女間のちょっと意味深な会話(だと思う)なんかが聞こえてきたりして、今の日本ではCB上がりのトラックドライバー間の会話以外のアマチュア間の交信が少なくなってしまってチャンネルがスカスカ状態の日本と比べると、まだまだ韓国の2mのチャンネルは盛況だったような感じです。
 この日以来、我が低利得で地上高の低いアンテナでも2m韓国が入感してこないかとメインチャンネル付けっぱなしなんですけど、去年みたいな大オープンには遭遇しませんねぇ。聞いた話によると6月18日に北海道で少し韓国と2mが開けて交信した局があったと言うことですけど、その日は6mにかかりっきりで、2m聞いている余裕がなかったしなぁ。

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