プロ入門資格の2陸特
2級陸上特殊無線技士とは、主に陸上の警察、消防、バス、タクシー、鉄道、防災その他業務無線と速度測定用レーダー及びVSATと呼ばれる衛星を使った通信システムの主に通信するための技術的操作(電源スイッチを入れる、周波数を合わせる、送信ボタンを押す等)を行うために必要な免許です。しかし、最近増えてきたMCAシステムの操作に関してはさほど高度な技術的知識を要求されないために3級陸上特殊無線技士という別な資格がありますが、2級陸上特殊無線技士(以下2陸特と省略)の操作範囲に含まれ、さらに試験の内容はさほど変わらないために、まずプロの無線資格の入門用としては2陸特が適当と判断して2陸特試験の受験を申請しました。
もっとも特殊無線技士試験は1陸特を除いて資格を必要とする人のためになるべく簡単に資格を取って貰うという主旨の資格であるために、4級アマチュア無線(実は3アマにも養成講座がありますが)同様に殆どの人は養成講座を受講して取得してしまう資格です。自衛隊、警察学校などの職場単位で養成講座が組まれる場合も多く、百人単位で2陸特合格者が養成されることも珍しくありません。そのために免許の年間発給枚数に比べると意外と国家試験受験者の数は少ないのです。もっとも最近の電波法、無線従事者規則の下では主任無線従事者という有資格者の管理の下で無資格者が無線操作を行うことが認められており、タクシー会社でも主任無線従事者以外はオペレーターもドライバーも有資格者ゼロという場合も珍しくないので、現在は2陸特所持ということでは就職にはまったく繋がらない資格ですが。
用意した教材は工学、法規の養成課程用教科書と特殊無線技士用共通問題集でした。この特殊無線技師用問題集から共通分野、2陸特専用分野だけを抜き出してパソコンに打ち込み、2陸特問題集としてまとめてプリントアウトし、それを繰り返しやることに専念しました。ネットで集めた情報によると、ほぼ過去問題が組合せを替えられてそのまま出題されるため、過去問題だけやっておけばよいということなので、3アマ試験同様過去問反復に専念しました。但しレーダーの原理原則、VSATに関することは新たな分野なので、理論から覚えてましたが。2陸特試験は通信術がないのでその点は気が楽でした。
10月の特殊無線技士試験は土、日の開催でした。試験会場は3アマの時と同じ札幌総合卸しセンター共同会館です。試験は9時15分まで入室、9時30分開始ですが、8時30分には試験場入りしました。スーツを着たサラリーマン風の男が特殊無線技士試験の受験票の封筒を5枚も見せびらかしてました。こんなものは上位免許を1枚ずつ持っていればいいのに、免許マニアか酔狂なやつもいるもんだと思って見ておりましたが。会場は3アマのときの30人収容くらいの小さな部屋と違って70人ぐらい収容できる大部屋での開催でした。その時の試験は3級海上特殊無線技士受験者と一緒。2陸特受験者63人に対して3海特受験者は3名でした。受験者はこの時節を反映して少しでも履歴書の資格所持欄を埋めたい工業高校系の学生が多いんですが、商店主のようなおじさんや、ブラックスーツを着た職業不詳のコンビもおりました。お定まりの試験の説明があったあとに問題用紙と解答用紙が配られ、試験開始となります。特殊無線技士試験は1陸特と3海特、国内電信特を除いて法規12問、工学12問の合計24問なので問題数は4アマと同じです。そのためか解答のマークシートも「4アマ・特殊無線技師用」となってます。試験が始まり、3分完結ペースで問題を解いていきましたが、法規の問題で一カ所悩んでしましました。これは確か許容周波数偏差の法律条文の虫食い箇所に入る語句を答える問題で、これは後にアマの上級試験と海通試験に同じ問題がでてきましたが、このときはうろ覚えだったので、結局アウト。退出可能時間になってすぐに解答用紙を提出して退出しましたが、この一問が引っかかって何かすっきりしませんでしたね。家に帰って答え合わせすると、結局この1問以外は正解で24問中23問の正解でした。試験の合格通知は20日ほど掛かって届きました。従免申請書は必要分をすでに入手してあったので即日申請書を出し、それから20日ほどで従事者免許が届きました。
試験も2回目で、試験の雰囲気にも慣れたところで、重大な計画変更をする決意をしました。4月までじっくり勉強すればいいと思っていた2アマの試験を12月に前倒しして受けることにしたのです。12月にたとえ落ちたとしても、通信術試験だけ科目合格をとれば4月試験が楽になる。12月試験で2アマが受かれば4月に1アマ試験を受けることも可能だという判断で、4月までだらだら勉強しても身にはいらなくて短期集中決戦で自分にプレッシャーを掛けた方がいい方向に向かうだろうと思い、2陸特試験が終わった翌々日に12月期の2アマ試験の申請をしたのでした。
2陸特取得に掛かった費用
受験料 4,930円(当時)
工学教科書 1,200円
法規教科書 1,200円
問題集 2,200円
免許申請料 1,650円
郵送料その他 570円
合 計 11,750円
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