« 1陸特免許取得は楽勝 | Main | 科目免除目的の航空特殊無線技士受験記 »

July 21, 2004

人気薄な第4級海上無線通信士受験記

第4級海上無線通信士の資格は旧名を電話級無線通信士といって、第3級無線通信士(今の第三級総合通信士)の下位の資格として海上、陸上を問わず音声電話による通信とレーダー、および技術的操作の一部が認められた資格だったのですが、モールス通信を廃して電子通信の通信術が科せられた1,2,3級海上通信士が新設されて第4級海上無線通信士という名前に変更になり、陸上の通信がその操作範囲から除かれたためにまことに使いでの悪い資格になってしまいました。電話級無線通信士資格の時代には、第2級アマチュア無線技士の資格を持っていると工学の試験が科目免除とされていて、上級アマを取得したついでに法規と和文電報送受話の通信術試験を受けて取得するアマチュアがけっこういたようですが、現在はアマチュアの資格とプロの資格の間の科目免除が無くなり(プロの免許でアマチュア無線が運用できる資格は多数あります)、現在はアマ上級資格所持者でも工学、法規の両方を受験する必要があります。また、第4級海上無線通信士の試験には英語の試験がないために無線による国際通信が認められておらず、主に300トンまでの漁船の国内向け通信としての資格ですが、最近のGMDSSシステムの下にあっては大型の漁船は3海通以上の資格で海技士(電子通信)を所持していないと役にたたないので、実際の通信には殆ど使いようのない資格に成り下がってしまいました。ところが技術操作の一部にあっては2海通よりも上位の部分があり、海上通信に関する技術免許として第三種認定点検業者の点検業務に就くことが出来るので、1陸特、4海通、航空通の3枚を所持していれば技術職の最低資格として陸海空の簡単な無線通信装置の認定点検業務に就ける可能性もあります。それ以上の無線技術職をめざすんだったら2陸技、1陸技を受験しましょう。
 名前は4海通ですが、工学の難易度に関しては3海通と逆転します。3海通は主に航海士等の航海従事者に資格を取らせるために工学が簡単になっており、英語と法規、さらに通信術試験が上位の海通試験とまったく同じということになっております。さらに4海通はアマチュア無線の4級相当の資格としてアマチュア無線の運用が出来ますが、3海通には認められておりません。また4海通の工学の試験に合格すると、3海通の工学の試験は科目免除になるため、3海通の下位資格が4海通とはいえない状況になっています。強いて言うなれば3海通の下位資格が1海特、3総通の下位資格が4海通というようなポジションでしょうか。
 1陸特試験終了後に電気通信振興会北海道支部から4海通養成教科書の工学と法規、国家試験問題集を手に入れてきました。工学の難易度は「各種無線工学の基礎」にすぎず、2アマ程度でさほどは難しくはないんですが、どうも最近の傾向として2アマには出てこないデシベルの計算が出てきたり、交流の力率の問題がでてきたりして、アマの試験制作者とまったく違う担当が試験を制作しているのがよくわかるのですが、過去問丸暗記の受験者は面食らうでしょうね。法規に関しては遭難救助の取扱の部分がかなりの割合を占めますんで、ここはしっかり押さえておきましょう。工学は過去問を軽く押さえる程度で済ませましたが、法規はしっかり各項目をノートに丸写しして、それから空でも言えるように暗記する毎日です。しかし、これが後に航空通の英語試験における国際条約の英英訳問題を解くのに非常に訳にたちました。4海通の試験の問題数は工学18問、法規20問です。上級アマの試験と違って問題数が少ない割には出題範囲が広いので、点数が取りにくいと感じられるかもしれません。試験時間は1時間半で午前工学、午後に法規の試験が行われ、以前科せられていた和文電報の送受話試験は廃止になり、唯一通信術試験のない通信士試験になってしまいました。
 試験日は8月第2週の平日で、試験場は上級アマ試験で2回通った道民活動センターかでる2.7でした。例によって手稲行きの朝2番電車で札幌へ行き、徒歩で試験会場に向かいます。大体試験官は8時50分頃到着というのがわかっているためロビーで待っていましたが、受験人数がそもそも少ないのかそれらしい人間は1人も見かけません。試験官が到着して一緒にエレベータで5階に上り、しばしの会場セッティングののち試験場に1番で入場。厳を担いで真ん中の列の右一番前に座ります。受験番号を見ると本日受験人数は9人のようでした。4海通試験はさすがに海通試験だけあって、科目別の科目合格が認められており、たとえ片方の科目に不合格でも翌月から3年以内にもう一つの科目に合格すれば良いようになっていますので、通信術に落ちたらすべてパーになるアマの上級試験よりはよっぽどマシです。受験者の顔ぶれは自衛隊員風の髪の短い受験者が半分、あとは免許マニア風のわたくしみたいなのが半分というところでしょうか。
 9時20分から型どおりの説明が始まり、問題用紙、解答用紙が配られ定刻9時30分に試験が開始となりました。1名欠席のようですが科目合格で午後の試験から現れるのかもしれません。試験開始と共にさっそく計算問題を後回しにして取りかかりますが、今はお盆の連休直前で夏休みと言うこともあり、この道民活動センターの研修室はほとんど満杯状態です。特に隣の部屋は何かのセミナーを行っているらしく、さほど広い部屋でないのにワイヤレスマイクの音がこちらの部屋まで響いてきて、落ち着いて計算問題に取りかかれない状態なんです。これは誤算でした。すっかり落ち着きを無くしてどう計算しても未知の抵抗の値が出てこない、LRC回路のLのインピーダンスが出てこないで浮き足立ち、問題用紙中計算式を書き殴り、退出可能時間になって先に終わった者がちらほら答案を提出する45分が経過しても答えがでてきません。そして、もう一度計算式を消しゴムできれいに消して、やり直したらすんなり答えが出てきました。単純な計算ミスが原因でした。それで試験開始後約1時間で解答を提出。3番目くらいだったかなぁ。今回だけは先に退出する者がいて逆にこちらがプレッシャーを掛けられた感じです(^_^;)
いつも通りの長い昼休みの後午後1時から法規の試験開始。科目合格者が1人入れ替わりで法規の試験だけ受けるようです。さきほどまで静かだった隣の部屋のセミナーも1時きっかりにマイクでがなり立てはじめました。これが上級アマの通信術試験に重なっていたらゾっとしますねぇ。まあ、隣の騒音にももう慣れてしまったので、黙々と法規の解答を進め、退出可能時間の45分後に他の受験者1名と一緒に1番で解答を提出し、試験場を後にしました。通信士試験は無線協会が免許申請の代行をしないので免許申請書すら販売の用意をしてきていませんが、そんなことは先刻承知で参考書を揃えるときに申請書まで購入済でしたからあとは合否の到着を待つだけです。一週間後に無線協会の解答を確認し双方とも84点以上で合格を確認。合格通知書が到着する前に免許申請書は写真を貼り付け収入印紙も貼っていつでも出せるように準備してありました。8月末に結果通知書が到着して合格。即日総合通信局に免許申請書を発送すると何と今回は5日後に免許がポストに入っておりました。初めての手帳型見開きの通信士免許ですけど、ラミネートの免許に比べて持ち歩きに不便で角がめくれそうなので家にしまい込んであります(笑)

 4海通資格取得費用
 受験料     7,080円(当時)
 工学教科書   2,500円 
 法規教科書   2,200円
 過去問題集   1,600円
 免許申請料   1,650円
 郵送料・その他  570円
 合  計    15,600円

| |

« 1陸特免許取得は楽勝 | Main | 科目免除目的の航空特殊無線技士受験記 »