科目免除目的の航空特殊無線技士受験記
航空特殊無線技士は航空運送事業の用に供さない自家用事業用の航空機(セスナ機やヘリコプタ)とこれと通信をする地上の航空局の無線設備の国内通信のための通信操作を行うための免許です。又、航空機に搭載されるATCトランスポンダおよび航空用レーダーの操作も可能ですけど、旅客機みたいに管制と英語で業務通信をかわす必要がないために航空無線通信士のように英語の試験はありません。また航空無線通信士の通信操作の範囲がHF、VHF(主にA3E)にかかわらず制限がない(技術的操作は出力250ワット以下の外部の調整部分)とされているのに、航空特殊無線技士は25,010キロヘルツ以上の周波数に限定され出力も50ワット以下というように定められております。特殊無線技士では珍しく1海特同様に英文電報の送受話の通信術試験があり、航空特殊無線技士の資格を取ると航空無線通信士の通信術(これも英語電報の送受話試験のみ)が科目免除となるため、わたくしはこの科目免除のためだけにわざわざこの試験を受けたというのが受験の理由です。世の中にそれほど航空機事業に従事する人間が多いわけではなく、非実用的な資格にもかかわらず、航空機オタクというのが存在するらしく受験する人間は多いようです。
受験にあたって用意した特別の参考書その他はありません。4海通受験後に航空通用の養成課程教科書の無線工学、法規、英語、過去問題集を購入してあったので、トランスポンダ、レーダーなどの問題はこれを参考にして、2陸特を取るときに購入した特殊無線技師用問題集をそのまま使って2日くらい勉強しただけです。
10月の特殊無線技士試験は土日の開催で、1陸特以外の特殊無線技士の試験は土曜に集中しておりました。航空特は今回は1海特試験と一緒で昼の1時からの開始となります。会場はしばらくぶりとなる札幌卸センター共同会館となります。昼からの試験というと3アマ試験以来でしたかねぇ。会場には既に何人かが集まっており、今回は一番前というわけにはいきません。航空特受験者は受験番号から見ると22人、1海特受験者はたったの6人です。そのうち女性が2人くらい混じっていました。10人くらいの男女のグループで北見からやって来ているようでしたが、何の集団だったんでしょうね。アマチュア帯を締め出されたパラグライダーの連中だったのかな?お定まりの試験の説明が12時50分からあり、13時から試験が始まりました。1陸特を除き特殊無線技士は過去問が繰り返し出題されるので、過去問さえやっていれば落ちることはまずありません。3分で解答して5分で見直しまで終わって終了です。試験官としては皆が30分の退出時間までに出来ればすぐに通信術の試験に入りたいところなんですが、約1名が30分でもまだ終了しません。1時間が試験時間ですから仕方がありませんが、全員が廊下に退出してもまだ粘っています。結局50分を過ぎるまでこの男は答案を提出しませんでした。それから1海特の英語の試験を片づけてから航空特と一緒に英文電報受話の試験となりますので、まだまだ時間がかかります。1海特の英語の試験の間、北見の集団の会話を聞いていると「問題集とまったく同じのが出てきたけど微妙に選択肢の順番が変わっていて2番って覚えたからその通り書いたらたぶん間違えた」とか女の子は「通信術の品位点ってなあに?態度とか服装とかそういうのでマイナスされたりするの?」なんてめちゃくちゃな事を言ってます。それでも殆ど落ちる人間のいない試験なんだよなぁ。1海特の英語の試験が終わり、中に呼ばれて英語電報受話の試験です。「赤い罫線の恐怖の受信用紙」も、モールス受話じゃなければ単なる紙きれ。わたくしは1海特のときにすでに英文電報の送受話通信術試験に通っているにもかかわらず、特殊無線技士相互間には科目免除もなく、また海上、陸上資格相互にも科目免除の融通がないためか、同じ試験を再度受験することになります。あいかわらずネイティブじゃない発音のテープが回って2分の受話試験が終了、もちろん取りこぼしナシです。それから一旦廊下に出されてから受験番号順に中に呼ばれて2分間の英語電報送話試験が始まりますが、受験番号が10数番だったので、おおよそ40分くらいあとにならないと順番が回ってこない計算です。実は航空無線通信士試験ではおおよそ100人ほど受験者があるという話を聞き、午後の英語の試験が終わったあとに3時40分から60人くらい通信術を受けるとしても大変な時間が掛かってしまって、いつまでたっても帰れない事態が容易に想像出来たので、科目免除ほしさに航空特を受験したのでした。45分くらい経って中に呼ばれて5文字ずつのアルファベットを書かれた送話表を渡され、2分間の送話試験を無事に終了しました。試験場を出たのは3時を過ぎてましたが、あの50分まで粘った受験者がいなければ20分は早く帰れたのになぁ(^_^;)後日、無線協会のWEBからの解答で答え合わせをすると工学も法規も100点でした。まあ1陸特以外の特殊無線技士試験で工学は100点を切ったことはなくすべて法規で1問落としただけですから。100点は試験としても3アマ試験以来かな?とは言えあんまり合格してもうれしくないのは科目免除のためだけに受けた試験だからですね。月末に試験結果通知が到着、即日で免許申請して10日ほどで免許が到着しました。このあと受験予定の無線従事者試験は2月末の航空無線通信士試験までありません。そのために他ジャンルの資格試験を2つ入れることにしましたが、2月にその試験が集中してしまい、後で苦しむことになります(^_^;)
航空特資格取得費用
受験料 4,930円
参考書 なし
問題集 (特技問題集流用)
免許申請料 1,650円
郵送料・その他 570円
合 計 7,150円
| Permalink | 0
Comments