交信の話のネタ
アマチュア無線の交信では、国際通信連合憲章に規定する無線通信規則の規定によって、交信して構わない内容、いけない内容というのが定められております。電波法によってもアマチュア業務というものが明文化されていてそれによると「アマチュア業務とは、金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、通信及び技術的研究の業務をいう」というようになっております。すなわち、アマチュアの無線機とアマチュアの周波数帯を使って仕事やレジャーの連絡用に使用したり、ハンググライダーと地上での指示誘導に使用したりすることは、アマチュア業務の範疇から完全に逸脱することになるので、完全な電波法違反となります。アマチュア業務の自己訓練とは通信術の練習、通信および技術的な研究というと、通信機を製作したりアンテナを製作又は調整したりして、どれだけの出力でどこまで電波が届くのかということを記録して調べるのが研究です。というわけで、アマチュア同士の交信にはレポートの交換というのがかならず付いてまわり、了解度と信号強度を(電信の場合は更に音調を)お互いに通信しあって、ログブックに記録するのが通信及び技術的研究の業務の一部で、レポートの伴わない交信というのがアマチュア業務逸脱の通信と言えます。キャンプや登山にハンディ機を持ち込んで、仲間同士の交信にレポート交換したりログを付ける人間はいないでしょ(笑)
国際通信連合憲章に規定する無線通信規則ではアマチュアは「試験のための技術的性質の通報」「自己訓練のための無線通信業務」「軽易な公衆電気通信業務によることが適当でない私的事項」となっており、アマチュア無線を他の業務に使用したり、第三者の依頼による通信事項を厳しく制限しております。
これらの規定を考えるとアマチュア同士の交信というのはレポートの交換の他は使用している無線機と出力、アンテナの形式と高さ、自局の天候と気温くらいしか交信出来ないことになりますが、「軽易な公衆電気通信業務によることが適当でない私的事項」というのがクセモノで、これを知っていても知らなくともそれ以外にだらだらと身の回りのことその他、交信し合うのがアマチュア無線の交信というものです。まあ、周波数によってはいつ急にコンディションが落ち込むかわからないので、レポート交換を急いで早々に切り上げることもありますが、昼間の14メガ帯あたりではけっこう20分以上も同じ局と交信することもありますね。まあ、某どこかの会長みたいに周波数を占有して電波上で将棋を差し合うなんてことはしませんが(笑)それで去年半年くらい使えたネタは9月の震度5の地震と出光精油所のナフサタンク火災のことでした。北海道としては印象の薄い苫小牧市を全国に映像で知らしめたのが災害というのも情けないような気がしますけど、けっこう全国的に話のネタとしては事欠かず、特に兵庫の局とは地震災害ネタが共有出来たような感じでしたが。
しかし、地震による精油所火災から一年。今回とっておきの交信ネタが出来ました。地元の駒沢大付属苫小牧高校が高校野球夏の甲子園大会で愛媛斉美高校を決勝戦で敗って、高校野球80年の歴史の中で白河の関を越えたことがなかった深紅の大優勝旗を苫小牧に持ち帰った事です。地元の市役所にも「悲願の1勝を!」なんて張られていただけなのに、まさか優勝するなんてねぇ(^_^;) 決勝戦でお互いに20安打近く打ち合い、ふた桁得点同士の決勝戦というのも凄まじいもので、試合中は苫小牧の町中から車が消え、スーパーやパチンコ屋はガラガラ、ガソリンスタンドには1台も給油にやってこないは、水道の給水量も普段の19%しかなかったそうで、苫小牧だけでなく札幌やほか全道でも試合の視聴率は48%くらいになったそうです。日曜日の札幌三越前のオーロラビジョンに映し出された最後のバッターがレフトフライに倒れた時に、交差点を埋め尽くした黒山の群衆が一斉にワーッと歓声を上げたのと、甲子園で観戦していた殆どすべての関西高校野球ファンが3累側駒沢苫小牧応援団と一体になって、駒沢攻撃の時には凄まじい歓声を送ってくれたのが印象的でした。自分でいうのもなんですが、近年希に見る激闘の決勝戦だったのではないでしょうか。蓋を開ければチーム打率4割4分で3年前の日大三高を抜いて史上1位の記録をうち立てたそうです。
ということで、しばらくはこのネタで交信しようと思いますが、相手が愛媛の局だったときは気をつけなければいけませんな(笑)
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