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October 12, 2004

全市全郡コンテスト・14MHzの罠

10月9日の21時から10月10日の21時までの24時間、JARL4大コンテストのひとつである全市全郡コンテストが開催されました。今回は静岡県に台風が上陸し、神奈川から千葉、茨城に抜けたために降雨と強風で、例年ならば各地に展開した移動局が盛んに電波を出すはずなのですが、今回に限っては移動運用どころではなく、参加する局もかなり少なかったことに輪を掛けて、電波伝搬コンディションも悪く、最悪の全市全郡コンテストとなりました。
 当電波研究所の無線設備は、3年前の10月16日にFMハンディ機一台で開局したために、今回のコンテストはまだニューカマー部門でエントリー可だったのですが、ニューカマー部門は電話で10ワット運用に制限され(4アマ運用想定ですから当たり前のことですが)14メガでの運用が出来ないために、夏場の50メガEスポでどんどんマルチを稼げるときならいざ知らず、人口が希薄でV,UHF局の運用局が少ない北海道にあってはニューカマー部門は不利と見て、14メガ電話電信部門でのモノバンド勝負に出馬することにしました。ニューカマー部門ではローバンド運用も出来るんですが、もちろん電信が使えないのと、10ワットの電話じゃあの狭いバンドにハイパワー局が犇めいている状況では殆ど取ってもらえないでしょう。4アマなのにも係わらず、最初から100ワット機を買い込んで開局した「4アマ100ワット局」だったらコンディシションさえよければもちろん上級局と互角に戦えるでしょうけど、電話部門のエントリーは上級、初級局に係わらず「HF10ワット以下、V,UHF20ワット以下」に制限されていますから100ワットで電話部門にエントリーした4アマ局は、あとからクレームが付く場合があります。それでなくとも日ごろから4アマ高出力での運用局はマークされてますから、ヘタに高得点で上位入賞すれば当然「高出力違法運用での入賞」の噂が飛び交い、クレームを付けるコンテスターがけっこういるでしょう。もっとも普段7メガに出て珍QTH移動運用専門局を狙っている4アマ高出力局はコンテストなんかにはでてきませんけどね(笑)
 9日21時にコンテストがスタートしましたが、14メガ帯の電話交信周波数はもちろん静かで、電信交信周波数帯だけ5エリア6エリアの高出力局だけ数局聞こえる状態でした。14メガ帯で最初から運用している局だけあって、何回か聞かないとコールサインも取れないような高速な信号を送っています。そのため応答する気も削がれて14メガ帯から離れて2mをワッチし始めましたけど、普段の全市全郡コンテストであればこの局数が少なくなった時代とはいえ、常に5局ぐらいが移動先からCQを出しているのにも係わらず、今回はバンド中が沈黙しています。やっぱりこれからの台風接近にそなえて移動運用どころではなく、予定変更で固定で細々とやっているのでしょうか。そこで、エントリーする気はない7メガ帯に移ってCQを出している高出力局何局かに応答に回り、コンテストサービスに徹していましたが、以前交信したことのある局にコンテストで遭遇するのも何となく嬉しいものです。11時を過ぎて7メガもそろそろ国内スキップしてキロワット局の声しか入らなくなったので、当夜の運用をQRTとしました。3.5メガ帯はまだまだいけるんですけど、試しに筑波大の局を呼びましたが短縮率の高い我が垂直アンテナでは100ワット掛けても10ワット以下しか有効に飛ばないような状態で、取ってはもらえませんでしたね。
 翌朝は6時に起きて14メガ電信バンドをワッチしましたが、相変わらず昨夜と同じメンバーが高速でCQを出していましたが、まだ電話のほうはコンディションが上がりません。とりあえず観念して以前から50メガで交信歴のある熊本の松岡氏と電信で交信します。7時を過ぎで九州方面から電話でのCQの声が聞こえてきましたので、熊本三原女史とコンテストナンバーを交換してから14.255MHzでCQを出しましたら、すぐに徳島市から応答がありました。それから大村市、岡山県邑久郡、山口市、坂出市と6,5,4エリア方面から応答を貰いますが、さすがに出ている数が少ないので一度に2局から同時に呼ばれることは殆どありません。7時台には12局と交信しましたがスキップで2エリア浜北市、岩倉市などとも含まれています。7時代後半はコンディションが落ちたのか15分ほど食い付きが急に悪くなり、8時台には四国と中国の瀬戸内海沿岸を中心に12局と交信。このペースじゃ電話のコンディションが落ちるまで100局を稼ぐのはとても無理のようです。9時台はたったの6局。どうも同じ8エリアから1Kしか離れていない周波数からCQが出始めたようで、その局にオンフレでゼロインできない局がこちらの周波数でそっちの局に応答してびっくりして5K上がったりしましたがそれでもダメで、元の周波数から2K上がったところで落ち着いたら10時代は11局。京都から大阪、神戸から応答を貰いましたが、コンディションは今ひとつです。11時台は10局で、声をからしてコンテストコールしても14メガじゃ大体こんな局数しか声が掛かりませんが、これがコンディションが開けて1エリア東京と交信できればこの倍以上は稼げるんですけどねぇ(^_^;) 12時台になってやっと横浜、東京多摩市、神奈川南足柄市からコールを貰いましたが、1エリアはここまでで、逆に6,5,4、3エリアのコンディションが落ちてしまって電話ではさっぱり入感しなくなりました。電話の最後を飾ったのは京都の大OMであるJA3ANこと西脇OMからでした。
 それから電信バンドに転戦しますが、ここで大変な誤算をしてしまいました。何と電信バンドに出ていた局は電話でお相手をしていただいた局ばかりなのです。まるで冬に寒さが身に堪えるようになると、ぞろぞろと屋内に移動してくるテントウ虫のような状態で、電話のコンディションの悪化に追われて移動してきたテントウ虫たちが電信バンドに犇めいているような感じです。コンテストでは同一バンドでモード違いでの交信は得点になりません。シングルバンド部門では同一周波数ではたとえ電話と電信で大いに違いがあるとしても、一回しか交信できないのです。これで「電話のコンディションが落ちたら電信でマルチを稼げばいいや」という甘い考えが、14メガでは通用しないことが判明しました(^_^;)それで一旦コンテストから離れてログの整理にかかりますけど、その時点で60ポイント60マルチとなり6時間掛かって得たスコアにしては大いに不満が残る数字です。それで聞こえている電信のコールサインを丹念に捜してゆくと何局か未交信局がありました。そのうち最初に交信した局はオールJAコンテストでカードを送っていただいた呉の局だったので、迷わずDE JL8DJS Kを送信してコンテストナンバーを交換。その後未交信局とは先にコールブックから運用地を調べてからDE JL8DJS Kを送り、万が一高速でコンテストナンバーを送られても大丈夫なようにズルして午後トータル5局とCWで交信してCLとしました。14メガでは今回は特にコンディションが上がらなかったためかCWで応答してくる局も極端に少なかったので、何局かが応答しているときにコンテストナンバーを反復して確認する術がなかったからです(笑)
 ということで、今回の得点は65局65マルチで、4225点というスコアで終わってしまいましたが、半日声を出し続けた割にはコンディションの悪さと14メガ参加局数の少なさによって、苦労が報われないような結果に終わってしまい残念でした。
 今回の全市全郡コンテストで今年のJARL4大コンテストがすべて終わりました。あとはオール大阪やオールJA9コンテストなどの割と大規模な地方コンテストだけを残すのみになりました。今年は4大コンテストすべてに参加して、すべてにスコアを提出してきましたが、コンテストの時期の違いとエリアの違いによる運用周波数選びや戦略など、ちょっとだけわかってきたような気がしました。多分来年は…コンテスト参加どころの話じゃないだろうな、たぶん(笑)

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