モールス試験改訂パブコメ集計結果
総務省が昨年11月に募集したアマチュア無線技士国家試験におけるモールス通信術改訂に関するパブコメの集計結果が発表されました。それによると、1、2アマ試験における通信術試験は現状維持派が132件に対し、総務省案25文字/分の2分間受信に賛成派が139件。3アマの通信術現状維持が133件に対して、総務省案の3アマでは通信術を廃止して法規試験でモールスの知識を確認するに賛成派が107件。すべての試験でモールスを廃止するべきというJARL執行部に同調した通信術全廃賛成派が35件でした。
この結果を踏まえて総務省では総務省案の理解が得られたものとして、通信術試験の改訂に着手し、1アマ2アマ試験では現行3アマ試験と同じ25文字/分の速度で2分間の受信に改訂し、3アマ試験からは通信術試験を廃止する方向で、無線従事者規則の改定に着手されることに決まりそうです。
とはいっても1、2アマでは総務省案反対・賛成派が拮抗し、3アマにおいては通信術廃止反対派が賛成派を上回っているのにも係わらず、この数字を見て一概に「総務省案に理解が得られた物と判断」するのはどうかと思いますが、パブコメの集計結果がどういう結果になろうが、最初から総務省案を推しきることに決まっていた出来レースの展開であったのは間違いないようです。しかも総務省案賛成派は「モールス受信試験が全廃になるよりは25文字の速度でも通信術試験が残った方がよい」という妥協派が殆どで、積極的に「モールス試験は現行3アマ並にするべき」という意見が少ないことは明白です。
意外だったのはJARLが会員総意として一方的に総務省に申し入れた「速やかにモールス試験を廃止されたい」という意見の通信術全廃派が35件しかなかったことで、一般の無線家は上級試験にはモールスによる通信術試験が必要と考えていることが証明されました。実際にJARL会長始めとする理事が考えていることと、一般の無線家の考えていることは相当な温度差があることがここでも明らかになりました。こういう事を感じ取れずに自分たちの意見を「会員の総意」とし、JARLの申入書として勝手に総務省に押しつけるJARL幹部連は、さっさと退陣していただきたいですね。
ということで、1アマ、2アマの通信術試験が3アマと同様の25文字/分の2分間の音響受信、3アマからは通信術廃止、旧3アマ取得者が上級受験する場合には通信術免除ということが決まりそうですが、年度途中で試験方法が変更になることは考えられないために、実行されるのは平成18年度の4月期試験が最初ということになるのではないでしょうか。しかし、平成16年度から従事者免許に写真の転写システムが採用されて、1、2級従事者免許は総務大臣発行の青い台紙の免許だったものが、3、4アマと変わらない白い免許に代わり、そのうえ今後通信術が3アマ並と言うことになると青免とこれからの白免とは、見かけだけでなく実質的な価値差が激しくなってしまいますね。
さあ、「1,2アマの試験難易度の違いは通信術にしか無い」と主張される方々、身をもってそれを証明してください(^_^;) きっと通信術改正後第1回目1アマ試験の合格率は3アマ並の50%に跳ね上がるんじゃないすか?なにせ皆さん通信術さえ3アマ並になったら1アマなんか簡単だって言う人が多いんですから(笑)
※最近、ここの記述が2チャンネルの無線板にコピペ又はリンクされているようですが、あたしゃ「上級ハム受験スレ!1・2アマ受験情報」のアクティブだったって知ってました?(笑)
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