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March 21, 2005

アマチュア無線機用真空管の話

 当貧乏電波研究所のHF用リグ3台はすべて真空管ファイナルのものです。真空管ファイナルのリグといっても最末期に近いもので、2台はWARCバンドにも対応する80年代初期のものなので、6146Bという送信管を使用する物ですが、なぜか使う無線機もないのにそれ以前の無線機に使用する終段真空管もストックがあるのだからお笑いですが、まあ時間と財布の余裕があったらFT-101Eのレストアでもやってみたいと思ってこつこつと集めたものが中心です。さすがに807という真空管の世代ではありません。HFでまだSSBが主流にはなっていなかったころには807という大変歴史のある真空管を終段にしてAM送信機やCW送信機を自作していたらしいですが、807は鉄道の信号系統の機械に大量に使用されていたらしく、日本ではUY-807の名前で売られていました。そののち、6DQ6などの終段管を経てSSB時代になってからは市販の無線機には俗にテレビ球と言われる水平出力管を元にしたものが使用されますが、そのうちの一つに6KD6という真空管があります。「ケデロク」などと呼ばれましたが、アマチュア無線機器では八重洲のFTDX-400やFTDX-401、FL-2500リニアアンプなどに使用されました。2本パラレルで200ワットの出力が出せたためですが、元々使用していた大型カラーテレビもソリッドステート化してしまったために製造も短い期間で終了してしまい、同じ水平出力管であるプッシュプル100Wの6JS6Cに集約されてしまったような感じです。
 話はテレビ用水平出力管でちょっと脱線してしまいますが、我々が子供の時にはテレビはすべて真空管を使用していて、スイッチを入れても30秒くらいは映像が出てこなかったのが当たり前だったんですが、そのうち真空管式でも待機電力で常に真空管に火が入っていて、スイッチを入れるとすぐに画像が出てくるのが売りのテレビが出てきたと思いました。テレビを見ない時にも常に電力を食っているなんて、まったくインチキもはなはだしいものでしたが、カラーテレビが真空管を脱してソリッドステートになったはしりは、日立キドカラーの「ポンパ」だったと思います。昭和45年頃のことだったかなあ、日立は国鉄とタイアップし、旧型客車の編成を丸ごとショールームにして蒸気機関車C11を先頭にしたイメージトレイン「ポンパ号」を全国に派遣して自社ソリッドステートカラーテレビの全国キャンペーンを行いましたので、ご存じの方もいるかもしれません。私も我が町にやってきたポンパ号の見学を行った記憶があります。このころから20インチクラスのカラーテレビからも真空管が消え、水平出力管は比較的に大型のテレビが主流だったアメリカに輸出されるために生産を続けられたようなものでした。ちなみに我が家に初めてカラーテレビがやってきたのが、家の新築でそこまで回る金額がなかったのか、世間の平均よりだいぶ遅れた昭和46年6月ごろのことで、もちろんソリッドステート20型のテレビだったのはおろか、セパレートのリモコンまで付いたサンヨーサンカラー「薔薇」のズバコン付きでした。そういえば日立は昭和44年の夏に北海道の雄別鉄道という炭鉱鉄道のC56型蒸気機関車を何と白塗りにして、白い冷蔵庫を載せた無蓋車を牽く「日立ホワイトフリーザー」という冷蔵庫のCMをやっていました。その時の反響がかなり大きく、列車仕立てで新しいテレビの全国キャンペーンを行うことを思いついたんでしょうか?そういや高原に白い洗濯物が延々とひるがえる「青空」っていう日立製洗濯機のCMもインパクトが強烈でしたね。当時、家電のパブリシティは日立が一番うまかったような気がします。
 話は元に戻りますが、八重洲のFT-101に使用されている6JS6Cは八重洲の特注で、他では使用していない無線機用に特化したものとなっており、同じ品番ながら本来のTV用水平出力管として製造された米国製の球を使用すると、中和が取れないだけではなく、最悪トランスを焼損してしまう可能性があるので、八重洲特注品の6JS6Cが手に入れられない限りは使用しない方が良さそうです。アメリカ球を使用するためにはコンデンサや抵抗の容量変更が必要ですが、その使用は「手段を尽くせば使用できないことはない」という程度で、あくまでも自己責任の範囲内ということになります。6JS6Cは最初東芝から供給を受けていましたが、東芝の真空管生産撤退によりNECから供給を受けることとなって、NECも真空管製造から撤退するまでの2年間、6JS6Cの納入を受けていました。それから既に30年近く経過し、八重洲にもすでに6JS6Cの在庫はなく、FT-101を今後長く使うためにはファイナルの6JS6Cの確保にあるということで、当方にはなぜかFT-101が無いのに6JS6CはNECの八重洲純正白箱入り新品2本含めて6本転がっているんですよね(笑)もっとも八重洲純正白箱入り新品2本はFT-401D用真空管一式ということで、貴重な高周波特性に優れるバラモジ管7360を始め他の真空管も附録として付いてきましたが(^_^;)
トリオのSSB機は松下のS2001という真空管を長年使用していましたが、これは6146という送信管のコストダウン版だそうで、6146は一応送信管なので厳しい規格検査にパスする必要があって、どうしてもアマチュア機の用途に使おうにもコストダウンできないということで、それならアマチュア無線用に廉価版を作りましょうということで出来たのがS2001らしいです。6146のはかま部分が金属なのにも係わらずS2001はプラスチック製で、何となく安っぽい感じ。現にS2001のプッシュプル100Wは6146Bの2本にそのまま差し替えてもまったく問題はないそうで、単独で使用する時だけヒーターの抵抗値を変えてやるということで互換性があるのがその証拠。何も高い金額を払ってS2001なりS2001Aを見つけだして買う必要はありません。まあ、私の場合はあくまでもコレクションですけどね(笑)その他トリオでは、八重洲の6KD6に対して6LQ6(6JE6)という水平出力管を使用する無線機(TS-511S)とリニアアンプがありました。確かオーディオの世界にもこの真空管を終段にしたアンプがあったようですが、今となっては6KD6以上に確保するのが大変みたいで、マッチングペアを得ることは不可能に近く、単品でも結構な値段がしますのでうちのコレクションには残念ながらありません。
 うちの現用無線機3台はすべて6146Bです。この時代ともなると、電力増幅の用途として真空管を使用しているのはアマチュア無線機くらいになってしまって、すでにTV用の水平出力管はなく、日本での真空管の製造も終わってしまったために、無線機用真空管としてまだまだアメリカでは製造されていた6146Bを八重洲ではFT-901から、トリオでは八重洲に少し遅れてTS-830からこの6146Bを使用しましたが、八重洲ではこの後FT-101ZシリーズとFT-102に使用され、トリオではTS-830が最後の真空管機となりました。八重洲、トリオ共にジェネラルエレクトリック製6146Bを使用していましたが、当局では一昨年にRCAの新品白箱入り2本を何と3,800円という破格値で確保しました。最初ボケ掛けたFT-101ZDのファイナルと交換してやろうと思いましたが、GE管にくらべて余りにも美しい新品球で勿体なく、使うに忍びなくて白箱に入ったまま押し入れストックになってしまいましたが。

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代表的なアマチュア無線機用電力増幅段真空管各種
左から6KD6東芝(八重洲特注品)、6KD6東芝(緑帯ナシ)、6JS6C東芝(緑帯)、6JS6C日本電気、6146Bジェネラルエレクトリック、6146B RCA、S2001A松下電器

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 箱入り八重洲純正6JS6C(NEC)、6146B RCA、S2001A 松下電器、励振増幅管12BY7Aジェネラルエレクトリック、バラモジ管7360 RCA、12BY7A 神戸工業(現富士通)

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Comments

九州からです、始めまして、
6JS6Cを探している途中で、ここにたどり着いたのですが文中に手持ちがあるとの事ですが、宜しければお譲り頂きたくお便りしました。宜しくお願いいたします。

Posted by: 沢田光幸 | November 08, 2009 06:57 PM

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