2級ボイラー技士資格取得記
ボイラー実技講習修了証を取得したら、講習会でやったことを忘れないうちに、かつボイラー関連法規を丸暗記して2級ボイラー技士国家試験を受験して合格しなければ、もちろんボイラー技士免許は取得できません。2級ボイラー技士国家試験は地方に出張試験が行われることはありますが、北海道では恵庭の「労働安全衛生技術センター」というところに出掛けなければいけません。関東では千葉市よりまだ先の五井駅からバスに乗って小一時間という非常に辺鄙な所にあるらしいですが、恵庭はこちらからは札幌に出掛けるよりは若干近いですし、駅から歩いて10分という場所なので問題ありません。しかし広い北海道の各地から泊まりがけで受験しにこなければいけない受験者は大変です。12月中旬にボイラー実技講習の修了証を取得すると最短1月8日の試験に間に合ったのですが、関連法規の習得にはまだ時間が掛かりそうなのと、合格率4割というと1週間くらいの速習では取りこぼす可能性が大きいので、1ヶ月の余裕を見て2月の受験を計画しました。ところが2月は危険物乙4,航空無線通信士試験が控えていて、3週間で3つの新規試験をすべてこなすのは荷が重く、結果的に毎月試験のある2級ボイラー技士試験を航空無線通信士試験の10日後の3月に見送り、なんとか全て一度の受験で済ませる目処が付いた感じです。たぶん一緒にボイラー実技講習を受けた同期の仲間内では、一番遅く試験を受けることになったのではないでしょうか。ボイラー技士試験の勉強は基本的に過去問の勉強と要点整理で済ませましたが、既出問題は値段が高い日本ボイラー協会の問題集以外には「そのままが出題される」ような問題集が市販されておらず「選択肢丸暗記」などは通用しません。また、各都道府県によって出題傾向に微妙に違いがあるらしいのでますます「この問題集を暗記すればほぼ合格」ということも無さそうです。労働安全衛生系試験はどれもそうですが、実際に作業するに当たって「知らないでは済まされない」事柄が多いので、理解力を問われる試験が多いのと、実際に作業に従事した実務経験が免状発行の条件になっている試験が多いように思われます。
受験料8,300円(高い)を振り込み、ボイラー実技講習修了書を添えて労働安全技術センターに受験申請すると、中1日で受験票が届きました。試験に電卓を持ち込むことができますが、2級の試験では使う機会はありません。労働安全衛生技術センターで行われる試験は、無線の試験のように2ヶ月前で締め切られるということはありませんが、その回の試験の定員に達すると次回の試験に回されるようです。それで受験希望日を2つ指定するようになっていました。3月は前半と後半に2回試験が実施されるので航空通試験の10日後でちょっと準備期間が少ないような気がしましたが、第一希望を3月3日、第二希望を3月24日で申し込むと希望通り3月3日の受験票が到着しました。定員に空きがあれば試験日1週間前くらいまでに受験願書を出しても受理されることもあるようです。
具体的な学習法としては市販の2級ボイラー問題集の問題を全てパソコンに打ち込んでプリントアウトし、解答用紙も作って反復して何回も解くことが出来るようにしました。また教本から要点を拾い集めて紙にまとめ、壁紙にして張り出しました。しかし、何せ3つの試験を同時期に抱えているためにボイラー技士試験だけに集中するわけにはいかず、航空無線通信士試験の10日後ということで、せめてあと1週間くらいは時間が欲しい感じでしたが、悠長なことを言っているとすぐに4月になってしまいます。3月26日までに免許を申請しないと免許申請手数料が値上がりすることになっていました。というわけで、落ちる可能性は少ないけれど確実に合格という確信は持てずに試験の日を迎えてしまいました。
北海道労働安全衛生技術センターは恵庭の駅から徒歩で10分くらいの所にあります。2階の教室に入ると学校の教室にあるような机が並べられていて、受験番号によって着席場所が決められており、教室の定員は120名ほどでした。試験科目は「ボイラーの構造に関する知識」「ボイラーの取扱に関する知識」「燃料及び燃焼に関する知識」「関係法令」各10問、合計40問の5択問題が出題され、各科目合計400点満点のうち240点以上で合格となりますが、1科目でも40点未満の科目があると不合格となります。試験時間は3時間で、1時間を過ぎると答案を提出して退出することが出来ます。なお、問題用紙は回収されて持ち帰ることが出来ません。問題が外部に持ち出されて出題パターンを覚えられて丸暗記される事によって、基礎知識も欠如しているものの資格取得を防ぐためと思われます。回収された問題用紙は厳密に数を確認されて、センター内の焼却炉でその度ごとに焼却処理されるそうです。
午後の1時30分から試験が開始となりました。電卓を必要とするような複雑な熱量計算はありませんが、市販の2級ボイラー問題集に出てくる類似問題は殆どありませんでした。やはり取扱を誤ると他人の生命財産まで被害を与えかねないものを操作するわけですから、丸暗記が通用せずに理解力を問われる試験になっていると思われます。合格率が44〜48%と言われていますから、1発合格する確率は更に低いわけです。受験料が8,300円と1アマ並ですから、何としてでも1回で済ませたいものだと思って試験を受けていました。何とか50分くらいで見直しを含めて終了し、開始から1時間経って退出可能時間になってからすぐに1番で解答と問題証紙を提出。周りに強烈なプレッシャーを与えながらさっさと退出しました。そして恵庭駅まで徒歩10分で戻ると…、帰る電車が1時間後までありませんでした(^_^;) こんなことなら試験場でもっとゆっくりしてくればよかったです(T_T)
試験結果通知書は10日付で11日に届きましたが、無線従事者試験みたいにシールを剥がすとストレートに2文字が書かれているわけではないので、一瞬合格なのか不合格なのか戸惑いましたがいちおう合格。受け取ってすぐに地元の労働基準監督局に出掛け、「労働安全衛生法による免許証の申請書」一式をもらって必要事項を書き込み、写真、収入印紙1,650円(当時)を貼付して試験結果通知書を張り付け、北海道労働局長当てに免許を申請すると3月16日付で免許証が送られてきました。この免許証は写真と裏には住所が入っていますから、身分証明書代わりに使用可能で、その点は無線従事者免許より優れています(笑)労働安全衛生法関係の免許証は、過去はすべて単独で発行されていたものが、車の免許のように取得済の項目の上に1が付くようになり、1枚を持ち歩くのみで済むようになりました。でも24もある項目の中で1つしか印が付いていないのが寂しいですけど、実務経験なしに取得できる項目が少ないので、1が増える予定はまったくありません(^_^;)
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