高圧ガス製造保安責任者(第三種冷凍機械)
2級ボイラー技士免許を取るために勉強していて、潜熱・顕熱や比熱なんかの熱化学に開眼しました(笑)なんとか熱量関係の知識を生かすとなると冷凍機関係の試験を受けるしかないと思い、ネットを検索すると第三種冷凍機械という資格があって、正式には高圧ガス製造保安責任者免状のカテゴリーのうちの第三種冷凍機械という資格になりますが、受験資格として実務経験を問われない資格であり、誰でも合格すれば免状が交付される(実務で冷凍保安責任者となるためには実務経験要)ということがわかりました。試験は年1度、11月に行われますが、講習会が年に2度ほど行われて、講習終了後の試験に合格すると実際の試験で保安管理技術(工学問題みたいなもの)が免除され、法令のみ試験に合格すると免状が貰えるシステムもあるようですが、科目免除のために大金を使うのは潔しとしませんし、国家試験資格ゲッティングの主旨に合いませんから最初から除外です(^_^;) 一般の科目免除なしの三冷合格率は年度で多少上下があるようですが、おおよそ40%強で、当然ダブっている受験者もいるのでしょうから、初回で合格する確率はもっと低いのでしょう。でもまあそれでも1アマ1陸特なんかに比べれば2倍もある計算になるので、いつもの勉強法でこの40%の中には何とか入ることが出来そうな感触です。
というわけで、試験を代行している高圧ガス協会の札幌支部に電話を掛けるとFAXで案内を送ってくれ、FAXで送られた願書請求書に必要事項を記載し、140円切手を貼ったA4封筒を折って同封して高圧ガス協会宛に郵送すると、折り返し高圧ガス製造保安責任者試験の願書を一部送ってくれました。試験は全国同時に全てのカテゴリーの試験を11月14日の日曜に行われました。北海道では札幌・函館・室蘭・旭川・釧路の5会場で行われます。札幌会場で試験を受けることにして試験受付初日の8月30日に受験料9,400円を振り込んだ上、受領証を受験願書に張り付け、写真票・受験票に写真を貼って必要事項を記載の上、高圧ガス協会札幌支部に郵送しました。しかし、3冷でも2科目の試験で午前中で終了なのに1アマ並の受験料ですが、1冷ともなると3科目なのに受験料も14,500円と総通試験の受験料並です(^_^;) 受験料を無駄にしないためにも一発合格しなければなりません。驚いたことに合格発表は試験実施の2ヶ月後である1月11日だそうで、高圧ガス保安協会のホームページ上でも合格者の受験番号は検索できるとのこと。今や試験結果が2ヶ月経たないとわからない国家試験なんて少数派ではないでしょうか?
試験の勉強は、本当なら冷凍空調機学会発行の参考書と問題集を使えばそれでいいという人が多いのですが、普通の書店には置いていないために、当方は日本職業訓練センター発行の「初めての第三種冷凍機械責任者試験」とオーム社の「3種冷凍試験・実戦問題」の2冊ですませてしまいましたが、結局この2冊のみで、いくら応用が利いたとしても7割くらいの正解率しか叩き出せなかったような感じです。というのも高圧ガス製造保安責任者試験というのは、その問題と解答が他の試験にない独自な解答法で、1つの問題に4つの例題が出題され、それぞれの例題が正解か不正解か、「その組合せ」を5択から選ぶというものです。この解答を導く方法にははっきり言って戸惑いました。基本的には消去法で明らかに誤っているものを消してゆき、それが含まれない選択肢を選ぶんですけど、どうも最後にどっちも正解とは言えない選択肢が2つ残ってしまうようで、いくら理解力を問うといっても「あんまりだ!」と思いましたね(^_^;)
冷凍機の基本は「p−h線図」です。まずこのp−h線図を見て各サイクルの冷媒の状態がどうなっているかを知らなくては、この試験に合格することは難しいでしょう。逆にp−h線図が読みとることができると、8割方冷凍理論が理解出来たことになります。「保安管理」と「法令」の2冊のまとめのノートを作って勉強していたようですが、これは相変わらず「書かないと頭に入らない」からなんですね。冷凍理論は未だに忘れませんが、今となっては法令の「高圧ガス」該当のおおまかな基準まで忘れてしまいましたが(笑)
受験票が忘れたころに送り返されてきました。受験番号はナンバリングで押してあり、会場の案内もスタンプで押してあるという超アナログな受験票です。このような受験票は簿記検定試験以来でしょうか?札幌会場は地下鉄東西線西18丁目駅そばの札幌科学技術専門学校という場所で高圧ガス製造保安責任者試験9カテゴリーと高圧ガス販売主任者試験2カテゴリーが同時に行われます。試験は9:30開始ですから、試験の時はいつも利用する札幌方面2番電車に乗り、今回は新札幌で下車して地下鉄東西線に取り替え、西18丁目駅まで直行しました。全ての試験がこの専門学校で行われる為に、けっこう受験者でごった返しています。受験番号一覧表が掲げられていましたので、3冷の全科目受験者の受験番号から受験者の数をカウントするとだいたい180人ほどが本日の3冷科目免除なしの受験者数になります。合格率が4割強としてもこのうち80人以下しか受からない計算になるわけですね。試験会場は長テーブルに3人掛けで、普通はカンニング除けに真ん中を開けるはずだと思うのですが、考えたもので真ん中の席には2冷の科目免除者が割り振られていて、長テーブルの両サイドとはまったく別な問題を解いているために、隣をカンニングしても無駄なことになっています。しかし、試験会場に人間を詰め込みすぎで、圧迫感で息が詰まりそうです。受験料が高いのだから少し考えてもらいたいものですが。
9:20頃から法令試験の為の説明が始まり問題用紙と解答用紙が配られますが、アナログな受験票には似合わず、解答用紙は予め受験者の氏名と受験番号が印刷されているものが配られました。こんなの初めてです(^_^;) 9:30から法令試験が始まり、60分で20問を解きますが30分経過すると途中退出が認められ、手を挙げると試験官が解答用紙を回収しにきて、試験場から退出することが出来ます。いろいろ手間取りはしましたが、20分ほどで見直しを終わり、1番で手を挙げて悠々退出です。まあ6割出来れば合格なので落ちることはないでしょう。保安管理技術の試験が11時スタートなので、やることがなく結局試験時間60分が終了して再度試験会場に入室出来るのをぼーっと待っていたようなものでした。法令試験が終了して2冷科目免除者は退出し、少しだけ圧迫感が減りました。
11:00から保安管理技術の試験がスタートしました。15問の試験を90分で行いますが、この試験には計算尺もしくは電卓の持ち込みが可能です。さすがに計算尺を持ち込む受験者は見あたりませんでしたが、3冷問題には電卓の世話になるような複雑な熱量計算は出ませんでした。しかし、正解もしくは不正解の選択肢の組合せを答えるという問題形式には最後まで苦しめられ、けっこう使った参考書、問題集には触れられなかった種類の冷媒の性質なんて、見当もつかない問題も多数ありましたので、けっこうヤバイこともあるかもしれない、なんて思いながら退出可能時間になったら荷物を持ってさっさと会場を後にしました。
翌日には高圧ガス保安協会のウエブ上に試験の解答が発表され、それによると法令が15/20で75点相当、保安管理技術が10/15の67点相当でどうやら合格水準に到達したようです。特に保安管理技術は1アマの試験だったらアウトでしたけどね(^_^;)
約2ヶ月後の翌年1月11日に高圧ガス保安協会のウエブ上で合格者の受験番号が発表になり、正式に自分の番号を確認。程なく合格通知が郵送されてきました。北海道での3冷免状は高圧ガス保安協会の本部が申請受理、発行の代行をします。合格通知が免状申請書にもなっていて、危険物取扱免状と同じ2,800円の北海道証紙と写真を貼り、本部に免状申請をすると1月20日付で免状が交付され、郵送されてきました。
まあ、現在では3冷といえどもあまり保安責任者として専任しなければいけない現場は少なくなったと思いますが、未だにビル管理必須資格の一つとして出来れば2級ボイラー、危険物乙四、2種電工と一緒に取っておくと後で思わぬ時に役立つ資格かもしれません。私的には家庭用エアコンの冷媒充填作業が自分で出来そうだという自信がついたことでしょうか?(笑)
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