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October 06, 2005

Cタイプ乗務員無線機

 何気なく今まで放りだしておいた国鉄時代のDD51転換教育用教科書を読んでいたら乗務員用無線電話装置の記述が出てきました。蒸気機関車時代には非常時に駅などと連絡を取るためには線路上に500mおきに設置されている電話の端子に携帯用の電話を繋いで、ハンドルをグルグル回して最寄りの駅を呼ぶという有線電話機が使用されていましたが、40年代後半に線路上をマイクロウエーブ回線で結びピンポイントで列車を呼び出す、列車から輸送指令を呼び出すことが可能なような無線システムが幹線を中心に整備されたようで、蒸気機関車乗務員からの転換訓練の多かったディーゼル機関車課程においては、始めて無線電話装置の取扱教育の必要があったのでしょう。この当時は警察官のようにすべての乗務員に特殊無線技士の資格を取らせたのでしょうか?今では資格持ちの主任無線従事者が1名いれば乗務員無線機は無資格者も操作することが可能ですが、包括免許というわけではなく全て「第○○無線装置」として申請許可を受けていて、その証拠にしっかり総務省の「無線局免許証票」が一台一台に貼られているようです。この乗務員無線機の使用は(1)機関士、車掌間の運転上の連絡用 (2)機関士、または車掌からの駅に対する緊急連絡用 (3)本務機関車、補助機関車の機関士相互間の連絡、打合せ (4)運転事故発生時の関係者相互間の連絡 (5)入換作業における合図、連絡、打合せ (6)その他特に必要と認められる事項の連絡、打合せ ということになっているようで、無線機自体は400MHz帯を主に使用する単信式、割当周波数は、F1からF11まで11波。出力約1Wのトランシーバです。業務用によくあるように音声のボリュームのつまみがありません。常に200mWの音声出力が出っぱなしですが、これはボリュームを絞りっぱなしにして重要な呼出しを聞き逃すことがないようなための処置です。又、機関車のキャブ内とかの騒音下で使用する場合には、トランペットスピーカを接続するようになっているそうで。鉄道用無線機としての特徴としてハンドマイクに断続ボタンと赤色の警報ボタンがPTTの他に装備されており、断続ボタンを押すと合図の継続を表示する断続音が0.5秒間隔で1,000Hzの周波数で送信されこれが呼出し信号になり、警報ボタンは緊急事態などの発生を知らせるときに押すボタンで、2,000Hzの周波数を持つ信号音が送信されるがこの緊急警報音は無線機が呼出し信号受信中でも常に受信できる構造となっていて、常に緊急事態優先になっているとのこと。この無線機は出力1Wで、通常交信可能距離は約2Kmであるために、遠距離と交信することはもちろん出来なく、そのため同一周波数の無線機があっても見通し距離外であれば混信する可能性は少ないでしょう。列車指令で特定列車乗務員を呼び出す場合には、「蠅たたき」に換わって線路上の設置されたマイクロウエーブ回線等で結ばれたレピーター設備等を使って、ピンポイントに近い範囲で特定列車乗務員を呼び出すことが可能なようです。近年は車両に無線機が設置されている場合が多く、この携帯用乗務員無線機を使用しているのは入換以外では客車列車(主に夜行寝台列車)くらいしか見あたらず、寂しい感じですが、わがシャックでも受信機を下りの周波数に合わせておくと上野行き北斗星の車掌さんが青ガマDD51の運転士に発車合図を送っているのが聞こえてきます。昔、津軽海峡線に快速「海峡」が走っていた頃は車掌が必ず肩からこの無線機を吊り下げていて、なかなか格好良かったんですけどねぇ(^_^;) さらに客車列車がほぼ消滅し「ハイケンスのセレナーデ」が聞けなくなったのは実に寂しい事で。この曲、戦時中のラジオ放送「前線に送る夕べ」のテーマ曲で、年輩の人には懐かしいあのオルゴールチャイムも、今や24系25型客車ブルトレの出発駅からの放送だけでしょうか?そういえば、半年くらいまえに不祥事続きでニュースの取材をうけたJR北海道の輸送司令室。マイクの生えた制御卓のうえに路線と何か番号のような物と表示ランプがついた地図の表示板があり、どうやらその路線上を示すボタンを押してその付近の列車を特定のレピーターで呼び出すというそういうシステムになっているようですね。ぜひ一度見学させてもらいたいようなものですが(笑)
 さて、この乗務員無線機は資格的には最低第3級陸上特殊無線技士の通信操作範囲内ですが、マイクロウエーブ中継回線を含むシステム全般の通信操作及び技術的操作の一部は第1級陸上特殊無線技士以上の多重無線設備資格が必要です。しかし、主任無線従事者として専任された有資格者の監督の下で無資格者の通信操作が認められます。主任無線従事者制度なんて、乙種危険物取扱者の監督下での危険物無資格者取扱みたいなもので、もはや無線従事者資格なんていうのはこの程度の「取得してもその難易度に見合わない需要のない資格」になり果ててしまったんですね。だからわたくしもアマチュア以外の無線資格は「使いようのないただの身分証明書」なんですが。そんなお札を6枚も持っています(^_^;)

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