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November 05, 2005

HEMMI No.257 化学工業用計算尺

 急に朝晩はマイナス近くにも気温が低下するようになったからか、どこからとも無くネズミが天井裏に入り込んでうるさいためにネズミの駆除剤を使うことにしました。伊豆の高校生じゃありませんが、硫酸・硝酸・酢酸タリウムは当然の事ながら人間用ではなく主にネズミの駆除に使用されますが、通常の0.3%黒色着色トウガラシ着味の含有製剤は主に野ネズミに使用される「劇物除外薬物」で、この程度の製剤だと一口食われただけだと駆除しそこなう率が高いので(それでも生殖能力を破壊するといわれていますが)家庭用の殺鼠剤はいまでは「ワルファリン製剤」といわれるものを使用します。これ、毒物にも劇物にも出てこなかったので、なにかと思ったら本来は血栓を防ぐために使用するれっきとした医薬品で、1回食ったらたちどころにコロリという即効性はありませんが、ネズミが数日食べるうちに体内に蓄積し、まず視床下部や網膜に内出血を起こさせるためにネズミの視界が急にブラックアウトし、本能的にネズミが天井裏から明るいところに逃げ出し、更には腹腔内に内出血をおこして出血多量で死に至るというまことに「医薬品は諸刃の剣」の典型のような薬剤のようです。これ、4日間食わせ続けてもまだ食べていたので、もう一箱買って5日目まで食わせたら6日目にとたんに静かになりました(^_^;)
 しかし、伊豆の高校生も成績優秀な進学校に通っていたくらいですから、化学と薬物に興味があるのだったらネガティブな毒物愛好家にならないで、薬剤師への道もしくは誰でも試験が受けられる一般毒物劇物取扱者くらいになるつもりな「ボジティブな毒屋」の道を歩めばよかったのですが。ちなみに薬剤師は「医薬用毒劇物」も「医薬用外毒劇物」も両方扱えますが、一般毒物劇物取扱者が扱えるのは「医薬用外毒劇物」に限ります。さらに農薬等の分野に限定される農業用品目毒劇物取扱者とごく限定された工業用分野の特定品目毒劇物取扱者の資格の3つに別れています。
 閑話休題、さて、化学屋としての一番下の試験資格持ち(一般毒物劇物取扱者:工業高校工業化学科程度)のわたくしとしましては、計算尺でどうしても No.257系化学工業用計算尺というものがコレクションとしてではなく実用品として欲しかったのですが、無線工学屋としての No.266同様にこういう一般的ではない計算尺はなかなか手にする機会はありませんでした。ところが、Lが付かない古い No.257 ですが、説明書付きで No.266 を入手したときと大体同じ金額で入手できました。化学屋の端くれとしてたいへんに喜んでおります(笑)
 このNo.257 化学用計算尺はかなり煤けていまして、バラバラにして酸化珪素系研磨剤でも粒の割と大きめのものが入った研磨剤で磨くと見違えるようにきれいになりました。刻印が下方の固定尺の底面にうっすらと打たれているもんだと思って捜しましたが見あたりませんでしたが、灯台もと暗しで翌日に見ると表面のSUN HEMMI JAPANの隣にはっきりとGDの刻印がありました。GDというと昭和31年4月ですか? 当方が生まれる以前の計算尺で当年とって49歳、来年でちょうど50歳になるようです。このNo.257は40年代の No.257Lに比べるとK尺が表に有るか無いかが見かけ上の違いです。キュービックはあってもなくてもあんまりこだわりませんが、あったほうが普段使いとしては便利なことは確かなんですけどね。表面の尺配置はDF尺CF尺CIF尺を備えた近代的なπ切断系尺で、L尺も表面にありますから普段使うのにも十分使えますし、はったりが効くと思われます。A尺B尺の No.266 よりは普段使いには便利なのですが、ただし化学の計算には使用しない三角関数系がばっさり省略されてますから、その点が一般技術系計算尺と一線を画してます。40年代初期のNo.257と比べてみても単位の刻印の書体なんかが違っていました。まあこういうバリエーションを全て集めたいのが計算尺ヲタなんでしょうが、わたくしはコレクターじゃないので257系はこれでお終いにしますが(笑)
 裏面の最大の特徴である原子量、分子量の換算尺Ch尺ですが、任意の元素記号、化学式にカーソルを合わせて表のD尺でその値を見るというもの。しかし、卑しくも化学屋だったら主要物質の分子量なんかデフォルトで頭の中に入ってますよね?特に有機化学屋さんはベンゼン環の分子量がいくつで、それに分子量いくつの「何とか基」がくっついたらトータルで分子量がいくつになるかなんて(笑)温度換算もいまではあまりやりませんが、特に圧力換算は国際単位化してどこでもパスカルを使いますから今ではムダな尺配置かな。モル濃度と重量濃度換算なんかにはまだつかっていませんが、とりあえず実用に使えるのはこれだけでしょうか?無線工学用計算尺 NO.266 に比べると「今でもあったほうがかなり便利」というまではいきませんでした。 
 ところでこの計算尺のカーソルは古いタイプな為か、カーソルバネが後のタイプのように山の頂点一点で尺と接するのではなくて山の頂点がカーソルにリベット止めされ、山すその2点で尺に接するようになっています。そのために長い間使うと尺との接点に溝が掘れそうなのと、尺とのセンターを出す調整がなかなか困難でした。手にはいるのだったら後の世代のカーソルに変えた方がいいかもしれませんね。
 hemmi257
HEMMMI No.257化学用の表面拡大画像はこちら
HEMMMI No.257化学用の裏面拡大画像はこちら

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