FRSとGMRSの電波監視
新聞報道によると北海道総合通信局は12月、国内で使用が禁止されているアメリカ国内用小型ハンディトランシーバ、FRS(FAMILY RADIO SERVIVE)とGMRS(GENERAL MOBILE RADIO SERVICE)の電波監視に着手し、29日までに札幌など道内3都市で合計51台の使用を確認、電波法に基づき使用中止を指導したようです。
このトランシーバはそれぞれ出力が0.5Wから5Wとアマチュア無線機並の出力があり、日本で許可されている特定小電力無線機の50倍以上で、さらに日本では許可されていない周波数帯を使用するために、中継放送用電波に混信を与え、テレビ中継の現場付近で使用すると、交信中の音声が放送に紛れ込む可能性も高く、また防災無線でも同様に混信の恐れがあるために、災害発生時に混乱を招きかねないという指摘もあるようです。
北海総合通信局では12月から電波監視に着手し、札幌・深川・北広島で使用例を特定し、工事現場の作業員やホテルの清掃担当者、タクシー運転手などが使用していたとのことですが、インターネットで普通に売られていたために、違法な無線機とは知らずに使用していたとのこと。いずれも一度は合法な特定小電力無線機を使用していたが、会話が頻繁に途切れたりして使い勝手が良くないために、特定小電力無線機よりもはるかに安くて電波の飛ぶ米国製トランシーバをインターネットで購入して使用していたとのことでした。
この手のトランシーバはネットで大量に売られていて、そのどれもが「日本国内では電波法によって使用できない」とはうたわずに、電波の最大到達距離が大きいことを売り物に2台で1万円を切る値段が付いています。中には腕時計型のFRSなんかもあって、使う方の購買意欲をそそるような商品構成です(笑)北海道総合通信局では道内に1,000台以上出回っていると推計しているようですが、レジャー用・業務用としてもっと出回っているのではないでしょうか?
一時期スキーヤーがアマチュアのハンディ機を持ってスキー場にいくのが流行した時期があったようですが、今は手軽で値段の安いFRSとかGMRSにシフトして、ずいぶんと仲間内の連絡用として数が出回っているのではないでしょうか?
どっちにしろアマチュア無線の従事者免許を持っていて、一応電波法の最低限の知識がある人はこんなものに手を出すことはないでしょうが、違法市民ラジオ(CB)同様に使う方だけ罰せずに、売る側にも罰則を設けて日本国内から駆逐してもらいたいものです。
道内にはすでに27箇所に電波監視施設があり、24時間体制でFRSとGMRSの電波監視をしているそうですから、これからも使用中止の指導件数が増えることでしょう。場合によってはスキー場での電波検問もありでしょうか?(^_^;) なお、北海道総合通信局では使用中止の指導に従わずに使用を続けていたことが判明した場合には電波法違反「総務大臣の許可なく無線局を開局した…」として北海道警察と合同で摘発することもありうると警告しています。電波法違反で無許可開局の罪に問われると「懲役1年以下、罰金100万円以下」の罰則を科せられますが、飲酒運転で事故を起こし道交法違反に問われるよりも遙かに重い刑罰です。
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Comments
こんにちは、新スプリアス対応の件
固定:3台 JARD保証で新スプリアス対応となりました。
移動:計20台のうち、第1~第9送信機はH34.11迄の使用と決め、第10~第20送信機は新スプリアス対応となりました。つまり11台が新スプリアス対応済みとなったわけで安心しています。
FRSとGMRSの件
大抵中華製か他の国でしか使えない無線機が出回っているのは残念に思います。
販売は良くて、購入者が使うと電波法違反になるケースは矛盾していると思いますね。
私は「UV3R-MⅡ」をスプリアス改善の改造と、アマバンド以外は電波が出せない改造をした上で,TSS認証+総務省認定がされ、新スプリアス対応機種として登録されています。堂々と運用出来ます。
HF:-50dbm以内、VU:-60dbm以内と厳しいですが順法精神に基つきアマ無線を楽しんでいます。
最後にTS-520SとTS-520Dはどこが違うのか不明ですが、TS-520Dは撤去予定です。
では
Posted by: JG1OZH 坂本 | August 23, 2018 11:24 AM
やはり値段が安い方が始めやすいから総務省が違法電波としているFRSとGMRSが、使われてしまうのでしょう。電波法違反になって罰金とか嫌ですし日本の正規である技適とFCC.CEに対応した特定小電力やアマチュア無線の安い機種を売って頂けたらありがたいなーと思う今日この頃です。
Posted by: 名無しの電波さん | May 08, 2018 03:18 PM