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February 03, 2006

ふたを開けたらHEMMI No.260だった

 節分に鬼が来たのではなくて、高級機械技術用計算尺のヘンミNo.260がやって来ました。別にそれが目的でどうしても手に入れたかったわけではありません。本当は品物が届くまでNo.259Dのつもりでいたのですが、品物の写真が表の方しか提示されていなく、それも恐ろしく不鮮明だったために、おそらく当方だけではなくて殆どの人が259Dだと思って気にも留めていなかったと思います。ところが届いてみてびっくり、何と裏面カーソルに補助線があり、ピタゴリアン尺まで備えた「高級機械技術用」のNo.260そのものだったのですから、品物を受け取った本人が思いもかけない誤算に驚いてしまったのです(^_^;) 
 そりゃ基本的には259DにP尺が追加され、裏の一部が3本カーソルになっているくらいの違いですから、表の不鮮明な写真を見せられて誰がNo.260だってわかりますか(笑)最初から品番でNo.260をうたっていれば、いかに説明書のないNo.260だって、それ相応の値段が付きますが、出品されている方にとっては古い計算尺などどれも同じでしょうから、こういう出され方をすると思わず出物に遭遇するという典型的な例でした。まあ、不鮮明な写真だけでとんでもない掘り出し物だと判断して落札すると「外れ」を引くリスクが付き物ですが、こういう出物に遭遇したのは半年前の350円で購入したNo.74以来です。
 かなり後になってからのNo.260は表の滑尺が固定金具で隠れるところにSUN HEMMIとNo.260の刻印が入り、辛うじて太陽のマークが顔を出しているのでNo.260と推定する事もできるのですが、今回入手したNo.260に至っては表にも裏にもブランド名と型番が無く、下固定尺側面に刻印されていました。このNo.260はリコーの計算尺を意識したのかNo.259DにP尺を追加し尺数が25尺になりました。よく調べていないので断言は出来ませんが、HEMMIの両面計算尺の中では一番尺数が多いのではないでしょうか?そのために表も裏も上下の余白がないほど尺がびっちりと刻み込まれており、表の右上にモデルネームとブランド名が刻印出来ないほどです。同じHEMMIのNo.250と比べてみると尺密度がまるで違います。追加されたP尺はこのNo.260の他にNo.P261にも付いているようで、何でもS尺の角度θに対応してCOSを高精度で読みとるとやら何とやら。電気数学の三角関数はそんな高精度を必要としないので、当方にはP尺は必要ないかも(笑)だったら259Dで済むはずなんですが、やっぱり補助線付きカーソルのNo.260は前から欲しいと思っていました(^_^;) 実はヘンミの在庫品として数年前まではNo.266と同様にHEMMIから取り寄せる事が出来たようで、その際のNo.260はYA刻印の49年1月製造分。プラケースが尽きたために両面計算尺の汎用ケースとして黒いビニールのケースに説明書はコピーのもので届いたらしいです。まあ、20世紀から21世紀をまたぐころまでNo.260が出荷できたとは想像もしませんでしたが、もちろん現在は在庫なし。カーソル枠が切れる不良がけっこうあったために、カーソル無しの本体だったらいろんなものがまだヘンミの倉庫に転がっているかもしれませんが、もう整理されてしまったかな?
 今回入手したNo.260の出所は茨城県でした。製造年コードは「RA」でしたから42年1月の製造です。使われなくなって相当長い間、離れの物置小屋か土蔵にしまい込まれていたようで、埃だらけの「ウブ出し」状態でしたが、こいつは埃を落としただけで十分きれいになると確信し、カーソルや固定尺のネジを外してバラバラにし、カーソルガラスはレンズクリーナー、セルロイド表面はパソコンクリーナーで磨いてやるだけで見違えるようになりました。殆ど使われていない証拠にカーソルバネの当たる部分には擦り傷もなく、カーソルグラスにも擦り傷一つありませんでした。滑尺で横に擦り傷が入ってしまったカーソルは、No.260の場合は補助線入りの専用品のために入手が難しくて困りものですし。そういえば、表のカーソルグラスも裏のカーソルグラスもカーソル線がガラスのど真ん中ではなく、少々右にオフセットされて刻まれているようで、取り付ける際は表と裏のみならず左右を区別して取り付けなければいけません。皮ではなく茶色いビニールのケースが付属していましたが、そろそろ材料の経年変化でカチカチになりかけていて、実用にはなりそうもありませんから新しい箱でも作ってやりましょう。蓋の部分までミシンで縫ってくれればいいのに、ご多分に漏れず茶皮モドキのビニールがぺろりと剥がれていましたので、ゴム系の透明な接着剤を両面に塗り、乾いたところで良く圧着して張り付けました。柔軟性のあるゴム系接着剤を使うのが良いようで、固く硬化するやつは蓋が曲がらなくなりますぞ(^_^;)そういえば計算尺用貼箱の第2段として、こないだリコーの両面計算尺用に以前よりも4ミリ厚い木型を作ってリコー両面借用の貼箱を作ってしまいました。
 しかし、No.260を入手する事になるとは想像もしていなかったためにP尺の使い方が詳しくはわからず、これから少し調べてみなければ。余計な仕事が1つ増えました(笑)
hemmi260
 #259Dと区別が付くように裏面です(笑)
HEMMI No.260高級技術用の表面拡大画像はこちら
HEMMI No.260高級技術用の裏面拡大画像はこちら

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Comments

 √10切断ではなくてπ切断ずらし系であることは写真でわかりました。
だからNo.254WNでもπ切断系尺だったら、それはそれで良かったのですが、
やっぱりNo.260のほうがうれしい。

 しかし、こういう写真の不鮮明な計算尺は型番を問い合わせるのを止めません?(笑)
こないだの小汚いNo.251なんかよく見ればわかるのに、3人も同じQを出しているし。

 それに届いてみたらとんでもないものだったという楽しみが無くなります(^_^;)

Posted by: じぇいかん | February 04, 2006 11:20 AM

じぇいかんさん、こんにちは。
この計算尺はオークションで自分も見ていたのですが、No.260だったとはビックリです。
尺の右に、XやπXといった記述があったので、No.259Dではないとは思っていたのですが、金具下の型番もなかったので、高校生用のNo.254WNだろうと思っていました。

Posted by: cyno_y | February 03, 2006 06:46 PM

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