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April 23, 2006

総務省のパンフレット

 土曜日にQSLカードを近所のハム屋に持って行くと、総務省が発行した「ご注意ください!!FRS・GMRSを日本国内で使用すると電波法違反になります」というタイトルのパンフレットが置かれていたので、一部もらってきました。ここにも過去2度に渡って取り上げましたが、アメリカ国内用として中国本土で作られているこれらの無線機は、アマチュア無線並の高出力で更に日本では業務用に割り当てられている周波数を使用する無線機であるため、従事者免許の有無に係わらず日本では使用することを許されない無線機です。更にハンディ機という特性ゆえに、アンテナが付いた状態で所持していることは、たとえ受信専用だと釈明しても「ただちに電波を発射しうる状態」と解釈され、電波法第4条に違反する「不法開局」の罪に問われることになります。ではなぜこんな物が世の中に出回るかというと、いつの時代でも「免許が不要で電波が遠くまで届く無線機」の需要が常にあるからという理由のようです。ところが免許が不要である事と電波が遠くまで飛ぶということは相反する条件で、今の日本で入手可能な免許不要の無線機というと「特定小電力無線機」という出力10mWのハンディトランシーバしかありません。特定小電力無線機は混信対策上「ラジオマイク」(コンサート用ワイヤレスマイク)と同等の出力しかなく、連続送話3分という制限がありますので、「遠くまで飛ばない・頻繁に会話が途切れる」ことを好ましく思わない需要層を狙って中国のOEM元から業者が持ち込んだのがこのFRSおよびGMRSでした。当初は電波法を認識せずにこのような違法機をディスカウント店を中心に流していたのでしょうが、その後各地の総合通信局から販売店に警告が入り、おそらく現在ではFRS・GMRSを平気で店頭に陳列して販売しているところは「少ない」と思われますがどうなんでしょうか?無線機は販売するに当たって「免許が必要」であることの説明が義務とされているはずですが、その必要がないインターネットで大量に販売されるようになりました。なにせ2台セットで特定小電力無線機よりも圧倒的に安価で電波の飛びも比較になりません。FRSで特定小電力無線機の50倍の出力、GMRSで実に500倍の出力を持つものもあります。そのために「使用することによって電波法違反の罪に問われる」事を隠蔽していまだにネット上で大量に取引されているために、本人が知らないうちに犯罪者にされている例が留まるところを知りません。違法市民ラジオ、いわゆるトラックの違法CBやアマチュア無線機を免許無しで使用することを「犯罪」と認識しないで使用している人は皆無だとい思いますが、このFRS・GMRSは使用している人の殆どが違法という認識がなく使用している事が問題です。近所のハムショップにもFRSを持ってきて「これの予備のバッテリをくれ」と月に何人かがやって来るそうです。総務省では「日本国内で使用した場合は、本人の意識の有無に係わらず電波法違反となり、処罰の対象になります」とはっきり明示しております。
 最近ネットオークションでもやっとオークションストアにおいて「FRS・GMRS」が○禁ワード入りしたのか、このワードでの検索に引っかかるタイトルが少なくなりましたが、「米国製無線機」や「○トローラ、○ッドランド製トランシーバ」として相変わらずネット上に大量掲載されている事実には変わりありません。また売る方は説明の片隅に「電波法を守って使用してください」「お使いになる地域の電波法規に従って使用してください」「法規など各自お調べの上、落札下さい」などの言葉が一般の人間には目立たないように書かれており、これを持って「販売する側の責任を回避」しているようですが、明らかに国内で使用することの違法性を認識しながら国内に大量に流通させることは、使用する側にまったく違法性を認識させないということで、昔の違法CBよりも販売手口が悪質だと言わざるを得ません。「大勢が使うことにより、大量の犯罪者を出すことの社会的な問題からこれらのトランシーバが黙認される可能性」はまったくの「No Way」です。
Frs


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