オフサイズのRICOH No.151
殆ど2ヶ月ぶりの計算尺ネタになると思いますが、その間のオクの状況としては出品された数は少ないもののかなり珍しいといえるものが出品されておりました。最近あまり数の出ていなかったHEMMI No.256の通信工学用計算尺は連鎖反応のように連続して何本も出てきましたし、電界強度計算用特殊計算尺や20インチの両面計算尺など数万円から10万に近い落札金額のものも出てきましたが、もちろん当方が手の出るようなものではありません。でもNo.256はけっこう欲しかったんですが、昨年顔を見せなかった新手の計算尺コレクターが何人も現れて良いものがさらわれて行くような状況になってしまいました。中でも学生用計算尺の類を片っ端から集めている人がいて、これだったらけっこうコンプリートコレクションが可能かもしれなく、目の付け所が○○○○です(笑)
ということで、珍しいものがあればあるなりにオクには当方の出番はなく、また最近は型番が載っていなければ入札する気はなくとも「型番は何ですか?」とQをつけたがるA4がいて、「誰も気づいていないじゃん、うっしっし」という掘り出し物にはとんとぶつからないために当方の落札率もとみに低下して2ヶ月間落札件数ゼロという状況です。更に最近、あの超人気薄HEMMI No.250を未開封新品とはいえ25k円も出して争い合うご新規さんが約2名も彗星の如く現れて計算尺オクの世界を驚愕に陥れているようです(^_^;) 計算尺の大人買いなんて、お子ちゃまの小遣い程度の入札しかできない当方の出る幕は、もはや無いかもしれません(T_T)
リコーの計算尺は概してあまり人気がないようですが、ヘンミの計算尺に対して何とか差別化しようとしてあがいている姿勢が見受けられ、面白いと思うのですけどねぇ(笑)No.151は珍しいP尺を備えている計算尺として、以前から欲しかった計算尺でしたが、やはり数が少ないためかその機会が今まで訪れませんでした。ちょうど1年前に1本出品されたきりだったと思います。ヘンミでいうとNo.260辺りに当たるようです。もっともNo.260のように副カーソル線は備えていませんが、尺配置はNo.260と殆ど同じP尺を備えた25尺です。機械技術用としてリコーとしては珍しくπ切断ずらし系計算尺ですが、表にも裏にも赤い延長尺が備えられていて、そこがNo.260との違いを「強調」しています(^_^;) RICOHの計算尺は尺の数が1本2本多い少ないという些細な差で別の品番の計算尺になっていることが多いようですが、No.1053にP尺が加わればNo.151と思ってくれればいいと思いますが、品番からするとどうやらNO.151のほうが先発のようです。滋賀のKIMさんのコレクションは赤/ベージュの貼箱に入ったリレーでも使われていた「カーソルを滑らす為に生じる擦り傷には無防備な」幅広タイプのカーソル付きのNo.151でしたが、今回入手のものは昭和45年以降の最終型の小型カーソル付きで、さらに青白のブローケースに入った物です。実はこのRICOH No.151は、延長尺がある分だけその分のスペースを稼がなくてはならず、他のRICOHやHEMMIの10インチ両面計算尺より3センチほど長いオフサイズの計算尺なのです。そのために10インチ両面計算尺なのにもかかわらず、実寸法35.5センチほどもあり、対するHEMMIのNo.260が32センチ、RICOHのNo.1053が32.5センチというところでしょうか。幅はNo.260よりも幅広なNo.1053と同寸の4.6センチです。そのために青白ポリエチレンケースからしてNo.1051SやNo.1053よりも青い蓋の部分を長くしてオフサイズに対応した別注品です。LOGLOGフル装備で、π切断系ずらしであり、さらにP尺も備えているこのRICOH No.151は、機械技術用として考えたらこれ以上のものは無いと思うのですが、いかが? しかし、寸法を長くしてまで延長尺を備えている必要性があたくしにはわからん(^_^;)
自動延長が無かった為にしばらくぶりで入手に成功した今回のシロモノであるこのRICOH No.151は宮城のカメラ屋さんから入手した両面タイプの計算尺です。昔のカメラ屋さんはリコーのオートハーフなどのカメラも扱っていた関係で、リコーの腕時計とか計算尺も押しつけられたんでしょうか?その辺りの経緯は聞いてはおりませんが、開封はしてあるものの中身は未使用で、説明書と外箱は欠品でしたが他のリコー計算尺同様にビニールの中に換算表とさらに保証書まで入っていました。当然現在では無効なんでしょうが。HEMMI同様の小型の四角いカーソルが付いていましたので、大体昭和45年以降の製品であることがわかりましたが、刻印は「US-7L」でした。USといってもU.S.GOVERNMENT PROPERTYではありません(笑)昭和47年7月の佐賀工場製という意味でしょう。末尾のLはもしかしたら最終生産品であるLAST ISSUEを表すのかもしれません。No.1051や1053などは後からのロットはグリーンCIFに変わっていましたが、このNo.151は黒目盛りで赤数字という初期のロットと変わらない外観です。HEMMIの両面計算尺は計算尺末期のごく一部の品物にしかグリーンCIFはありませんでしたが、RICOHの計算尺にしてはちょっと色合い的に寂しい感じがします。しかし、品物が届き、No.1053と並べてみると、幅は同じながら長さが長いのが際だちます。何か使うのがもったいないので、セルロイドの酢酸臭が残るうちにビニールに戻してしまい込んでおこう(笑)ところでKIMさんのコレクションのNO.151は裏側に納まりきらなかったT2尺が表の滑尺に刻まれ、さらに裏にはBI尺も備えられていますが、今回入手したNo.151はT2尺とB1尺がありません、さらにL尺の配置も異なり、まったくの別物のようです。そういえばKIMさんのコレクションは品番の前にODが付いていますし、何でNo.151に目盛の異なる2種類が存在したのでしょう? 逆にatomさんのコレクション中のNo.151と今回入手のものは、カーソルは異なりますが同じ尺配置で尺の種類としてもHEMMI No.260と同じ。うーむ、また訳がわからなくなってきた(^_^;)
上がNo.151で下がNo.1053、両端を揃えた方が長さの違いが良くわかったかも(笑)
RICOH No.151の表面拡大画像はこちら
RICOH No.151の裏面拡大画像はこちら
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Comments
最近オクではなかなか落札できず、今年に入って落札して物は、No.151を含め、出品タイトルに計算尺と記載されていなくて、気付かれにくかった物ばかりです。
KIMさんの所のNo.151の前についているODは、OrDer=注文品の意味ではないかと、勝手に思っています。
東洋特専興業製ではないか、というのはそれです。断定はできないのですが、可能性は高いと思います。これで竹枠カーソルが付いていれば、文句無く買いだったのですが。
Posted by: cyno_y | May 13, 2006 05:53 AM
Cyno_y さん、お久しぶりです
最近、他にNo.151が出ていたとは気が付きませんでした。
でもやはりKIMさんところの「OD 151」のようにBI尺付きで
表の滑尺にT2尺が追い出されたタイプじゃなくて当方と同じ
151のようですね。
東洋特専興業のというと、あのカーソル欠品の3本組出品
のものでしょうか? 戦前の品物の様に見えて何となく気には
なっていました(笑)
Posted by: じぇいかん | May 12, 2006 08:30 AM
お久しぶりです。
自分も先月、RICOH No.151を入手して、BLOGに記事を書いたばかりでしたので、トラックバックさせていただきました。
ところで、現在ヤフオクに Relay/RICOHの前身の、東洋特専興業製と思われる5インチ尺が出ていますが、気付いていらっしゃいますか。
状態が良くないため、自分は入札しようか迷っているのですが、なんとなく、じぇいかんさん好みのように見えましたので。
Posted by: cyno_y | May 12, 2006 06:57 AM