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June 07, 2006

珍しいπ切断片面尺RELAY No.112

 このあいだ入手したFUJIのNo.2125Dと言う計算尺のC尺には2πというゲージマークがあって、この2πは電子工学系では1/2π√LCなどという計算に多用しますので、電子工学系ではあったほうが便利なゲージマークなのですが、意外に2πを備えている計算尺は珍しく、さすがにHEMMIの電子工学用 No.266には備えられていますが、他の計算尺はどうでしょう? 少なくとも機械計算用計算尺では省かれていたと思いますが、その辺りの事情もあってこのFUJINo.2125Dが電子科の先生の眼鏡にかなったのかもしれません。もっとも工高生計算尺をしてかなり後まで特納品扱いとして残っていたHEMMIの254シリーズの最末期の物に密かに「2πマーク」付きのものが紛れ込んでいるみたいです。同じ形式の計算尺でも最末期のものには「ない」とは言い切れないので、No.P253あたりを捜してみるのも面白いかも(笑)
 さて、今回入手しましたRELAYの計算尺は、またもや杜の都は仙台から入手した計算尺です。ここ4回の落札のうち3回が偶然にも仙台からということになりました。久々のリレーの計算尺ですが、もちろん後のリコー計器と会社の名前が変わる三愛計器時代の計算尺です。なぜ中古片面計算尺としてはそこそこの値段での落札になったかというと、片面計算尺としては異例のπ切断ずらし尺を備えたものだからに他なりません。π切断系ということだけで、おそらく機械技術用というポジションの計算尺になると思いますが、意外に日本製の片面計算尺としてはπ切断のものは見当たりません。片面計算尺の用途の殆どが、学生の計算尺検定の用途が多く、そのために√10切断の尺なのでしょうし、機械技術用に使うんだったら両面計算尺を買えと言うことなんでしょう。このRELAY No.112は、名機HEMMIの2664Sから遡ったCIF尺のないNo.2640をπ切断にしたものといえばわかりやすいでしょうか? 尺構成は上からA,DF,〔CF,CI,C〕D,Kとなり、普段必要である全ての尺を備えています。L尺を表に持ってきて欲しかったと文句を付けても、No.2664Sにしても裏の滑尺上にあるのですからしようがありませんか?(笑)おそらくこのシリーズはNo.111から連番でNo.116まであるようです。112がπ切断ずらし系尺なのでたぶんNo.113はマンハイム系ABCD尺なんでしょうか。さらにずらし尺のNo.114とABCD尺のNo.115にモデルチェンジしますが、No.114は一般的な√10切断になりました。そしてCIF尺とDI尺まで備えたHEMMI No.2664Sの真の対抗機種No.116に発展しますが、それまでのモデルはCIF尺が無いことで営業的にはHEMMI No.2664Sに比べて苦しかったのではないかと思います。それがあってムリにでも「HEMMIとの差別化」を計って尺種類を1つ増やしたりしたのでしょうか?110番台の片面尺シリーズがNo.116系統を除いてリコーの時代まで存続し続けていたかどうかは、ヘンミのものと比べてあまりにも流通している個体数が少ないので当方には判断が付きません。リレーの時代にすでにNo.114,115にモデルチェンジしてますし、リコーになってすぐにNo.116が出てますから、リコー時代にはこのπ切断のNo.112は新たにRICOHネームで作られていないと思われます。RELAY刻印の在庫のものが、リコーの赤蓋肌色のケースに入れられてカタログに名前を留めていたことは十分に考えられます。
 今年になってからNo.112は2本見たのですが、それにしてもあまり注目株でないことは確かで1本目は1,300円ほど、今回は計算尺オクビギナーが何人か付いてそれより若干高い落札価格でした。まあ、当方にとってはあまり面白みがない落札価格ですが、リコー系計算尺好きの立場としてはπ切断の片面計算尺は欠かせません。
 このNo.112は100番台の2番手として昭和30年代初めに出た計算尺なのでしょう。30年代後半に続々出現してきた片面計算尺と比べるといかにも尺数が寂しい感じがしますが、リッツのNo.105あたりと比べると、後の製品ゆえか、ゲージマークはC,D尺上にNo.2664S同様に一通りのものを備えています。上の固定尺上には25センチのスケールが、下の固定尺の下面には10インチのスケールを備えます。刻印は「J.S-1」ですから、おそらく昭和36年1月佐賀工場製ということになりますか。裏面にはもちろんのこと換算表がはめ込まれていますが、リコー計算尺は末期まで両面計算尺にも別添えで換算表が付属していました。計算尺の表に一部インキの染みが付いていましたが、カルナバ入りのパソコンクリーナで磨き上げるとそこそこの外観になりました。リコーNo.116Dもそうでしたが、30年代のリコー系片面尺のカーソル線の赤塗料の付着力が弱く、レンズクリーナで拭きあげると跡形も無くなってしまったので、赤いクレヨンを溝に擦りつけ、再生しなければいけませんでした。リコー系片面計算尺は気を付けなければいけません。
 リレーとしては一番なじみの深い丹頂の赤い蓋に黒い本体の貼箱に入っていました。その配色はまるで大型の啄木鳥である「クマゲラ」そのものです(笑)後のリコー時代に赤蓋に肌色の本体の「国鉄58系急行色」になります。それじゃその後のブローのポリエチレンケースは「国鉄581系寝台電車色」ですか?(^_^;) リコー計器時代のデザイナーには意外と鉄道マニアがいたのかもしれませんが、妄想はきりがないので止めておきましょう。
Relay112
色が入っているのはCI尺の数字だけというシンプルなデザインです。
RELAY No.112の表面拡大画像はこちら
RELAY No.112の裏面拡大画像はこちら

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