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July 13, 2006

ナショナル ラジオ付懐中電灯

 世の中にはラジオマニアという人たちが沢山いるらしく、その中でもゲテモノラジオといいますか、とにかく変わったラジオを集めるのが趣味の人がけっこういるらしいです。その人達のコレクション対象のラジオとしては、形が面白い物がまず好まれ、カップ麺の蓋やキャラメルの空き箱をせっせと集めて送り、抽選で手に入れたような企業物ラジオや、肝心の性能はのもかくも、とかく形の変わった、ラジオとしてはエキセントリックでかつビザールなものほど人気があるようですが、その中でもカメラとラジオを一緒にしたKOWAのラメラを代表とする複合型のラジオの人気も高い物らしいです。その中でもラジオ付き懐中電灯というと、台風や地震に備えた防災用品の類で、コレクション対象ではないだろうと思われるでしょうが、今回入手したナショナルのラジオ付き懐中電灯はラジオマニアに取って欠かせないコレクションアイテムの一つらしいです。
 今回入手したきっかけは「鉄道用合図灯」とされ、鉄道廃品カテゴリーにあったため、ラジオマニアに検索されず古い懐中電灯程度の価格で入手した物ですが、このFF-50という品番のラジオ付き懐中電灯は、実はナショナルの電池生産開始50周年の記念に作られたもので、逆算すると昭和56年の製品ということになり、それほど古いものではありませんが、実はこの電池生産開始の経緯が興味深いものでした。創業者松下幸之助が二股の電球ソケットを売り出して事業の基盤を作り、次に自転車用の電池式砲弾型ライトを製造して売り出しました。当時の自転車用ライトは油灯式もしくはカーバイドランプのものでしたが、やはり電池が日本中どこでも入手できるものではありません。昭和二年に自転車にも単独で懐中電灯としても使用できる角形懐中電灯を発売し、この時始めてナショナルの商標を始めて使用したのがこの角形懐中電灯「ナショナルランプ」らしいです。オークションなどで当時のナショナルランプを見ることがありますが、筒型の乾電池を使うのではなく、電池も角形で前後に電極のある今では見られないタイプの電池です。実は松下幸之助は自前の乾電池工場を持っておらず、この辺りの経緯は松下電器の歴史館HPの記述によると「昭和5年には月産10万個の大台に達したナショナルランプ用の電池の仕入れも東京の岡田電気商会(OKADA乾電池、戦後東芝に吸収され東芝乾電池を生産する)のみでは間に合わなくなり、大阪の有力な電池ランプメーカーで競争相手でもあった小森乾電池を松下の専属工場にして電池の増産を続けたが、昭和5年のうちにナショナルランプの生産が10万個から30万個に伸び、電池の需要も月に50万個から100万個に急増した。このため、ナショナルランプは段階的に半額まで価格が下げられ、電池も2/3の価格に下げられたが、「ここまで実用化したランプや乾電池を、さらに一歩進めてより経済的にし、家庭必需品として全国津々浦々のいかなる家庭にも洩れなく常備されるように徹底したいと思う。ぜひとも値下げに賛成していただきたい」という松下幸之助の申し出を、岡田電気商会とは快諾したが、小森乾電池は「これ以上値段を下げるのは難しい」と松下へ工場の譲渡を申し出た。松下は岡田電気商会の賛同を得て昭和6年9月に小森乾電池を譲り受け、乾電池生産に乗り出した」とある昭和6年9月が、松下の乾電池生産元年にあたるようです。
 このFF-50はラジオマニアである知り合いのハム屋の社長が電気工事店をやっている地元2文字OMから1台箱付き未使用で譲渡されたのを持っており、このOMはこれを娘の結婚式の引き出物にしたのだとか(^_^;) 入手したものは箱無し説明書ナシの傷多数ですが、ハム屋社長の物は未使用完品で、箱にはしっかり「ナショナル乾電池生産50周年記念品」と印刷されてます。さらにイヤホンが箱にそのまま入っていました。木製のハンドルが着いていて量産には適さないような製品ですが、「記念品」用途で販売店関係に配られたものだけだったのでしょうか?もっとも2文字OMは結婚式の引き出物として数十個の単位で配っているはずなので、市販されなかった訳でもなさそうですが、少なくとも店頭に並んだ品物かどうかはわかりません。ラジオ付きということで昭和2年発売のナショナルランプとは2まわり以上も大きなシロモノですが、説明書によると「当時のナショナルランプをイメージして作られた」そうなんですが。そのためNATIONALの商号が当時の書体で金色に印刷されて入っていました。さらにほぼ同じ筐体を使用してラジオの無いバージョンのFF-50Bとかいうただの懐中電灯もあるらしいのですが、こちらは見たことがありません。こちらのほうは単一乾電池が+1本の4本仕様で、見かけはレトロでもけっこう強力なフラッシュライトらしいです。
 このFF-50はプラスチックボディにメッキというオールプラスチック製品なのですが、電池を入れっぱなしにするとその圧力でボディを押し広げ気味になるらしく、ボディの肉厚も薄いので、置いておくのだったらフラッシュライト部分の電池は外して置いた方がよさそうです。電池を入れてラジオのスイッチを入れてみましたが、感度も選択度もバカにした物ではなく、おまけのラジオ機能にしてはスピーカの大きさと相まって音質も悪くないものでした。ラジオの中身は4石トランジスタの「学生用組立ラジオキット」そのものですが(笑)

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