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August 10, 2006

3台目のHK-808

 ハイモンドのHK-808という電鍵は接点が細くてタッチが固いのなんのと言われますが、現行電鍵ではタッチの柔らかめな太い銀接点の電鍵が手に入りませんからしかたがありません。でもバネを固めに調整して反動式で高速打鍵するには向いているのではないかと思っています。また、防衛庁納入品がHK-808で、国内電信級特殊無線技士の受験に来ていた男女の自衛官はみなこのHK-808持参でした。国内電信級受験というと、電信術修得者としてどのレベルの隊員なのかはわかりませんが、右手の甲ににサロンパスを張って、腱鞘炎になりかけたような受験者が何人かいましたから、それほどまともなキーイングを習得出来ていたとは思えません。
 定価で現在は2万5千円近くするような縦振れの電鍵ですが、当貧乏電波研究所の備品も最初からこのHK-808だったのです。しかも、現行で使用しているのは2代目です。というのもHK-808のアームは、ギャップ調整ネジを固定するネジ穴が横に貫通しているために、この部分の肉厚が2ミリまでも無く、構造上不安だったのですが、3年前の十勝沖地震で棚の上からノブの部分を下に固い床に転落。ノブが割れ、この2ミリもない肉厚部分の上下ともクラックが入り、蝋着けなどを試みましたがけっきょくダメで剥がれてしまい、そのまま打鍵練習しているうちに首がもげてしまいました。部品交換に出してもメインの部品なためかなり高くつきそうで、それならオクで1台捜した方が良かろうと、確か7,000円くらいで落札したのが今使っているHK-808なのです。外付けのエレキーは2アマ合格直後に入手しましたし、後からバグキーのBK-100も手に入れましたし、いくら使っているリグが沢山あってもこの3台を繋ぎっぱなしにしていればどのバンドにもすぐにCWに出ることが出来るのでもう電鍵はいらないはずでした。ところが当貧乏電波研究所としては身分不相応にも3台目になるHK-808を入手してしまったんですから笑ってやってください(^_^;)
 事の経緯は、無線の事を全然知らないリサイクルショップさんが「電鍵」と一言タイトルを載せれば落札額5,000円を下回ることはなかったであろうHK-808を銘板通り「テレグラフィーキー」と出してしまったために、電鍵蒐集家や一挙合格者が半年で前年比10倍の7,000人にも膨れあがった新3アマ取得者で、モールス通信術など習得する気はないけど、一応3アマとして高級電鍵も飾っておきたいナルシストな人などの検索にも引っかからず、とりあえず捕獲出来ても出来なくてもと思い、出品価格2,000円に200円上乗せして応札。これが終了1時間前まで他の入札者がおらず、目敏くこれを見つけた入札者が1人現れたために様子見で2,900円で入札するも最高額入札者にはなれず、そのまま放っておこうと思ったのですが、終了2分前になって意地悪心が頭をもたげ、3,100円で応札して10分延長に持ち込み、少しずつ吊り上げてやれと思ってそのまま3,100円を入れると、何と3,000円で最高額入札者に。そのまま1分くらいで終了してしまって驚いたら自動延長が掛かっていなかったのね?(^_^;) そんなわけで思いがけなく3台目のHK-808のオーナーになってしまったのです。そういや出品者、HK-808を「KK-808」と読み間違えてそのままタイトルにしていたし、ハイモンドとメーカー名も入っていないはで、電鍵のすべての検索条件を見事にスルーしてしまい、3台目のHK-808として我が貧乏電波研究所にもたらされたのは、ハイバンドがスカスカでヒマを持て余し、5000件以上あるカテゴリーの隅から隅まで自分の目でチェックした者に対するいわば「努力賞」みたいなものなんでしょう(笑)当たらないサマージヤンボ宝くじを10枚バラで買うよりHK-808の3,000円の方が当方にとってはぜんぜん(・∀・)イイ!!
 入手先は福岡の飯塚です。先週、シャックの窓から飯塚のシンボルである忠隈のボタ山を見ながら交信していただいたOMさんと繋がりましたが偶然ではありますまい。不思議な因縁ですが、当方は炭鉱の専用線や廃線の痕跡を求めて筑豊放浪を2度ほど行い、その時に2度も飯塚で宿泊していますし、今は寂れてしまったが往時の殷賑ぶりを伺わせる飯塚の川沿いにあるネオン街の黒船亭という店で、豚バラ串とキャベツをつまみながら酒を飲むのが大好きだったのですが、廃線跡の道路整備も10年ほど前に全て済んでしまったようで、今は足が遠のき、さらに千葉から北海道に移住してきましたので、飯塚への再訪が果たせません。
 届いたHK-808は実際にはあまり使われなかったようで、殆どシャックの飾りと化していたものだったのでしょう、バネの堅さとギャップの調整がいい加減で、接点のギャップは1ミリどころの広さではなかったような気がしますし、バネの堅さはゆるゆる状態。あたしゃこの状態では早い符合が叩けません(^_^;)2代目電鍵と今回来た3代目電鍵を比べてみると細部が少々異なっており、一部コストダウンが計られている工程が見受けられます。その一つに大理石台の角の面取りが申し訳程度の非常に細い物で、一見面取りのない鋭角なエッジに見えます。さらに初代と2代目のHK-808はノブの取り付けがアームの下から取り付けられたネジに上から回して止めるタイプでしたが、今回の物は現行型と同じノブに雄螺子が鋳込まれたものです。また、軸受けカバーが3代目は現行品と同じ縦にスリット状の溝があり、軸受けマウントにもリブが6本入ったタイプで、3台の中では今回のHK-808が一番新しい製品のようです。この申し訳程度の細い面取りの大理石というのがクセモノで、少し固い物が当たっただけでエッジが砕け、うるさい電鍵コレクターには嫌われそうです。自分好みに調整してバネのテンションを強め、接点のギャップを狭めに調整したのにも係わらず、2代目HK-808がかなり指先にカリカリという固めのレスポンスが響くのに対して、3代目HK-808は同じように調整しても割とヌタヌタという追随性が若干劣るようなレスポンスにしかならず、感触的に別な種類の電鍵を叩いているようです。HK-808はアームの質量が大きいためにどうしてもレスポンスが重いと言われることがありますが、正にそういう感じで、どうやら2代目は灰色っぽい大理石で硬度が高く、3代目は白っぽい大理石で2代目より柔らかく、その大理石台の違いが多少なりとも影響しているのかも知れません。初代のHK-808の感触は今比較することが出来ないのでわかりませんが、ネジが一部既製品ではないものを使用していたりして、かなり初期型に属する物だと思いましたが、大理石はこの初代は薄い緑色が混じる美しいものでした。たぶんこの大理石は台湾産で、石の輸入時期により大理石の性質が異なるのでしょうから、大理石の色を指定して購入することは出来ないと思います。慣れということも大きいでしょうが、個人的には2代目HK-808のカリカリ感のほうが好みです。
 しかし、相変わらずHK-808以外の縦振り電鍵の打ち味を知らないと言うのもどうかと思いますが(ミズホのベビー電鍵くらいは触りました)3アマのノーコード化以来、養成講習が盛んに行われ、半年で7000人も3アマが増えたからか、相変わらずオクの電鍵需要は盛んで、落札相場も高くJRCのKY-3Aという電鍵は頻繁に出品されるものの、未だに縁がありません。しかし、みんな縦振れ電鍵は持っていても本当に使うんでしょうか?コンテストでもCQを出す方はみなZlogあたりを使ったパソコンキーイングでしょうが、応答する方もエレキーが多くて明らかに縦振れを使って、しかも正確に素早いキーイングの局にはなかなかお目に掛かれません。地元の2文字コールのOMは明らかに縦振れなんですが、さすがにお歳というか、ちょっとリズムの崩れたゆったりしたキーイングで応答していました。こちらも早く正確に決まり切ったフレーズを打つにはエレキーを使いますが、自分の頭の中に浮かんだフレーズをそのまま打とうとすると、エレキーやバグキーでは妙に頭の中で「最初は右に振るのか左に振るのか」なんて考えてしまい、訂正符号の山を築いてしまったりするので、やはり自分の自由意志をリアルタイムで打鍵するとなると、個人的には縦振れ電鍵です。特に打つことには不自由しないが、聞き取りがウィークポイントな和文の送信にはバグキーより縦振りの方が好きです。もっともクマに襲われないようにその手の周波数には出没しませんし、「ホーコクレートーヨー」を打たれてもシカトしますよ(笑)

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