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April 10, 2007

CQLOG to HAMLOG/WIN データーコンバート

 日本のハム愛好者の中ではコンピュータロギングソフトというとTURBO HAMLOG/Win、いわゆるハムログのユーザーが大半なわけですが、Macintosh一筋そろそろ16年目の当方にしてみると、そのグラフィカルなデザインのまったくないDOS時代と変わらないスタイルにMacのフリーウエアとはまったく異質な印象を受けます。Macintosh用のロギングソフトというとJS1CJW 岡田氏の手によるCQLOG ver2.3というのがありまして、さすがはMac用のグラフィックユーザーインターフェースを多用したカラフルなデザインのロギングソフトで、DOS時代からの発展形であるハムログがビジネス系データーベースソフトのような印象であることと正反対のフリーウエアなのですが、残念ながらMacの代表的なデーターベースソフトであるファイルメーカーProのプラグインで、高価なファイルメーカーを持っていないと使うことできないために、アマチュア無線家の中ではあまり使用している人の話を聞きません。でも元ソフトが優秀なファイルメーカーProであるゆえに、その機能性と高速検索性においては何ら不満もありませんでしたが、そもそもファイルメーカーPro ver3.3のプラグインであり、現在のファイルメーカーProはインターネットと融合してネット上の情報を検索したり取り込むことが出来るのに対していかにも機能的には古くなってきたようです。その点はユーザーの意見を採り入れて日々どんどん進化しているハムログに対して遅れを取っていることは否めませんし、平成の大合併以後のバージョンが作者多忙のため発表されていないようなので、当方の使用しているCQLOGはすべてアップデート情報をデーターベース上から手修正して使用しているような状態ですから、少々ファイルメーカーPro自体に知識が必要ともなってきます。
 しかし、サフイックス3文字入力で一瞬のうちに過去交信歴を一括表示するオペレーション画面、コールサインから一瞬で交信相手を25万件のコールブックから高速検索し、データーとして表示する作業、運用市町村の検索などがマウスでのアイコンクリックと最小のキーボード操作で行えます。さらにコンテスト書類の作成から各社のQSLカードに対応したカード印刷機能、受け取りQSLカードの画像登録と表示、JCC/JCGのWKD/CFMの管理などは日本列島地図上の県をクリックすると、その県の市と郡における各周波数での交信状況がカラフルな一括表で出てくるなどという交信管理機能、グリッドロケータを算出して交信相手との距離と方位を計算する機能など、旧バージョンのハムログをかなり意識してなおかつMacintoshらしいグラフィカルなログソフトです。ただ、元のファイルメーカーの機能に依存するため、どうしてもハムログのように細かな交信/未交信市町村を一括して表示したり、各周波数を複数マージしてJCCやJCGがどれだけいったのかを表示させたり、エリア別に各バンドの交信数がどうなっているかを表示させたりする「アワードハンター」向けの機能が弱いため、たとえば「50メガで実交信市郡とカード受領済み市郡、カード未着市郡を把握し、さらに未交信市郡を把握」することがCQLOG上では難しいのです。そのためにどうしても「カード受領済み」の市郡数のみ把握しているわけですが、その中でも特定バンドにおけるモードごとのコンファーム数はわかっても、モードミックスでトータル何市何郡コンファームしているかというのが掴めません。そのあたりはハムログの独壇場で、ハムログはアワード集めに執念を燃やして珍市珍郡からの移動局を追っかけている人たちに取っては、かゆいところに手が届くようなログソフトだと思います。まあそのアワード集めに便利な機能性ゆえに、並の場所からのCQには見向きもしないが、珍QTHからの移動局には「魔法の箱」のスイッチをオンにしてサフイックスを連呼する「俺様ハム」を増加させているのかどうかは判断が付きかねますが(笑)
 当方、十数年前はMacintosh 4台をメインにPC-98からDOS/V、X-68000にいたるまでAmiga以外は「とりあえずどんなゲームでも動かせる状態」のために異なる4つのPC環境を整えていたのですが、すぐにハードがマシンパワー的に時代遅れになり、窓機もWin95を使ってDOSの呪縛から逃れられないWIN95のそのあまりの使い勝手の悪さについにMacintoshがメインの座から滑り落ちることはありませんでした。そのため、窓機に出来てMacに出来ないことは目をつぶる状態だったのですが、無線系フリーウエアで日本語を扱えるものはもはや窓機以外に考えられないため、日本語でPSK-31をどうやろうかと思案していたら、たまたまPCの入れ換えのため古いVAIOをくれるという人が居て、まあ少々古くても無線系のフリーウエアを扱うのならマシンパワーもさほどいらないと思い、ありがたくその申し出を受けることにしました。VAIOノートをくれるのだとばかり思って出掛けたら、そこに鎮座していたのは巨大な17インチCRTモニター付きミドルタワーのAV機能付きVAIO (^_^;) 一瞬粗大ゴミを押しつけられたと思いましたが引くに引けずにそのまま巨大なVAIO一式を持ち帰るハメに。しかたがなく、自室に2台並んでいたMacの17インチモニターの1台をかたづけて巨大VAIOをセットアップしてしまいました。
 昨年のCQ誌に無線系ソフトの集大成のCD-ROMが付属していたことを思い出し、さっそくTURBO HAMLOG/WIN をインストールしてみました。何のデーターが入っていないハムログをいじるのも無意味なので、何とかMac用のCQLOGからデーターを取り込む手段を考えます。どうやらハムログが外部のデーターベースからデーターを取り込むためには.CVSでコンバートするのが一般的のような感じなのですが、Mac用ファイルメーカーProのコンバート形式を見ると.CSVがありませんが実質的に1つのフィールドを「""」でセパレートしたコンマ区切りテキストというコンバート形式が.CSVのようです。そのためファイルメーカーでコンマ区切りテキストで書きだしたテキスト書類に.CSVの拡張子をつけ、そのままFDにコピーしてVAIOのハムログ側でデーターを取り込むことで見事COLOGからハムログへのデーターコンバートが成功しました。コンマ区切りテキストで書き出す際には、ハムログ側の形式でデーターの順序を取るのは当然のことですが、ハムログにはCQLOGで扱っていないグリッドロケータのフィールドがあるため、そこにはCQLOG側で何も記載されていないブランクなデーターフィールドをどれか1項目、順番通り割り振る必要があります。またCQLOGのQSLカード発行と受け取りのチェックはそれぞれ独立したフィールドで、ハムログは1つのフィールドで発行受け取りを扱う違いがあるため、ここの部分だけはうまくコンバートする事が出来ません。エディタで1つのフィールドに編集してしまおうかと思いましたが、3600交信分も編集したら一度で目が悪くなりそうだったため、受け取りの「1」だけ生かしてあとはハムログ上で1交信1交信の発行受取りフィールドを手修正することにしました。それにしても、最初からデーターを手入力することを考えたらとんでもなく楽な仕事です。この手修正はそもそも元からGUI環境のMacではマウスを使わずにキーボードショートカットのみで入力していくのは難しいのですが、流石は窓機だけあってキーボードのみで次々にデーターを修正していけるため、数時間の作業でカードの発行受取りのフィールドの修正が完了しました。
 たまたま3月末にJARLからQSLカードが300枚ほど転送されてきたので、それも合わせて受取り済入力を済ませると、各バンドにおける最新のWkd/Cfmの一覧が表示できるようになりました。それによると、50メガのJCCコンファームが前回372からついに400を超えて403、去年まで殆ど運用していなかった21メガもJCCコンファーム183から200を超えて223となりました。こういう交信済の管理に関してはCQLOGでは一括表示できません。50メガでついにJCC400超えしたことを把握しましたが、やはり一瞬でこういうことが把握出来るということは紙切れハンティングに血道を上げる人が出るのもわかるよなぁ(^_^;) まあ、自分としてはアマチュア無線の本来の目的を見失わないように自戒しなければ…。
Cqlog1
CRTからのピックアップなので見にくいですが、これがMac用CQLOGの各種ウインドウを開いた状態です。

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Comments

そうですね、FileMaker を持っていないと使えないのは残念です。私は、HAMLOGよりも使いやすいと思っていますので、もっともっとユーザーを増やしたいと思っているのですが。

OS X用のFileMakler対応版は、前の前のバージョンあたりから出ているはずです。OS9用とOS X用が両方あって選べます。バージョンアップはLOGファイルのアップデートではなくて、JCC,JCGファイルのアップデート(新しい市,郡,区対応)です。

それと、OS9のことえりの辞書の件ですが、確かユーザー辞書登録が可能で、そこに現在の最新の市,郡,区をJCC/JCG No.と読み方で登録しています。実は、データとして使ったのはCQ LOGの市,郡一覧です。なので、使い方として、CQ LOGのみをOS9で動かし、ことえりをCQLOG専用辞書、他のソフトはOS Xで、という使いたをしています。とても便利です。

Posted by: 7M4QOA | September 11, 2011 11:33 PM

7M4QOAさん
 インフォメーションありがとうございます。
しかし、相変わらずFileMaker Proのプラグインであり続ける限りは需要層が限定されますよね?
Ver2.8はO.S.9の呪縛を脱却してO.S.X用のFileMakler Pro6.0以上に対応しましたか?
もっとも当方はHAMLOGの軍門に下りユーザー登録して数年になってしまいました。O.S.XのCLASSIC環境でCQLOGを起動したときにことえり以外のIMが使えず、それでなくとも固有地名や固有人名の入力がダメでリアルタイムロギングに支障を来たしてしまったのが原因です。

Posted by: じぇいかん | September 06, 2011 07:28 PM

初めまして。
偶然この掲示板を拝見しました。
古い話題にコメントですが、
CQLOGの最新のバージョンは2.8です。
CQLOGは今でも使い続けており、9,000局以上登録しました。
入手は2年程前はハムフェアで配布されていたのですが、
今は、直接作成者に連絡して入手しました。

Posted by: 7M4QOA | September 05, 2011 10:20 PM

初めまして山下と申します。
CQLOG ver2.3ほしいのですが、入手するサイトはないでしょうか?
Googleで検索するのですが、どうもうまくいかない。
もし、入手できる場所がありましたら教えていただけないでしょうか?

Posted by: 山下 | July 19, 2007 10:49 PM

秋山さん、こんばんは
 
 ご指摘の通りです(^_^;)
昔から拡張子の意味をあまり考えずに使っているのでついこういう間違いを…(笑)
圧縮ファイルのLHAが.lzhだったか.lhzだったかなんてしょっちゅう混乱してました。

 最近、なにか計算尺の掘り出し物はは手に入りましたか?

Posted by: じぇいかん | April 10, 2007 06:32 PM

お久しぶりです。文中CVSとあるのは、CSVのことではないでしょうか。CSVならComma Separated Valueの頭文字をつなげたものですから、文字通りコンマ区切りですね。CVSというと、バージョン管理システムのConcurrent Version Systemを連想します。

Posted by: 秋山 | April 10, 2007 06:07 PM

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