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July 27, 2007

FUJI No.2125C 工業高校用計算尺

 富士計算尺が国内向けに正式に計算尺の製造を止めたのは昭和53年のことで、製造を主に担当した技研産業株式会社はドラフタースケールなどを生産しながらプラスチック加工業として現在も山梨に存続してますが、販売元の富士計算尺株式会社がどうなったかという事についてはわかりませんでした。ところがひょんな事からこのことが判明し、元の富士計算尺は現在ではフジコロナという社名に改名して、現在ではレーザーレベルなどの測定器具販売から環境家電品の輸入販売などを手がける商社として東京で盛業中らしいのです。フジコロナのホームページによると操業は終戦の年「1945年に富士計器工業株式会社として甲府で計算尺の製造を開始し、1970年に計算尺の目盛技術を利用して製図設計用各種スケールの製造に乗り出し、1978年に東京営業所を別法人として新たにフジコロナ精器株式会社を設立・電卓の普及で計算尺終焉にともない製図用品の国内販売並びに輸出の拡大を目的とする」とありますので、富士計算尺の東京営業所が現在のフジコロナの母体となったことがわかります。現在のフジコロナ取扱商品を見ますと、殆どはホームセンターやアイデア商品の店で出逢いそうな台湾や中国のプラスチックを主体とする商品が多いのですが、その中で「三角スケール」や「ドラフタースケール」あたりが昔のフジコロナ精器時代を引きずっているような。
 さて、愛知県から未使用説明書外箱揃いのFUJI No.2125Cを入手しました。この計算尺は技研時代のNo.251から引き継がれたシリーズで、片面11尺という幅広の計算尺です。技研時代は「検定試験上級用」などという扱いでしたが、No.2125Cは単に「工業高校用」となっているのは両面計算尺のNo.1280-Tあたりと同じです。このNo.2125シリーズはオクに出るときには頻繁に出てくるものの、それが途絶えると何故か間が空いてしまい、既に2125と2125Dは持っているもののNo.2125Cは今回初めて入手しました。3本が揃ったことで細かな比較が可能になりました。以前はBの枝番の付くものがあるかどうか気になっていたのですが、B付きの2125は今まで見たこともないので、おそらく2125の次は2125C、その後に2125Dにモデルチェンジしたようです。それにしてもFIJIの計算尺はDとかTとかなぜそうなのかのか由来のわからない枝番があります。2125と2125Cの相違点ですが、まず滑尺の色が薄い緑色に着色されたのが目新しく、さらにカーソルが異なります。又、2125CはA,DF,CF,CIF,L尺を除いた尺に全てπゲージが追加されたのが便利です。さらに2125Cには自然対数のεゲージや体積のVゲージが追加され、2125のゲージマークの書体が戦前のヘンミ計算尺のようなクラシックなデザインだったものが、新しいデザインに改められてます。滑尺裏は2125ではCOSとして赤の数字が独立して入れられてましたが、2125CではT1,Sの目盛に逆目盛として赤く数字が入れられるようになり、COSの表示は省略されています。滑尺裏にもC尺があり、裏返して使った際に便利なように全てゲージマークが入れられていることは2125も2125Cも共通です。2125は灰色で形式名まで入っているビニールのケースでしたが、2125Cは本体のサイズが同一であるのになぜか二回り大きくなった緑一色のビニールケースに入れられてました。厚みもあるので、両面計算尺と共用にしたのでしょうか?さらに2125Dになると滑尺裏の右側に数式の刻印が追加になりC尺D尺に2πというゲージマークが追加、カーソルが変わったりしてますが、果たして品番を換える必要がある程の変更かどうかは疑問です。裏の換算表は2125が英語表記、2125Cと2125Dのものは同一で、三角関数の図形などを追加した日本語表記で、ここ辺りが「検定試験上級用計算尺」から「工業高校用計算尺」に用途変更になった結果でしょうか?2125シリーズには裏のネジ頭隠し兼すべり止めゴムにも数々の変遷があり、技研時代はすべり止めが無く、何も付かないNo.2125は初期が細長い波打ったゴムが貼られて「すべり止めゴム付き」を唱われていましたが、加工コスト削減かすぐに円形のゴムシートに換えられたようです。このゴムシートはHEMMIのNo.640S同様のものでしたが、さらにNo.2125Dになるとネジの入る穴の径より少し大きいだけの盲蓋状の小型のものになりました。これは1280-Tなどのネジ頭隠しと同様です。
今回のNo.2125Cはおなじみのデザインの外箱と短冊形の説明書が付属してましたが、外箱は緑の印刷ではなくいわゆる赤箱でした。定価は1,800円で、FUJI計算尺が計算尺販売から撤退する直前のNo.2125Dの定価にしても3,200円ですから、HEMMIのスタンダードNo.2664Sと比べても如何にお買い得で高機能な計算尺だったかお解りだと思います。もっとHEMMIを押しのけて工業高校需要のシェアに食い込んでも良かったと思うのですが、さすがに生産量の差かFUJIの計算尺は少数派だったというのが実感です。
 FUJIのNo.2125Cの使い勝手ですが、√10切断系ずらし尺なのにも係わらず、主要な尺にすべてπゲージが存在するので、意外と電気系の計算などには使いやすく、さらに表にA尺B尺まであり、滑尺をひっくり返してもC尺がちゃんと刻まれていて三角関数を含む乗除計算もそのまま出来、DI尺もあるのでベクトルの計算も可ということで、その機能はべき乗計算を除けば簡単な両面計算尺にも匹敵し、普段使うのであれば何の不満も無いと思われます。欠点といえばあまりにも幅広くなってしまい机の上では邪魔くさいことくらいでしょうか?そういえば入手したNo.2125Cは換算表が上下逆に接着されてました(^_^;)
Fuji2015c

FUJI No.2125C工業高校用計算尺の表面拡大画像はこちら
FUJI No.2125C工業高校用計算尺の裏面拡大画像はこちら


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