« ついに8月に突入 | Main | RELAY No.150 10"両面型 »

August 04, 2007

HEMMI-BENIYA宅建計算尺8"

 この宅建用計算尺というのは不動産関係者向きに作られた特殊計算尺の一種で、長さと面積の換算および面積の計算に特化した計算尺です。表面にのみ6本の尺を持つ計算尺で、ポケット用の5"のものと通常用途の8"の計算尺が発売されてました。今回入手したものは8"のもので、本体はプラスチック製です。ベースになったモデルは8"のプラ製学生尺HEMMIのNo.P45Kで、製造は山梨の技研の系統でしょう。No.P45Kや初期のNo.P253と共通のエンジンターン模様のような薄緑の貼箱に入っていました。
 面積の計算以外は換算用となりますので、計算尺と言うより換算尺に近いかもしれません。年代的には30年代末から40年代初めくらいでしょうか。40年代も半ば以降の発売となると、ベースモデルもHEMMIのP45Dあたりに変わっていたでしょう。ベニヤ商事という会社とヘンミ計算尺の共同開発で、そのためかヘンミの特殊計算尺系400番台の品番がないのですが、ベニヤ商事が流通に乗せただけではなく、ヘンミ計算尺の販売ルートにも流通していたような。しかし田辺経営との共同開発の経営計算尺がP402とP403の品番を正式に持つのに「なぜ宅建計算尺には品番がないのか?」という疑問が残ります。もしかしたら宅建計算尺は継続して製造されたわけではなく、ベニヤ商事の発注によってスポット的に1度だけ作られた特注品なのでしょうか?
 あまり計算尺としては面白みのない特殊計算尺ですが、唯一興味深いのは一般のC尺D尺にあたる部分の左が3から始まることで、これは考えるに一般の土地取引は一坪が単位であり、一坪が3.3平方メートルに相当することから3以下を廃して3から始まることで3から10の範囲の精度を高めているのではないかと。右端は30になります。製造記号は「ヘPD」ですから昭和40年4月製でした。このヘの記号については諸説紛々いろいろあるようですが、おそらく山梨の下請けの中でも特定の工場を区別するために打たれたのではないでしょうか。ヘの付番はうちの計算尺の中でもP261とかP270などの特定のプラ尺にのみ出てきます。この宅建計算尺は紙の外箱に入れられて売られたわけではなくビニールに入れられただけで売られたようで、そのビニール袋に「宅建計算尺●長さ20cm/プラスチック製/定価1,000 」の印刷がされてました。説明書は学生用計算尺よりなお簡単な一枚物のペラを貼箱に巻き付けて外装ビニールの中に入れられてました。当然外国に輸出されるような計算尺ではなく、海外では珍尺の部類だと思うのですが、今ひとつ海外で認知度が低いのは品番が無いためヘンミの計算尺として認めてもらえないからでしょうか?
Photo_2
HEMMI-BENIYA宅建計算尺表面拡大画像はこちら
HEMMI-BENIYA宅建計算尺裏面拡大画像はこちら

| |

« ついに8月に突入 | Main | RELAY No.150 10"両面型 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference HEMMI-BENIYA宅建計算尺8":

« ついに8月に突入 | Main | RELAY No.150 10"両面型 »