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September 16, 2007

北川式一酸化炭素検知器

 この北川式ガス検知器を見て嫌悪感をもった人は、たぶん飲酒検問に引っかかって警官に風船を膨らまされた経験のある人かも知れません(笑)この北川式ガス検知器は検知するガスの種類によって専用のガラス検知管が200種類もあるようで、飲酒検問で使用される検知管はもちろんエチルアルコール用のようです。今回入手した北川式は炭鉱で使用された一酸化炭素専用の備品です。今でも北川式ガス検知器は最も簡単に正確なガス濃度が検出出来る測定器として各産業分野で多用されていますが、試料ガス採取器が昔の物はいかつい金属だったものが、今は測定器を感じさせない3色のカラーバリエーションを持つ樹脂の成型品になっています。また検知管もいろいろと改良されたようで、以前は正確な濃度判定のために温度補正が必要なガスの種類がありましたが、現在ではその必要がないものも多くなっているようです。
 そもそも炭鉱では安定状態では一酸化炭素が発生しないはずなのですが、往々にして採掘跡などの炭層が空気に触れることにより自然発火することによって一酸化炭素濃度が高まることがあります。その自然発火などの状況を早期に発見するために常に一酸化炭素濃度を監視する必要があり、その目的で使用されるのがこの北川式一酸化炭素検知器です。試料ガス採取器に温度計と標準色管(カラーチャート)の二本の管が付属しているのが一酸化炭素用の特徴で、当時の検知管の中身は酸性硫酸パラジウム溶液とモリブデン酸アンモニウム溶液を純白色のシリカゲルに吸着させたもの。この検知管に一酸化炭素を含む空気を毎秒1ccずつ30ccを送入し、一酸化炭素によってモリブデン酸アンモニウムが還元され、青変することで、その変色の度合いにより一酸化炭素の濃度を測定するものです。当時の検知管にはA,B,Cの3タイプがあり(現在種類はもっと増えてます)炭鉱ではエチレンガスの影響による誤差の影響を排除できるB型を石炭の自然発火検知のために、C型を発破ガスの検出用に使用されていました。この北川式一酸化炭素検知器によりごく微量の0.0001%程度までの一酸化炭素が検出可能のため、戦後の炭鉱では必ず備え付けられていた備品です。
 北川式ガス検知器の歴史を知りたい人は光明理化学工業(北川式ガス検知器の歴史)をご覧下さい。ちなみに現在の一酸化炭素用検知管のコストは一箱10本入りで二千円程度のようです。
 福岡から他の物とまとめて入手した北川式一酸化炭素検知器は製造年が昭和44年5月。筑豊では大手炭鉱は日鉄嘉穂炭鉱も明治平山炭鉱も閉山へと向かい、貝島大之浦炭鉱もそろそろ坑内掘り採炭から手を引きかけたころの製品です。検知管は45年7月製造のもの(使用期限は2年間)が紙箱に10本そのまま残っていました。肩からストラップで吊せるようになっている青い金属のケースには「石特」のペンキ書きがあり、売り主の話によると家屋の建て替えに伴う整理品の一つで、その家主の先代がどうやら鉱山関係の役所に勤めていてその関係で仕事上で使用していたものではないかということでした。どうやら筑豊・粕屋炭田から石炭の坑内堀が無くなって以来出番がなくなった測定器具だったのでしょう。いっしょに見たこともない本多製メタンガス検定灯(フランスのCHESNEAU検定灯のコピー?)なんかが何台も一緒に出てきましたので、おそらく坑内環境を測定する鉱山保安監督署関係にいた人の持ち物であったことは間違いの無いようです。
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