Relay & RICOH No.82 8"学生用計算尺
Relay No.81の滑尺裏に三角関数尺と対数尺を追加したのがこのRelay No.82ですが、内容的にはHEMMIのNo.43Aの競合商品となります。Relay No.84と同様に中学生用としてRICOH時代にいたるまで大量に製造されたため、8インチの計算尺としては普通によく見かける計算尺です。Relay時代からRICOH時代まで十数年に渡り作られた計算尺のため、年代ごとに本体、カーソル、ケースなどに変遷が認められます。大まかに分類するとRelay時代の金属枠付きガラスカーソルで本体CI尺が目盛りまで赤で刻まれているパターンとRICOH時代のプラカーソルに本体CI尺が数字だけ赤で刻まれたものの2種類に分類されます。No.84と同時代まで作られていたとすると最終型は不透明臙脂色のビニールケースに上下にギザの刻まれたプラカーソル付きとなるはずなのですが、いまだにこのパターンのものを見たことがないので、このNo.82は√10切断ずらしのNo.84が製造中止になる昭和49年より以前にフェードアウトしたか、在庫品が売られていた可能性があります。まあ、おそらく昭和40年代には学校現場での使用は√10切断のものが主流になっていたのでしょうが。Relay時代とRICOH時代のNo.82は、表面に限ってはCI尺の色使いやπの書体の違いなどの他には基本的にゲージマークの増減などはありません。その点はRelay時代に比べてラジアンと度の換算ゲージマークやA尺上のπマークまで無くなったRICOH時代のNo.84とは異なり、大幅な変更点はありません。裏面の三角関数対数尺も目盛りを刻む単位などにも違いが認められませんが、振ってある数字は一部異なります。
入手したRelay NO.82の刻印は「K.S-2」ですから昭和37年の2月の製造。製造刻印はこのあたりから裏面の竹がむき出しになっている部分に打刻されるようになっています。もう一方のRICOH No.82は「P.S-3」ですから昭和42年の3月製。新学期にむけて学生用計算尺がフル生産されていた様子が伺われます。
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