IC-551 パワートランジスター交換
先週突然死したIC-551でしたが、AC電源だと受信も出来ないのにDC電源だと受信だけは出来るという症状に、パワートランジスターのトラブルだけでは理解できないような感じがしましたが、英語版のサービスマニュアルを手に入れ、トラブルシューティングのフローチャートを検証してもやはりパワートランジスターが第一の原因のようで、2SC1972という50MHz用10Wのトランジスターの入手を企てました。アイコムに発注してもまだ入手は可能だとは思いましたが、時間がかかるのはこのEスポシーズン中に耐えられないので、他の入手手段を考えます。この2SC1972というトランジスターはもちろんのこと現在では作られていない(今では集積度のもっと高いパワーモジュールが標準)廃品種で、数年前までなら大抵のパーツ屋で入手できたものが、ここにきて通常ルートでは入手困難品になってしまったようです。今回はこの2SC1972の入手が6m再QRVの正否の鍵を握るようです。ネットでパーツ屋を検索しましたが、品切れ続きで、もしやと思ってオークションを検索すると一件ヒット。終了日まで4日くらいあり、すぐに入手出来ず間が空いてしまうのが難点でしたが、これ以外に確実な入手方法がなく、結局は1,800円という落札金額で入手したものです。
入手先は秋田県からで、昔6mも盛んにやっていたというオーディオマニア系の方からでした。12日の夕方に郵便でこの2SC1972が届いてましたので、夕食後にIC-551の分解にかかります。FMユニット、P.B.Tユニット、VOXユニットと3点フルオプションの状態で、これらとスイッチング電源ユニットをすべて外さなければメインプリント基板パワートランジスターはんだづけ部分には至りません。このランドの半田をはんだごてで融かし、ポンプで吸い取ります。そして基板の表側にあるトランジスタのねじを外し、ヒートシンクからトランジスタを浮かして基板からこの2SC1972を取り出しました。新品の2SC1972と比べてダイオードテスタを当てると、やはりコレクタとエミッタがスルーしてました。このトランジスターまわりの抵抗やコンデンサなどは正常でしたので、このトランジスターの交換だけで何とかなりそうな感触です。新しい2SC1972の裏側にパソコン部品屋から仕入れてきた放熱グリスをたっぷり塗り込んでヒートシンクにネジ留めし、プリント基板裏側にトランジスタの足をハンダづけして各ユニットを元に戻して組み立て直します。とりあえず組み立て終わったIC-551にダミーロードを装着したSWR計を終端電力計として接続し、DC電源でFM波を出してみたらちゃんと10ワット少々出てました。SSBにして音声で変調を掛けてみたらちゃんと変調が掛かっているようです。いろいろとまだ試してみなければいけませんが、どうやらパワートランジスターの交換だけで修理は済んでしまったようです。AC電源でちゃんと動作するかどうか試そうかと思ったら、そのACコードがどこへ行ったかわからず、捜すにももう疲れてしまったので明日に棚上げしちゃいます。
| Permalink | 0
Comments