« JA1AAA局と交信 | Main | 18MHzで青森局と初交信 »

July 28, 2008

HOPE No.93 システムリッツ計算尺

 HOPE計算尺は昭和30年代から40年代にかけて東京に存在した計算尺メーカーの一つで、一貫してプラスチック製の安価な計算尺を販売していたようです。昭和30年代にはおそらく山梨県内の製造メーカーから計算尺の供給を受けた、主に輸出を主体とする会社が国内にも安価な計算尺を発売していますが、このHOPE計算尺も終始一貫して山梨の技研系の製造メーカーから計算尺の供給を受け販売していたようです。それも技研系の計算尺同様に構造面の進化を続けたようで、30年代から40年代にかけては平面上のプラスチックの裏板に上下固定尺を接着した構造の計算尺がメインでしたが、今回入手したNo.93はFUJIのNo.102などと同じくプラスチックのブリッジで上下固定尺をつないだ構造の片面計算尺です。おそらくこのHOPE計算尺も輸出を主体としていた会社らしく国内では殆ど見かけない計算尺ですが、今年になって初めてオク上に登場したHOPEハピター証券用計算尺のように国内専用の製品も存在したようです。昭和40年代になってからのHOPE計算尺はFUJIの計算尺などと同様にドイツのFABER CASTELLに影響されたのか、一部の尺を着色してカラフルな装いになりましたが、FUJIやHEMMIのプラ尺のように滑尺自体を着色素材で作るのではなく印刷で着色しているようです。FUJIの後期の計算尺同様に尺の右サイドに計算式が入れられているのが目新しく、近代的な計算尺を感じさせますが、内容的には滑尺裏にさえ何もない片面計算尺です。妙なことにFUJIのこの手の片面計算尺は上下固定尺をつなぐブリッジがあるほうが裏面で、机の上に置いてあっても使えるということなんですが、このHOPE No.93はブリッジのあるほうが表面です。どうしてこうなったのかはわかりませんが、なんかちぐはぐな構造です。またこのHOPEの計算尺は輸出先の要望なのか終始A,B,C,D,尺のマンハイム系が多かったようで、まだずらし尺のCF,DF尺を備えた計算尺を見ていません。中には技研のNo.250のような表面にLL尺を4本も備えるNo.65-Gという幅広の片面尺もありましたが、技研のNo.250がずらし尺なのに対し、No.63-GはA,B,C,D,尺です。このNo.93はいわゆるシステムリッツの計算尺のようですが、似たような計算尺がないかと捜しましたらなんとHEMMIのタイ向け輸出用 No.280Sという計算尺が裏側のLL尺を除くとほぼこのHOPE No.93と刻印も含めて同一です。また、ドイツの文具メーカーの雄、STAEDTLER MARSの計算尺の中にもこのHOPE No.93とほぼそっくりそのままのプラスチック尺がありました。こちらも計算尺末期の製品で、すで日本製のOEMもので、製造元は山梨の富士計器のようです。またステッドラーのこの型式の計算尺はドイツ人好みのシステムリッツとダルムスタッドの両方があったようです。
 入手したHOPEのNo.93というプラスチック製片面計算尺は、以前に古本を落札したことのある相模原の業者からでした。まるで後期のリコー8インチ学生計算尺のような前面が透明ビニールで作られているチープなサックケースに入っています。上からL,K,A,[B,CI,C,]D,S,ST,Tというシステムリッツ構成で滑尺裏はブランク。裏面にはインチとメトリックのスケールが刻まれていますが、インチの方は1/20単位と1/32インチ単位の目盛りが左右に刻まれています。。ベースはFUJIのNo.102あたりにそっくりなんですが、ブリッジの平面部分などに違いがあり同一ではありません。またHEMMIのNo.P265あたりとも異なります。なぜか固定尺上部のL尺K尺と下部の三角関数尺の場所のみに薄いブルーで着色されています。カーソルはFUJIのNo.2125Cのような断面がレンズ状になったプラスチック製で、カーソル線は黒です。またhpとkWの換算と円の断面積計算のための副カーソル線が刻まれています。 厚さの非常に薄い計算尺で、280Sは持っていないので直接比較できませんが、HEMMIのNo.P265と厚みはほぼ同じです。しかし若干の違いがあり厚さはHOPEの3.8mmに対してHEMMIのP265は4mmです。また長さは同一ながら身幅はP265のほうが2mmほど幅広です。
 HOPE計算尺はまだまだその存在自体があまり知られておらず謎の多いメーカーですが、あと何種類か見ないことにはなかなかその正体を知ることが難しいかもしれませんが、このNo.93は明らかにHEMMI No.280Sの製造で余った物をHOPEブランドで他の国に輸出したものだったのか、もしくはステッドラーからの発注品と同じ物を国内に回したのかもしれません。すでに会社自体存在しなくなったHOPEの商標をFUJIが入手してセカンドブランドとして輸出したのでしょうか(^_^;)
Hope93

 HOPE No.93システムリッツ表面拡大画像はこちら
 HOPE No.93システムリッツ裏面拡大画像はこちら


|

« JA1AAA局と交信 | Main | 18MHzで青森局と初交信 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/40824/41993719

Listed below are links to weblogs that reference HOPE No.93 システムリッツ計算尺:

« JA1AAA局と交信 | Main | 18MHzで青森局と初交信 »