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August 19, 2008

大正スケールNo.210

 まるでドラフタ-ヘッドの角度定規におまけで計算尺が付いたような製品ですが、おそらく用途としても製図用の定規が用途の主体として作られたものなのでしょう。製造は明らかに山梨の技研で、その証拠に技研のブランドでも同様の計算尺は発売されていますが、技研のものは計算尺部分の尺がC尺D尺でカーソルもないという、この大正工業No.210よりも簡単なものになります。角度定規部分を開かないと計算尺単独としても使えない構造のためか、製図用具としても計算尺としても中途半端で、世間にはまったく普及しなかったようです。そのせいか数は少ないながら各地の文房具店の不良在庫として未使用で発見される確率が多い製品です。
 計算尺部分は√10切断ずらし尺を備えるA,DF,[CF,CI,C,]Dの6尺配置で、有効長は8インチですので、おそらく他の技研系の8インチ学生尺からの目盛金型流用でしょう。裏に換算表が貼られていますが、こちらも技研系8インチ学生尺の流用で、この計算尺には三角関数がないのにも係わらず直角三角形の解法は記載されているのが不自然です(笑) スケール部分と計算尺の滑尺がつながっており、そのために、微妙な滑尺操作がやりにくくなっています。ゲージマークは学生尺同様に少なくcとπ以外にはラジアンと度の換算ゲージマークがあるだけです。CI尺だけが文字も目盛りも赤で入れられています。
 大正工業と技研の関連性に関しては確固たる情報は持ちませんが、同一の会社ではないようです。想像するにこの角度定規計算尺の実用新案を大正工業が持っており、製品は山梨の技研で製造させるに当たり、技研ブランドでC尺D尺のみの計算尺部分を持つスペックダウンされた角度定規計算尺を技研ブランドで発売させるバーターとして技研ブランドのNo.251あたりの計算尺を大正工業ブランドで納めさせたというのが真相ではないでしょうか。その時期は技研ブランド末期の昭和38年より若干早く昭和36年前後の技研計算尺がまだ濃い緑色の貼箱に入っていた時期に一致すると思われます。技研の計算尺付き角度定規は濃い緑箱に入っていたようで定価は450円に対して大正工業のNo.210は黒箱入りで定価で700円です。ごく簡単な「使用上の注意」程度の紙切れが一枚付属していましたが、計算尺の説明書に相当するものがまったくなく、どこにも大正工業の所在地の手がかりになるような記載がありません。そのため、HOPEのように都内の会社なのか、山梨県内の会社なのかもわかりませんでした。

210


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