FAMILY 換算器/価額計算器
前回、昭和の初期に尺貫法からメトリックやヤードポンド換算のための換算用計算尺が雨後の竹の子のように色々と出現したという話を書きましたが、戦後も相変わらず換算尺が新たに作られたようで、代表的なものはコンサイスのの換算器とヘンミのNo.P36Sでしょうが、それ以外にも雑誌の付録程度の紙製のものからちゃんと販売目的で製造されたプラ製のものまで両手の指では数え切れないほどの換算尺が存在したようです。今回入手したものは、おそらく戦後は昭和30年代に作られたと思われる両面型の円形換算尺で表面が長さ面積体積の換算用の「ファミリー換算器」、裏側が利益率などを計算する「ファミリー価額計算器」となっているものです。全体の1/3くらいが真っ白なスペースとなっていますので、おそらくこの部分は社名などを入れるために設けられたのでしょう。最初からノベルティー商品を想定して開発されたのでしょう、そうでなければなかなかこういう換算系の商品をお金出してまで買う人間は少ないでしょうし(笑)このファミリー株式会社という会社は東京の会社で他にも円形の原価計算用ビジネス尺なども発売していたようですが、自社に工場を持っていたわけではなく、どこかに外注で作らせていたのは確かでしょう。下に「PAT.A.」ですからおそらく「PATENT APPLIED」すなわち特許出願番号が2件刻まれていますが、おそらくこの手の換算尺の特許は大正期から昭和期にかけて出し尽くされた感がありますので、実際に特許が降りた可能性は限りなく少ないような(^_^;) 入手先は札幌で、最近は道内からの計算尺調達がなぜか続きます。こんなもの誰も注目しないようで、たったの100円での入手でした。ファミリーという会社は東京の神田にあった会社のようですが、すでにその後をたどるすべはありません。なんか駅の出札口で使っていたような硬貨の釣銭器か何かにFAMILYのロゴを見たような気がしますが、この換算器以外にどんなものを作っていたのかも調べがつきませんでした。
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