HEMMI 体重バランス用計算尺(初期型)
HEMMIの体重バランス計算尺は型番のない特殊計算尺の中にあっては医療保健関係の用途としてそこそこ使われた計算尺のようです。カーブ指数とローレル指数の算出に特化した専用計算尺で、以前入手した昭和の初めに作られた山越製作所の大串式体格計のような存在なのでしょう。我々一般の人間が日常で使用するような計算用具ではありませんが、一般の計算尺が作られなくなった後でも在庫が無くなればその都度追加で生産されたようで、この計算尺に関しては今でも本数がまとまれば生産が可能なようです。それというのも当初からプラスチックの8インチをベースとしており、生産もヘンミの工場ではなく山梨の技研系にやらせていたことに他なりません。ベースはHEMMIの学生用計算尺P45Dなどと同じであり、当初から滑尺が青く着色され、青蓋のプラケース入りのものがよく知られています。ところが中には滑尺部分が着色されていないものも見かけることから、当初は白い計算尺だったものの、途中から学生用 8インチ計算尺と共通のボディを使用するため滑尺も青く着色されたものにマイナーチェンジされたのだと思われます。
同じ道内は江別から届いた体重バランス計算尺は 珍しいことに緑帯付きの紙製貼箱入りでした。滑尺が青くない初期型で製造刻印があり刻印は「RF」ですから昭和42年の6月製。ボディは何と30年代の後期に現れたあまり数を見ないHEMMI No.P45Kそのものでした。当然のことながら裏側に大きな緑色プラブリッジで上下の固定尺を止めており、透明セルロイドの副カーソル線窓が設けられているのですが、この体重バランス計算尺に限っては滑尺裏がブランクですから無用のものです。この8インチボディはコスト的に学生用計算尺に合わなくなり、昭和43年頃から裏板に上下固定尺を接着する構造のNo.P45SさらにNo.P45Dにモデルチェンジするわけですが、体重バランス計算尺もそれに追随したのでしょう。このように名称は同じでも構造的にはまったく異なる計算尺があるので注意が必要です。コレクション的にこういう計算尺のパターンモデルまで揃えるのは他に人にお任せしましょう(笑)
HEMMI 体重バランス用計算尺(初期型)表面拡大画像はこちら
HEMMI 体重バランス用計算尺(初期型)裏面拡大画像はこちら
| Permalink | 0
Comments
いつも大変参考にさせて頂いています。
同様に「白い」体重バランス用計算尺を入手しました。刻印は「ヘUL」でした。1970年製造と思われます。
過去のコメントの自分のハンドルをことごとく間違ってしまっていて恥ずかしいです。ローマ字の綴りとカナが一致していないのが良くないのですが。
ぐゎんかい (Gwankai)
Posted by: ぐゎんかい | February 25, 2014 01:41 AM