HEMMI No.P403経営用計算尺(販売業用)
HEMMIの特殊計算尺は他の企業との共同開発によって誕生したものが数多く発売されていますが、この経営計算尺も株式会社田辺経営という経営コンサルタントらしき会社とのコラボによって発売された計算尺です。現在でも社名はカタカナに変わりましたがコンサルタント業をメインに会社は存続しています。この経営計算尺は製造業用と販売業容の2種類があり、それぞれNo.P402とNo.P403と400番台の特殊計算尺の型番が与えられています。発売は昭和40年代に入ってからで、ベースはベストセラーNo.P253と同じものですから、生産は山梨の技研系OEMということなのでしょう。おそらく長期間にわたって生産され続けたものではなく、短期間に製造されただけのものであったと思われますが、意外と古い文房具屋の片隅からデッドストック状態で発見される機会もある計算尺です。やはり純粋なる計算用具としての計算尺よりはあきらかに売れなかった計算尺なのでしょう。 この P402と P403は解説書が 付いたセットと一般の2種類が発売されていたようです。 入手したのは販売業用のNo.P403のほうです。入手先は以前に稀少尺であるNo.274と同じ人からで、大阪は高槻市からの入手になります。外箱及び取り説はありませんでしたが、プラケースの中にリファレンスシートが入っていました。刻印は「RB」ですから昭和42年の2月製です。
このNo.P403は緑色成形色のブリッジが接着された裏面が√10切断ずらし尺をもつ普通の計算尺で、表面が経営分析に使用する各種尺度を持ち合わせた部分になります。また裏面の普通計算尺部分にはLL1,LL2尺が刻まれていて、この部分で複利計算と成長率などの計算を行うようになっているようです。表面で行える経営分析計算は説明書がないので全部の機能はわかりませんが、総資本経常利益率、損益分岐点操業度、限界利益率、売上高増加指数、自己資本比率、自己資本比率、自己資本増加指数、支払利息率、流動比率、一人あたり年間経常利益、一人あたり月間付加価値高などを計算して企業としての経営分析を行う資料を得るものですが、当然のことながら会計学の知識が少々ないと意味のない計算尺であることは、高周波の知識なしにNo.266を欲しがるようなものでしょうか(笑)
この計算尺は400番台の型番が示すとおり特殊計算尺のカテゴリーに入っていますが、デッドストックが各地から発掘されるためか400番台の計算尺にしては比較的に入手しやすく、続けて数本出品が続いたために落札金額がさほど上昇せず入手に至ったものですが、その後また出品がしばらく途絶えてますので、次回は又けっこうな金額になるかもしれません。
HEMMI No.P403経営用計算尺(販売業用)表面拡大画像はこちら
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