RICOH No.107 電気用計算尺
このRICOH No.107は一昨年入手したことさえすっかり忘れてしまって、いままで放り出していたものです。言わずと知れたRELAY/RICOHの数少ない片面特殊計算尺のなかでもNo.107は電気用で、HEMMIのNo.80Kの競合商品なのですが、日本の計算尺の中でも数少ないダルムスタッドタイプの計算尺で、それだけはオリジナリティーを感じさせます。そのルーツはダブルスターRELAYの昭和20年代末期までさかのぼりますが、もしかしたら戦中戦後のアイデアルRELAYの時代にも型番は同じで微妙に異なる、おそらくHEMMIのNo.80そのままに近いようなNo.107があったかもしれません。というのも戦中航空尺にNo.109というのがあるので、No.107がすでにあってもおかしくはないのです。今回のはRICOHブランドのものですが、数年前すでにRELAYブランドのNo.107を入手しており、刻印などの比較が目的で入手したものです。カーソルフレームに切れが生じており、未使用ながらジャンク扱いの1,000円即決で入手したと思います。HEMMIのNo.80Kなどと異なり、このNo.107は補助カーソル線もなくNo.116などと共用なので、100円ほどで以前入手したNo.116のカーソルを流用してまともな一本ができあがりました。うちには同一型番の計算尺ながらRELAYとRICOHの双方が存在する計算尺が何機種かあり、比較するとRELAY時代には逆尺の目盛も数字も赤で刻まれたものがある(No.84やNo.116等)のに対してRICOHブランドになってからは逆尺は目盛が黒で数字だけが赤というものが殆どで、いささか地味になってしまった計算尺が多くなった感がありますが、このNo.107はRELAY時代から逆尺も数字だけ赤で目盛も黒です。また、数が月前ですがNo.107としては3本目となるRICOHのNo.107を入手しました。というのも競争相手がなく300円で落札出来てしまったからですが。こちらは掲載写真にケースがなかったため、計算尺のみだと思っていましたら、ちゃんとケース付きで送られてきました。ところが箱はRELAYの箱でした。RELAYからRICOHに変わるRELAY端境期にはこういうことがよくあったようで、他の計算尺でもRICOHの箱にRELAY刻印の計算尺が入っているなんて例はこの時期にはよくあることです。RICOHのほうのNo.107は刻印L.S-3で昭和38年3月製、RELAYの箱に入ったほうはL.S-1で昭和38年1月製です。ちなみに一番最初に入手したRELAY刻印のNo.107はJ.S-3で昭和36年1月製でした。ところで、ダブルスターRELAY時代の輸出用片面電気用にNo.E-1001というものがあり、当方の手元にはないのでなんとも確証はないのですが、こちらはダルムスタッド型ではなく、むしろこちらが尺のレイアウトなどの違いがあるにせよ、機能的にはHEMMI No.80に限りなく近い電気用片面尺だったようです。先行して入手したNo.107は愛媛の松山から。後から入手したNo.107は大阪の枚方市からでした。
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