HEMMI No.269初回生産分?(OH刻印)
これはやはり2年ほど前にたったの500円で千葉から入手した何の変哲も無い紺帯箱入りのHEMMI No.269土木用計算尺ですが、紺帯箱ということもあって昭和41年もしくは昭和40年の年末くらいの製造かと思いきや、なんと製造刻印「OH」ですから昭和39年の8月製造分です。たぶん今まで確認が取れている中ではもっとも製造刻印が古いと思われますがどうなんでしょう?ところで当時新たに発売になったNo.266やこのNo.269などは初回ロットの昭和40年発売ものだけが従来の緑箱入りで、昭和41年発売分(昭和40年後半の製造分)から他の両面尺などと同様に紺帯箱に変わったはずなんですが、なぜか初回ロットとして発売されるべき古い刻印のNo.269が紺帯箱に入って出てくるのかがわかりません。以前入手したNo.269はPA刻印で昭和40年1月の製造ということになり、こちらは箱がありませんでしたがおそらく緑箱入りで発売されたものだったのでしょう。しかしなぜにそれより古いNo.269が紺帯箱なのか、理由はわかりません。売主の父親の持ち物ということで、この方は大手ゼネコン勤務の方だったようですが、ご多分に漏れず大手は電子計算機化が早かったためかまったく使用されずにしまい込まれたらしく、調整ねじはまったくドライバーが当てられた様子も無く、竹の両端もまったく汚れず中身はほぼ新品に近いような状態でした。そんな状態の計算尺ですから、ケースがボロボロになって、ケースだけ新しいものと交換したなどということは考えられません。ところで、よく製造刻印と言われてますけど、この刻印は果たして完成品として出来上がった直後に打たれたものなんでしょうか?どうも未使用の計算尺はこの製造年月と説明書の印刷年月が1年ほどずれているものが普通です。となると説明書の印刷年月以降に発売されたと考えるべきでしょうから、その間完成品を1年も在庫として抱えていたことになります。在庫も半完成品も材料も資産ですから税金をはらわなければいけません。果たして一年もの間、すぐにお金にならない完成品を寝かしておく余裕なんてあったのでしょうか?どうもこの製造刻印は材料のエージングの状態を知るために目盛りを切る最終工程以前に打たれたのではないかと考えます。そうだとすると昭和41年発売分のNo.269の中に昭和39年8月刻印の本体があってもおかしくありませんし、製造刻印と取り説のデートコードが1年ずれていようとまったく矛盾はありません。ところで、今気が付いたのですが、このNo.269の箱、紺帯じゃなくて明らかに黒帯ですね。
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