RICOH No.151 中期型(高級機械技術用)
RELAY/RICOHの技術用計算尺中ではもっとも尺種類が詰め込まれた部類の計算尺がNo.151です。RICOHの機械技術用計算尺としては最高級の部類に入る、いわゆるフルログログデュープレックス計算尺で、HEMMIでいうところではNo.260あたりのポジションでしょうか。もっともHEMMIのNo.260はRICOHのNo.151よりかなり後発の計算尺です。このNo.151は延長尺部分が存在するために他の両面計算尺より長いという特徴があり、他の両面計算尺とはケースが共通化できないため、ケース本体は他の物と共通にして蓋だけ特別に長いものを用意してNo.151用にしています。RELAYの時代から作られている計算尺なのですが、RELAY時代は殆ど輸出に回ってしまったためか、なぜかしら国内からRELAY時代のNo.151が見つかりません。かなり以前に小型カーソル付きで青蓋プラケース入りの末期型を入手済みでしたが、この末期型は説明書こそありませんでしたが未使用のもので、もったいなくてそのままコレクション箱行きになってしましました。 そして今回、神戸から入手したNo.151は金属のカーソル枠が付いた中期型で透明塩ビケース付きのものです。刻印はRS-5なので昭和44年5月のものですが、おそらくこの年の末にはRICOHの片面計算尺も両面計算尺も青蓋のブロー成形で作られた塩ビケースに変更になったようです。また翌年にはCIF尺がグリーン化する機種(No.1051SやNo.1053等)もあらわれますが、No.151はラストまでCIF尺が黒目盛赤数字のままで終わってしまったのがマニア的には惜しいのでしょう。また、No.151のなかにはまるでHEMMIのNo.254W-Sの電子用のようにKI,AIの各逆尺にdb尺まで備えるような学校特注品と思しきものが過去見つかっており、また「OD No.151」という品番の滑尺裏面にBI尺が入った関係で滑尺表面にT2尺が移動した特注品などもあり、もしかしたらまだかなりの派生型が見つかるような可能性があります。それにしてもNo.151の数がNo.1051あたりと比べるとかなり少ないので、とんでもないNo.151に出会う確率は宝くじに当たるよりも低いかも知れません。ところで、数年前にNo.1510という同じく延長尺付きの両面計算尺が矢継ぎ早に10本近く出たことがありましたが、カーソルなどからして殆どNo.151の中期型と表面は変わらないようでした。裏を見たことがないので、なんとも言えませんがNo.151の輸出用の型番だったのでしょうか。ともあれ、No.151のほうはこれからさらに時代が下った昭和48年製まで確認されてますので、No.1051はNo.151の後継機種というわけではなかったようです。
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