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December 13, 2012

スタンダードC470のメンテナンス

C470_091341 広域帯受信に対応してかつ、V/Uのゲインの高いアンテナを中古で物色し、落札したらジャンクでいいならとUのハンディ機をいただきました。いただいたのはスタンダードのC470で、先だって電源の入らないという修理を依頼されたC460の後継機種になります。このC470はアナログ式携帯電話の勃興期に発売された機種であり、携帯電話の回路技術のフィードバックによりC460と比べるとかなり小型軽量化され、電池ケースを外した状態の大きさは今出来のハンディ機とさほど変わりません。しかし、小型高出力の背面装着型リチウム電池登場以前の機種のため、下に電池ケースを装着するのは以前の機種と変わらず、なんか中途半端で惜しいような気がします。面白い機能として430メガ帯のトランシーバにも係わらず、144メガ帯が50mWという微弱電波で送信可能なことです。この時代のハンディ機のことはあまり関心がありませんでしたが、他メーカーでもモノバンド機は同様な機能があったのでしょうか?そのため、申請上ではデュアルバンダー機扱いになります。また受信拡張を施せば下はFM放送帯の82MHzから上は999.990まで連続して受信が可能なようで、エアバンド帯は自動的にAM受信になる優れものです。
またロータリーエンコーダーが一種のジョグダイヤルになっていて、早く回すと周波数が大きく変化し、細かく動かすと通常の設定ステップで周波数が変化するような仕組みになっていますが、本体を右手で握ったときにちょうど親指が掛かるように大きくなっていて、片手操作が容易です。このダイヤルの採用でアップダウンキーがなくなりましたが、テンキー操作はフル入力可能でバンド切換なしに下は080.22から上は999.99まで親指一本のダイレクトキー操作ですぐにQSYが可能で、広域帯受信機代わりとしても十分な操作性を備えます。2種類のメモリーユニットが用意されており、これを電池ケースを外した本体に差し込むことで、40chと200chの周波数メモリーが可能というのは、当時メモリーチップがまだまだ高かった時代ですので仕方がない仕様かもしれませんが、この個体には40chのメモリーカードが装着されていました。このカードを取り付けると起動時にポパピポ音とディスプレーにC470の機種名が表示されるというギミックが仕組まれていて、この起動音はSFチックでスタートレックマニアには受けそうな。
 広域帯受信機能付きで、その昔エアバンド受信によく使われたDIAMONDのRH-901のおまけとして届いたC470は電源が入らないということで、乾電池ケースを外してよく見ると前後の電極を繋ぐ金属のタブが下に曲がって前後のケースの底に挟みこまれている状態で、これでは乾電池電源の用途を果たしません。ラジペンで反対側にちゃんと接触するように整形して電池を入れると、当たり前のことですが、ちゃんと上部の電極に電圧がかかりました。電池ケースを装着して一旦リセットをかけて電源を入れないと電源が入らないのではないかと危惧しましたが、電源スイッチを押しただけでポパピポ音とともにあっさりと起動に成功。メモリー機能も正常ですので、バックアップ電池も抜けていないようです。受信拡張改造もされており、これであとはもう手をかけるところがなく、逆にちょっとがっかりしました。
まあ、これでは技術的興味は満たされないので、コンデンサー液漏れチェックをかねて分解します。底のビスを外し、上パネルの選局ダイヤル、スケルチ&ボリュームノブを外し、防水ゴムに隠れている2本のビスを外し、BNCコネクタ台座の防水ゴムを外します。そしてサイドとバックのビス2本を抜くと本体が前後に分解出来ますが、この時代はもうコネクトがフレキシブル基板となっており、この基板を切らないように注意しなければいけません。さすがに前設計で懲りたのか、この時代のスタンダードのハンディーもご多分に漏れず表面実装の電解コンデンサーが極力廃され、変わって容積も小さいチップタンタルコンデンサーが多く使われています。一部使用されている表面実装の電解コンデンサーに液漏れの兆候も見当たらず、内蔵バックアップバッテリーの電圧も十分だったため、今回は予防のためのコンデンサー交換もなしに点検後にそのまま組み立て直してしまいました。
 C470は技適機種なので、電子申請ですぐに変更届を出すことが可能で、TSSに保証認定を申請する必要がなく楽ですが、乾電池パックで1.5Wの出力しかなく、自ずから主にレピーター交信用などに用途が限られます。トランシーバというより広域帯受信機代わりにポケットに忍ばせておくという用途で使用したほうがいいような。でもまあ、今出来の同クラスのトランシーバと比べて電源電池の分だけ大きいのはしかたがありません。その分電池ケースがグリップ代わりになって握り易いことは確かです。


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December 11, 2012

ALINCO DJ-560SXの修理

121207_122547  携帯電話以前のハンディー機ブームの最中、爆発的に売れたスタンダードのC520に対して同世代のアルインコDJ-560SXは今ひとつ人気がないようで、オークションでもパスコン抜けで不動のC520が数千円台で落札されるのに対してアルインコのDJ-560SXは動作品でも半額以下という相場ですが、どうしてDJ-560SXの機能はC520に対して劣らずとも勝るところが多いので、安く見つけたら入札してみることを勧めます。当方、長年アルインコのデュアルバンダーハンディー機の前作、DJ-500SXを相場が安かったという理由だけで中古で手に入れて使用していましたが、このハンディー機は同年代他メーカーのものに比べてロータリーエンコーダーがなく、機能的にもかなり同年代他機種に見劣りしていましたが、次作のDJ-560SXは同じメーカーの商品かと思えないくらい機能が充実し、満足できる機能と操作性を備えています。説明書には歌われていませんが、コマンドで受信拡張するとAMのエアバンドの受信が可能なAM検波機能を備え、エアバンド帯まで受信範囲が拡張できながらAM検波機能がない当時のハンディー機と一線を画します。また回路的にも電解液漏れしそうな表面実装コンデンサーが最低限しか使われておらず、結果的に20年以上経過した現在でも動作可能な個体が多い結果につながっています。
 大変に売れたC520の約半年の後発組のデュアルバンダーハンディー機ですが、C520と機能を比較してみると周波数拡張によるバンドの拡大は若干C520のほうに軍配があがりますが、C520にはAM検波機能がないのでエアバンド受信には不適、DJ-560SXはコードレスホンの380メガ帯まで拡張受信帯がカバーされていない。C520レピーターモードは手動だが、DJ-560SXは439メガ帯は自動でレピーターモードになる。C520はバンド内周波数帯切り替えはF+0 F+3の操作が必要だが、DJ-560SXはF+UHFボタンのみで操作可能。C520のVHF帯ボリュームとスケルチ操作がアンテナの根元が邪魔で操作性不良なのに対してDJ-560SXは操作性良好。チャンネルメモリーがC520は片バンド10波で若干見劣りするのに対し、DJ-560SXは片バンド20波。C520はメイン基板をC620などと共通化したためか、表面実装のパスコンが多く、これがことごとく液漏れして不動になるのに対し、DJ-560SXは電解コンデンサーのパスコンが極力廃され、液漏れ不動のリスクが小さい。C520のボディーはオールプラスチックなのに対し、DJ-520SXのスピーカーグリルは金属製で、衝撃で角がへこみやすく、また擦れて塗装がはげるとみすぼらしく見える。またスピーカーグリルから機種名が見えるデザインはソニーのドデカホーンをぱくったみたいでオリジナリティーに欠ける。C520の出力切り替えがF+POで3段切り替えなのに対してDJ-560SXは背面スイッチの2段切り替え。C520のスピーカーマイク端子のオーディオアウトが一般的なモノラルなのに対し、DJ-520SXはV/Uの独立したステレオアウトになっているので、一般的なモノラルのスピーカーマイクを取り付けるとショートして回路が壊れるリスクがあるので専用しか使わないようにとの説明書きがあり、スピーカーマイクの選択肢が限られる。C520は前機種までの何年かでキー配置の試行錯誤の結果、使いやすいキー配置に落ち着いたがその分、ボディーが幅広となった。DJ-560SXはスリムだがキーの操作性はC520に比べて劣る。全般的な評価からすると内部パスコン液漏れ不良で殆どが不動となるC520と比べて若干後発でありパスコン抜けリスクが少なく、無理して不動のC520を高額入手するよりエアバンドのAM受信が可能で中古相場が安いDJ-560SXのほうがいいのではないでしょうか。
121207_123228  機能比較対照として入手したDJ-560SXは入手価格2600円なり。乾電池ケース付きで、送受信確認済みとのことでしたが、届いてみるとスピーカーからの音が小さいという不良があり、いわゆる低周波増幅回路のパスコン抜けでしょう。開腹してみないと回路がどういう構成になっているかはわかりませんが、逆にボリュームからパターンをたどれば問題のコンデンサーに行き当たりそうです。このとき参考になったのがアルインコの欧州代理店が公開しているサービスマニュアルで、点検ポイントが細かに記載されているので、これに従えば必要な測定器がある限り完全調整が可能となります。このサービスマニュアルの部品構成図にしたがって開腹しますが、最初に上のパネルのネジ一本とV/Uのボリューム・スケルチ・エンコーダー軸根元のナットを蟹目で外さないとパネルが外れず、さらにこのパネルを外さないと前後のボディが分解できないため、この部品構成図がないとすぐに内部まで至れなかったと思います。また前後の基板をとめているのはパソコンなどでも使用されているフラットケーブルコネクターで、このコネクターの両側の突起をマイナスドライバー2本で押し上げ、フラットケーブルを外しますが、あまりこのタイプのコネクターに縁のない人は外し方を知らずにフラットケーブルをそのまま力で抜こうとしてパターンをはがしてしまうかもしれません。またコネクターの材質がジュラコンかなにかの粘りのない素材なので慎重にやらないと固定の爪を折ってしまいます。低周波増幅系などの回路が収まった基板の4本のネジを外して基板をめくると4個の表面実装コンデンサーが並んでいて、そのうち耐圧6V 47μFのコンデンサーのマイナス足が腐食して変色してましたので、どうやらこれが原因で低周波出力が上がらなかったようです。液漏れまでは至っていなかったので、経年劣化で容量低下を起こした状態だったのでしょうか。パターンにダメージを与えないため、このコンデンサーをニッパーで破壊し、残った足を半田吸収線できれいに残りの半田ともにきれいに吸い取り、ランドをクリーナーで丁寧に洗浄しました。され、交換用コンデンサーですが、47μFのコンデンサーはパソコン基板で多用するため、色々な耐圧のものの在庫があるのですが、高耐圧のものは直径が大きく、ハンディ機の内部に使用するのは余裕がないので、もったいないのですが耐圧10Vで47μFのディップタンタルコンデンサーをおごってしまいました。1個200円以上したと思いますが、普通の電解コンデンサーだったら10個くらいは買える金額です。ついでにバックアップ用電池の電圧121207_123253を測ると通常3Vのところ26mVくらいしか電圧がなく、これも無条件で交換です。この機種は薄いCR2016のタブ付き電池を使用しており、本来ならば自由に電池を交換できるソケット式に変えたいところですが、スペースの関係でソケットが収まりません。そこでピラめいたのはソケットの金具をCR-2015を差し込めるようソケットから外して整形したのち基板に半田付けし、電池を差し込み、そのままでは電池が踊るので電池を差し込んだ状態でホットグルーで固めてしまうというものでした。絶縁に注意しなければいけませんが、この作戦は意外とうまくいきました。CR-2025は100円ショップでも手に入りますし、ソケットは10個まとめて500円くらいで入手したものです。高いタブ付きリチウム電池を買うよりよっぽど安上がりな方法です。
 慎重に組み立て直してファンクションを押しながらUのつまみを回して電源オンとともにリセットがかかり、正常に電源が入ってスピーカーからも大きく音が出て正常動作を確認。部品総額350円と工賃0円なりで修理完了です。このDJ-560SXはエアバンドのAM受信感度も申し分ないので、もう少しゲインの高いアンテナを装着してエアバンド専用受信機として使用しようかと思っています。


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December 10, 2012

スタンダードC520のコンデンサー交換修理

C520_184701  第一の素材は数ヶ月前に入手したスタンダードのC520です。たぶん平成に年号が変わったころに発売されたデュアルバンドのハンディー機ですが、当時の新機軸としてV/U同時受信が可能になった最初の世代に属するハンディ機です。アクションバンド誌の影響かどうかは知りませんが、コマンドによる受信改造などの自由度が大きく、映画の影響でスキー場などで使う人間が多かったからか、かなり売れたハンディ機のようです。当時の一番人気機種だったのではないでしょうか?そのため、オークション上でも常に見かけるハンディー機ですが、よく知られているように使われている表面実装型電解コンデンサーの不良で、まともに電源が入らないものが多く、さらには電源を入れると送信状態になったり、電源をいれていちいちリセットを掛けないと表示が出ないなどの症状はこのコンデンサーの液漏れによる容量低下や通電不良、さらに内蔵リチウムタブ電池切れが原因になることが多いようです。メーカーではすでに修理の受付は終了しているようなので、これらの修理は自己責任による個人修理で基板洗浄のうえ、コンデンサー交換を行うことになりますが、ほとんど千円未満の部品代で修理出来るのであればそれに越したことはありません。それがいやであれば個人でC520の修理を業としている某氏もしくはラジオ何とかという神奈川の業者に修理依頼するしかありません。ネット上ではC520の修理例が山のように載っている関係かC520のジャンクは残存価値以上にオークションで価格が高騰します。しかし、普段から半田ごてもあまり握ったことがない人がジャンクのC520をいきなり修理しようとして、どれくらいの割合で修理を完結出来たのでしょうか?
 釧路から入手したC520はスピーカーマイクが付属してましたがそこそこの落札額でした。実験用の安定化電源を底の端子につなぎ、スイッチをひねっても表示も音も出ません。そこでボリュームとスケルチおよびロータリーエンコーダーのつまみを外し、底ビスと前後の筐体を止めているビスを外すと本体が分解できますが、予想通り表面実装の電解コンデンサーは液漏れしきったものやマイナス側の足に緑青が浮いたものばかりで、あまつさえ電解液が基板に漏れ出して汚染しているものもあり、コンデンサーを除去したあとに徹底的に電解液を洗浄しなければ基板上でショートを生ずることもあるかもしれません。また、なぜかタブ付きリチウム電池が付いていませんでした。とりあえず表面実装電解コンデンサーを除去しますが、液漏れコンデンサーをおそらく数百個単位で交換した経験上、そのまま熱を掛けてランドから浮かせてはがすのは、それでなくとも腐食で弱くなったパターンを基板からはがしやすく危険で、結論からしてニッパーでコンデンサーを根元から切り取り、残った足を半田吸い取り線をあてて半田ごてで溶かして除去するのが一番安全という結論に達しています。このうち220μF 6.3Vの筒型電解コンデンサーのみ50Vの耐圧のものしか手持ちがなかったのと、液漏れの様子がなかったので交換を見送りましたがこれが大きな誤りでした。手もちのコンデンサーはすべて標準サイズの足つき電解コンデンサーでこれをそのまま取り付けたのでは前後のケースが閉まらないので、足同士がショートして動作不良が起きないように配置を考えて足をまげてコンデンサー本体をオフセットする必要があります。たまたま33μF 6.3Vのコンデンサーは小型のディップタンタルしかなかったため、これを取り付けることによって少しスペース的にゆとりが出来て何とか標準サイズのコンデンサーの組み合わせて前後のケースを閉じることが出来たような感じです。コンデンサーの半田付け前にエレクトロクリーナーで液漏れ箇所を徹底的に洗浄したのは言うまでもありません。これを怠るとかならず動作不良を来たしたり、パターンの腐食を進める原因になります。第一、洗浄しないとランドに半田が乗らず、いも半田になったり余計に熱を掛けてパターンを剥がしてしまう原因になります。
手持ちのタブ付きCR2032電池は足の長さが基板まで届かなかったため、切ったコンデンサーの足をエクステンションにして基板上に半田付けしました。そして本体を組み立て直し、安定化電源を底の端子に繋ぐと電源が入らず、横のリセットキーのホールをピンで押してリセットを掛けると、電源が入って表示も出たのですが送信状態に陥ってしまって通常動作はしませんでした。しかし何回かリセットを掛けると受信状態になったりもしますが、一旦電源スイッチをひねってオフにして再びスイッチをひねっても電源が入らず、またリセットを掛けると表示が出て送信状態に陥るというような状態になってしまいます。どうも220μF 6.3Vの筒型電解コンデンサーを交換しないと埒が明かないようで、ネット上で耐圧が10Vのものを発注しましたが、これも標準サイズの足つきコンデンサーしかなくまた足同士がショートしないように本体をオフセットして取り付けなければなりません。コンデンサーはまもなく入手できたのですが、古パソコン再生作業のほうが忙しくなって2ヶ月も作業を放っておいてしまうことになりました。
 作業再開のきっかけはたまたま入手したアルインコのDJ-560SXというデュアルバンドの時代も機能もC520と殆ど変わりないハンディ機をC520の半値近い落札額で入手し、たまたまそのDJ-560SXがスピーカーからの音が小さいという故障を生じていて、この症状は十中八九は低周波増幅回路のパスコン抜けに違いなく、分解すると案の定、表面実装の電解コンデンサーのマイナス足が液漏れで腐食しているという大変にわかりやすい状態になっており、これを同容量同耐圧のものが高いディップタンタルコンしかなかったため、もったいないと思いながらこれを交換して一発で修理完了した勢いで、C520の残りのコンデンサー交換にも手をつけたのでした。C520の220μF 6.3Vのコンデンサーはこの4個だけスルーホールで裏の基板に半田付けされています。そのため裏側から半田吸い取り線を当てて半田ごてで半田を融かして除去するのですが、基板の裏側に一部スルーホールを伝って電解液で汚染されていました。コンデンサーは割と簡単にスルーホールから除去できましたが、スルーホールに半田が残ってしまい、いくら半田吸い取り線で半田を吸い上げようとしても除去できません。それで車で15分ほど離れたホームセンターにピンバイスと極小ドリルビットを買いに走ってしまいました。何とかスルーホールの半田をさらい、PTT付近の3個のコンデンサーの交換に成功しますが、CPU付近の1個を見落としてしまい、組み立て直してもいちいちリセットを掛けないと電源が入らないという症状は改善しませんでした。CPU付近のコンデンサーを交換してはじめて正常に表示をして受信常態になるのですが、スイッチを入れたときに一瞬もしくはほんのわずかな秒数、発信してLEDが赤表示になったあと通常の受信状態の緑に戻るという症状が出てしまいました。コンデンサーの極性や容量のミスはないはずです。それで半田付けの部分をもう一度総点検し、一部のコンデンサーの半田付け部分に熱を掛け直すことにより、スイッチ投入直後に発信状態に陥ることもなく、完全に通常動作するようになりました。最後に周波数計のBNC端子にアンテナを装着し、C520のアンテナにダミーロードを同軸ケーブルを介して取り付け、周波数計と疎結合としてFずれチェックを行い、誤差の範囲内であることを確認して修理完了です。さらにダミーロードに他のハンディ機のアンテナを疎結合して変調の具合をモニターしてみましたが特段問題なく、オシロを繋いでの変調度の測定等のチェックはパスしました。ただ一箇所不具合があって、原因はわかっているのですがSSGを繋いでチェックしなければいけなく、現状維持にしてあるところがあります。それは430MHzのRFレベルの強度が変化しないことで、これは内蔵リチウム電池直下のトリマーコンデンサーでレベルを調整するようですが、このトリマーが液漏れコンデンサーの電解液で汚染されていて直結もしくは不通状態になっているようで洗浄かトリマーコンデンサー自体を交換して基準信号掛けて調整しなおさなければいけません。現状使用する分には問題ないので、後日の課題にして今回は目を瞑ることにしました。
C520_091014_2 このC520には7.2Vの充電池パックが着いていましたが、適合するACアダプターでスロー充電を掛けても殆ど充電されず、中身を交換する必要がありました。ところが、最近は環境問題の影響か一般に入手出来るAAのタブ付き電池はニッケル水素電池に限られますが、このニッケル水素電池はニッカド電池に比べて高容量ですが、自己放電が大きいという欠点があり、またニッカド電池使用の機器に置き換えるのには充電器や保護回路の問題を始め、いくつか注意を要します。当方は機会あるごとに秋葉原でタブ付きのニッカド電池を電卓修理用に購入しており、ほかにも未使用ジャンクの組電池ニッカドパックを集めていましたので、無条件に6本組みのニッカド電池パックを作って中身を交換することにしました。今出来のタブ付きAAニッカド電池は1100mA/hのものがあり、手持ちもあるのですが、これはけっこう高価(一本300円?)だったので、ジャンクで入手した700mA/h6本組み電池を使用します。作業はさほど面倒くさくありませんが、充電の保護回路として一種の温度スイッチが入っていて、充電が完了してニッカド電池の温度が上昇すると回路が切れる仕組みになっています。使用した電池パックの温度スイッチのほうが薄くて邪魔にならないものでしたので、こちらをそのまま流用しました。充電池パックを時計の裏蓋はがし工具で溶着部分を慎重に割り、中身を取り出すと、マイナスの電極から満遍なく白い粉が析出しています。これではさすがに充電能力はありません。配線配置を間違えないように組み電池のタブを半田付けしなおし、配線もつないでケースを接着してクランプ2個で固定し、半日放って接着が完全になった後にスロー充電し、ニッカド電池パックの再生が完了しました。おそるおそる電源のつまみをひねると、これがなぜかうんともすんとも言わず、あわてずにリセットを掛けると何事もなかったように電源が入り、通常の受信状態となりました。つかさず資料を見ながらコマンドによる受信範囲の拡張ならびにスタンダードの当時のキー操作による3桁入力というのは非常に使いにくいため、4桁入力の隠しコマンドで拡張領域でのダイレクトキー入力操作をやりやすくしました。コマンド入力による機能拡張はあえてこの程度にしておきます。
 周波数メモリーがV/U各10波だけというのは、同年代他メーカーの機種と比べても見劣りしますが、以前使用していたアルインコのDJ-500SXは鉄道のCタイプ無線機の3周波数が受信周波数拡張してもカバーされておらず、このC520は高利得アンテナを装着し、専ら鉄道無線Cタイプ受信用に使おうかなんて考えつつ、修理の上がった他のハンディ機とまとめてTSS経由で保証認定とって変更届を出さなくてはいけません

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December 09, 2012

旧型ハンディ機の修理

Handy_105128  ハンディのトランシーバというと携帯電話の技術的発展のフィードバックにより回路部品の集積化や電源のリチウム電池の小型化などにより、90年代半ばまでのハンディ機と比べると圧倒的に小型化して高性能となりましたが、その携帯電話の普及により電話代わりに仲間内での交信という用途が途絶し、もはや日中のV/Uバンドではトラック同士のお声がけ専用通信のような状態になりました。まさに携帯電話の普及が回路の高集積化の実現と需要の衰退という諸刃の剣になったようなものです。部品が集積化した今出来のハンディ機はたとえ壊れたとしてもアマチュアが修理に手を出すことは出来なくなりましたが、携帯電話の技術的発展以前のハンディ機ならば、かろうじてアマチュアが手をつけても修理調整が可能な回路設計のものが多く、実際にアマチュアのハンディ機修理例などはググればいくらでも出てきます。また90年代初期までのハンディ機は「私をスキーに連れてって」よろしくスキー場などのレジャーにおける仲間内連絡のマストアイテムで、昔のニフティーFSAKE仲間でもこのために講習で4アマを取ったという隠れ元YLがけっこういたものでした。このころがアマチュア無線局の開局数としてもピークだったようで、これらの需要層が携帯電話に移行して廃局してからアマチュア局も減少の一途をたどり、それに従いこの年代のハンディ機はオークション上に常に一定の数が出回っています。当方も開局当初は技適機種のハンディ機一台で局免を取得し、上級免許を取るまで一年の間ひたすら144/430 F3 10Wという局免に甘んじていた期間があり、「初交信は14メガ」を目標に、一年半後に1アマを取得して初交信は14メガを達成したのはいいとして、結局ハンディ機は最初の局免取得手段にしか過ぎず、その後も殆ど交信には使用していませんでした。しかし本業が獣医のHさんという登山家が各地の山の頂上からJ型アンテナを5Wのハンディ機に繋いでかなりの遠距離交信しているのを実際に何回も交信して、ハンディ機の用途も捨てたものではないと再認識したきっかけになりました。
 先日、元JARL支部長からどれも電源が入らなかったり動作がおかしいという無線機の修理調整(TW-4000 2台、IC-02N、C460)を頼まれて、内蔵電池交換から電池パックのニッカド交換、一部のコンデンサー交換と周波数計によるFずれ調整などにより取り合えず全部モノになったのにスイッチが入って、最近は古パソコンの修理再生と平行してジャンクの古ハンディ機の修理調整を何台か始めました。何台か修理完了させましたので、追って修理の経過を発表していきたいと思います。


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