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June 19, 2013

IDEAL RELAY No.505 5インチポケット計算尺

 つい最近オークション上に「戦前のRelay T-401」と称する4インチ逆尺付きマンハイム尺が出品され、その説明書きが商品とは異なっているものの、とんでもなく詳細で、相当な計算尺研究者の出品かと思いきや、こともあろうに以前当方が取り上げたダブルスター時代の輸出用T-401の記述を断片的にコピペした文章で、いかにも自分の独自研究のように装いながら、的外れな記述に終始し、あまりにも腹立たしいので質問欄に「当方の記述をコピペして的外れな説明を加えるとは不愉快だ」と書き込んだのにも係わらず、オークション終了まで無視を決め込まれ、なんら回答も釈明もないままオークション終了という事態がありました。さらにこの業者は新規のサクラを使ってとんでもない価格をBidしたのか、入札額を引き上げるということをいまどき平気で行い、結局はそこそこの値段で入札する人がいることがわかって、当初の出品価格の3倍半で再出品するというどこまでもとんでもない業者でした。さらに再出品の際もT-401の長い説明記述はばっさりカットしたもののコピペされた説明文使用には変わりありません。しかし気の毒なのは最初に手の内を晒してしまったIさんだった鴨。正直逆尺付きの4インチIDEAL RELAYは持っていないのですが、それより古い逆尺なしのNo.41は持っているし、こんな業者には死んでも入札はしません。ということで、腹立たしさが収まりきらずに今回取り上げるのは戦前尺と思われるIDEAL RELAY時代の5インチマンハイム尺で、楕円シールが欠落していますがおそらくNo.505というところでしょうか。戦前の品番がNo.55だったかどうかは確認していません。固定尺の左右に位取り指示のマークが入っているのが戦後のものと異なります。おそらく戦時中のもので、入手当初からカーソルが無く、丁寧に自作のサックにビニールで包装されていました。これは以前、茨城方面から学生尺をまとめて十数本落札したときの一本で、元の持ち主は相当な計算尺コレクターだったらしく同時に珍しい戦前の英国尺も2本落札しています。カーソルなしの状態で発掘されたことからもしかしたら以前は竹枠カーソルが付属していた可能性もあります。ちなみにこの竹枠カーソルは竹の弾性なんかも利用して巧みなはめ込み構造となっているのですが、にかわででも止めてあったのか本当にバラバラになり、悪いことに使用中であれば床にカーソルグラスを落として破損させるのは火を見るよりも明らかです。所詮物資欠乏時代の代用品なので、戦後も使い続けられた計算尺なら金属枠カーソルにアップデートされたのは確実です。今は便宜的にオキュパイドジャパン時代の裏板が完全に腐って欠落したNo.2634のカーソルを着けましたがこのNo.505のほうは2ミリほど幅が狭いので、カーソルバネを相当起こしてやらないとHEMMIの5インチ尺のカーソルはスカスカです。コピー元は明らかにHEMMIのNo.34RKなのでしょうが、本家には最初から無かった位取り指標が入ってるおかげで古めかしく見えてきます。本家に位取り指標がないのは、それまで4インチ尺にまで位取りカーソル付きを用意していたものが、No.34シリーズには最初から位取りカーソル付きの準備が無かったためのようですが、果たしてIDEAL RELAYのポケット尺に位取りカーソル付きが用意されていたかどうかはわかりません。もっとも計算尺を使う人間は計算結果の桁数なんかいちいちカウントしておかなくても直感的にわかる人だけが使用してますから、位取りカーソルが太平洋戦争までに廃れてしまった理由もわかります。固定尺上のスケールは0-13cmのメトリックで、下固定尺側面は0-5インチのインチスケールです。刻印は東洋特専興業も理研光学の刻印も無くRelayの商標のみで、本来蓋付きのサックケースが付属していたはずですが、戦争末期のRelayポケット尺のサックケースは和紙の貼り合わせの表面に擬革紙を貼り付けたものを縫って皮サックの代用にしており、そんなものが長く使えるわけではなく、失われて本体だけになってしまったものが殆どです。この和紙製代用並サックは6インチ尺についていたもの1個しか持っていません。
 しかし、この東洋特専興業時代のIDEAL RELAY時代の計算尺はなぜか尺種記号と数字がダルなことが特徴で、この計算尺のように版ズレしているものまで見かけます。目盛りよりも記号数字を太くするためには2度スタンピングしなければいけなかったのでしょうか?そのあたりがいかにもHEMMIよりもクオリティーが劣るように感じさせるのかもしれません。Relay計算尺がクオリティー面でHEMMI計算尺に迫るのは昭和30年代中ごろを待たなければいけないような感じです。
Ideal_relay505


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June 16, 2013

HEMMI No.40F 生徒用計算尺

 金属枠つきカーソルのHEMMI No.40RKを手に入れると、なぜか手元にまだ無いことが急に気になりはじめたHEMMIのNo.40Fですが、不思議なことにこの生徒用10インチ√10切断ずらし系計算尺は昭和30年代末期に入ってから突然ラインナップに加わったようで、8インチの学生用計算尺が戦後すぐにマンハイム系√10切断ずらし系の2種類が揃っていたのになぜここまで発売がずれてしまったのか、その事情がわかりません。そのため、√10切断ずらし系のNo.40Fはプラ一体型のカーソルが付いたものしか存在しないようです。ケースは30年代末期から40年代初期の仕様変更で、緑箱と緑帯箱の双方が存在します。また、学校教育用とは規格が異なる10インチ尺のためか、No.40RK同様にその大部分が輸出に回ったようで、国内から出てくる数はNo.40Kなどと比べると圧倒的に小数ですが、国内であまり売れなかったためか、売れ残りのデッドストック発見率は高いようです。ところが、よくよく調べて見ると輸出に大半が回ったように想像していたNo.40Fは欧米では一軒もOEM先が見当たらず、特に北米方面では√10切断尺になじみがなかったためかその存在自体注目されていないため、輸出といっても東南アジア方面向きのものだったか、もしかしたら国内専用だったのかもしれません。その都度スポット的に何年かづるづると製造されたということもありますので、製造刻印には今後とも注目していきたいところです。実は当方もまったくNo.40Fの存在は気にも留めていませんでしたが、40RKがあればNo.40Fがないのも不自然ですので、注目してみるとあまりケースはきれいでありませんでしたが100円で出品されているものを見つけ、久々に100円で落札した計算尺になります。No.40Fは緑箱時代の前期型と緑帯箱時代の後期型が存在するようですが、今回入手したものは緑帯箱時代の後期型です。前期型と後期型の違いは刻印のみで、前期型は滑尺右にメーカー刻印と形式刻印が入るのに対して、後期型は当時のNo.2664Sなどと同様に下固定尺右にメーカー刻印が入り、形式刻印は上固定尺右に入ります。またCF,CI.,C尺左に÷×÷のマークが追加され、カーソルには×÷×の刻印が加わり、初心者練習用計算尺の印象がより深まりました。他の竹製学生尺などと同様に固定尺断面はスクエアで、固定尺裏同様にセルが張られておらず、裏側同様ニス塗り仕上げとなっています。入手先は香川の東香川市で、製造刻印は「UA」ですので、昭和45年1月。8インチ尺は前年からプラスチックの山梨系OEMに変わっていますので、おそらくこの手の裏ニス塗り仕様の練習尺としては最末期のものになると思います。その後アメリカ輸出の10インチ練習尺も山梨系のOEMに変わったようです。今回初めて気が付きましたがNo.40RKの三角関数尺は当然のことながら順尺なのにNo.40Fの方はわざわざ逆尺に刻まれています。戦時中のNo.2664以来のHEMMI片面√10切断尺の伝統みたいなものですが、HEMMIが特許を持っていたらしく、他社が追随できなかったようです。逆に√10切断ずらし片面尺ながらNo.P45Dのみ順尺で、これは裏の副カーソル線窓が省略されてしまい、滑尺をひっくり返さないと使えないというコストダウンの事情によるものです。
Hemmi40f


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June 07, 2013

IC-551の2SC1972交換

 やっとのことで入手に成功した2SC1972ですが、入手の翌日にはIC-551のファイナル交換すべく作業開始しました。以前やったから手順は覚えているはずなんですが、スイッチング電源ユニットはすでに取り外してあるものの、オプション三点セットのP.B.Tユニット・VOXユニット・FMユニットを外さないと肝心の基板裏側に半田ごてが届きません。しかのこの3点セットは基板表に配線コネクターを接続しなければならず、さらにメインパネルからの配線をコネクターで接続するようになっているため、闇雲に外すとあとでどのコネクターだったのかわからなくなるというトラブルに見舞われます。そのため今回は外したコネクターにマジックインキで種別を書き込んでおきました。3点セットを外すために15分くらいの時間を要しましたが、順調に基板裏側が露出し、ファイナルの足の部分の半田を半田吸い取り線で吸収します。そして基板表のヒートシンク部分のネジを外し、元の2SC1972を引き抜きました。けっこう足も黒ずんでいましたので、結局は熱に耐え切れなくて切れてしまったのでしょう。実はIC-551本体の上に周波数計とマルチメーターの測定器2台を重ねて使っていましたので、熱が滞留してファイナル回りの冷却が悪くなることを繰り返している挙句の果て、ちょっと長時間酷使したことが引き金になり、ついには切れてしまったのではないかと分析しています。以前、同軸のコネクターに水が浸入したことによる接触不良でSWRが上がりっぱなしなのに気が付かないでファイナルを飛ばしたときはいきなり切れましたが、今回は急に変調が効かなくなり、最初はマイクのコネクターの接触不良かと思ったのですが、しばらくすると正常に戻って交信している最中に急に電源が落ちるという症状でした。しかも電源を再投入すると一瞬周波数表示が点灯するなど、前回の症状とは微妙に異なっていました。やはりこの2SC1972はSWRがずっこけたアンテナや熱にかなり弱いという人もいるようです。
 新しい2SC1972をシリコン放熱グリスをたっぷり塗りこんでヒートシンクにネジ止めし、基板裏側から3本の足をそれぞれ半田付けします。これを逆にやるとヒートシンクのネジ穴と2SC1972の穴位置がずれてネジで固定できなくなったりするのでご注意を…。そして、面倒くさいオプション3点セットを元に戻し、配線を基板表まで引き回して接続し、最後は電源ユニットを元に戻したのち底板を取り付けますが、この状態で電源コードを接続して電源をオンにするとなぜかザーという受信音がまったく聞こえません。マイクを差込み、終端電力計をつないでこの状態でSSBモードで変調を掛けてみてもまったく変調が掛からず、FMに切り替えると送信しっぱなしになります。よく見ると送信のランプがつきっぱなしになっているのです。ファイナルを交換しただけでなんでこうなるのか一瞬頭が真っ白になり、この夏もまるっきり棒に振ってしまうのかと今度は顔が青くなりかけました。冷静に操作をいろいろ試してみると、TRANSMITのスイッチを入れると電源が落ちてしまうような状況があり、何かVOXのコネクターの誤接続が疑われたので、よくよく基板の表を観察すると、結局はFMユニットのコネクターとP.B.Tユニットの同じピン数同形状のコネクターを誤接続してました。これを入れ換えて電源を入れなおすとちゃんと受信状態になり、終端電力計の表示でFMモードで12Wの出力を確認し、SSBモードで変調を掛けてみてもメーターの振れから変調は問題ないようです。ここまでの作業時間は予期せぬトラブルに見舞われて1時間半ほど掛かってしまいました。これで何とか5日ぶりに6mバンドにQRVとなりましたが、ためしにどこかCQを掛けている局を呼び出そうにもコンディションがPoorでどこからもCQの声はおろかCWも聞こえません。しかし、これを教訓にファイナル真上の放熱スリットの上には物を置かない、物を重ねないようにし、出来ればこの部分にフアンを増設して夏場の熱対策を行わなければいけません。また今回のようにファイナル入手で大騒動しないように、ちゃんと予備は用意しておくべきです。しかしファイナル放熱の具合というのはFMユニットさえ装着していない中身がすかすかの状態なら熱が篭るという心配もなく良好はずなのですが、どうやらオプション3点セットを装着することによって中の隙間がまったくなくなり、熱が篭り易くなってしまってファイナルの寿命を縮めるという結果になっているような気がします。フルオプションにする以前は相当な酷使に耐えたのですが、フルオプションにした時から2回ファイナルを交換したわけですから、やはり熱を吸い出すファンをつけるか、もしくはFMユニットだけに戻すか、思案のしどころです。

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June 06, 2013

結局2SC1972を入手

 130606_194157 2日の午前中、1エリア局と交信中に突然電源の落ちたIC-551でしたが以前ファイナルを飛ばした状況にそっくりなので、まず前回も非常に入手に苦労した三菱の2SC1972を探しました。そころがこの2SC1972はこのトランジスターよりもさらに入手困難でプレミアの付いた2SC1971同様にちゃんと三菱のマークが付いている「ニセモノ」が出回っているらしいのです。そりゃ元値が数十円の廃版半導体が数千円で売れるとなると中国あたりで作ったニセモノが世界に出回るわけです。このニセモノ半導体は値段の張るオーディオ系に多いらしく、ピンアサインは同じだが性能が劣るものから、似たような形の半導体にニセの型番を印刷した相当悪質なものまで百花繚乱の様相を呈しているらしいです。2SC1972の海外で売られているものを見ると三菱マークの菱形が離れているものや、三菱マークが入っていないもの、型番の印刷が若干斜めに入っているものなどがあり、すべてニセモノに見えてしまいます。日本での相場よりかなり安そうですが、こんなものに手を出さないほうが賢明です。そこで、日本の業者で廃版トランジスターが比較的豊富にあるO商会に在庫を聞こうと電話するも日曜で休み。月曜に改めて電話すると1個2500円とのことですが、在庫があるとのこと。背に腹は変えられず現金書留でレターパック送料を足して注文書と一緒に月曜のうちに発送すると、本日夕方にレターパックで2SC1972が届いていました。型番の印刷が若干斜めってる感じがするんですが、大丈夫かなぁ?金曜の夜にファイナルを交換して調整を済ませ、土曜日にはQRVしたいと思ってますが、せめてもの救いは2日が余りにも伝播がよかった反動か、ここ数日は6mの伝播が急にPoorとなり、6mにQRV不能でもあまり影響がなかったことです(笑)

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June 02, 2013

IC-551ついに壊れる

 6月に入り、急に6mの伝播状況が急上昇し、1日は一日中どこかの局のCQが聞こえるという状況でなのにもかかわらず、周波数の隙間を見つけてCQを出すもなぜかまったく応答がなく、しょうがないのでCQを出している局を片っ端から呼びに回ってましたが、夜になってから急に24メガの方にQSYして久しぶりに19時台に24.947近辺でCQを出し、数局と交信しました。この時間帯で繋がるのはたいてい3エリア局がメインなんですが、新潟の局や栃木の局ともスキャッタで繋がり、やはりEs層の影響を感じさせるコンディションでした。明けて本日は5時台前半からワッチを開始するも5時台は各地のビーコン局もCQを出す声も聞こえませんでしたが、6時台に突入すると急に各地の移動局のCQを出す声が聞こえます。そして朝から珍しく1エリア君津市の移動局にコールバックを入れると、なんとこの局が2004年に地元石油精製工場の災害復旧のためにわが町に数ヶ月滞在してその石油会社の独身寮にアンテナを立てて盛んに無線をやっておられた7N3LLI局でした。そのとき以来一度も話をしていない局で、その後どうしておられるかいつも気にはしていたのですが、思いがけなくも9年ぶりに交信できるなんていうことが無線のいいところです。とりあえず朝食に洗濯などの日曜日お決まりの雑事をこなし、8時台にバンド内の空いているところを探すも、かなり埋まってきており50.273という中途半端なところでCQを開始しました。順調に1エリアを中心に3,4,5エリアあたりからもコールバックをいただき、時にはパイルになりながら約1時間半で40局弱と交信。コンディションは千葉の湾岸地域が終始安定して繋がる状況でしたが、北は今期初めて7エリアは宮城角田市からコールバックをいただいています。ところが川崎は多摩区の局と交信中に突然IC-551の電源が落ちて交信不能に。一度SWRがコネクターの水の浸入で高くなりすぎて終段に負担をかけすぎ、パーにしてしまったときに症状は似てますが、今回は再度電源を入れると一瞬うっすらと表示が着くので、例のスイッチング電源のコンデンサー劣化による電源故障の可能性大です。こういうコンディション抜群の年に何回もない機会にしかも交信中にリグが故障するなんて忸怩たるものがありますが、とにかく安く手に入れた30数年前のリグをあちこち直しながら使っている状況なんで、いつ壊れてもいいように、なにか予備のものを手に入れておくべきでした。
 とりあえず外部の電源を使って通電するかどうかチェックしたいところなんですが、その外部電源コードの未使用品がどこに紛れ込んでしまったのかがどうもわかりません。再度QRVするのが早いか、それともシーズンが終わるのが早いか、はたしてどっちなんでしょう?

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June 01, 2013

HEMMI No.40RK 練習用計算尺

 当方のコレクションには今までなぜかHEMMIのNo.40RKがなく、というのも戦前のNo.40とかNo.47なら2本ずつあるのですが、戦後のNo.40RKにはなかなか食指が動かされなかったのと、意外にNo.40RK自体が見つからなかったのがいままで欠落していた原因です。また昭和30年代の末期からプラスチックの一体型カーソルに変わり、妙に安っぽくなってしまったのが嫌いでいままで避けていたのかもしれません。ところが今回は3本まとめて入手した計算尺の中に30年代中期の金属枠カーソル付きの40RKが一本含まれていたので、やっとコレクション入りしました。
 戦前10インチ練習用計算尺でスケールがなくスクエアの断面の裏面がニス塗りのNo.40にCI尺K尺を加えて戦後に発売したものがNo.40RKですが、日本の教育用計算尺が戦時中のNo.2640を以って8インチサイズに固定化(教科書からはみ出さないサイズと言われています)してしまったため、日本の教育用計算尺としてはオフサイズになってしまったためか、学校納入品からは外れてしまい、製造数の殆どが輸出に回ったようです。特にフレデリックポストのNo.1447として昭和40年代まで長期間にわたり輸出されていました。アメリカではK&EのベストセラーNo.4053-3同様に計算尺のスタンダードとして初心者からベテラン技術者の日常尺用途まで広く使用されたようです。
 ところで5インチポケット尺のNo.34系列は戦前すでにCI尺K尺を備えたNo.34RKというのが発売になっていましたが、No.40のRK化は戦後まで待たなければいけませんでした。その理由はNo.40は戦前より輸出主体の生産で、戦争直前にアメリカ向けの輸出が止まってから後はNo.40RK化する意味がなくなり、戦後の輸出再開までCI尺K尺の追加が見送られたということのようです。そうするとどうやらNo.34のRK化完了から戦争を挟み、10年掛かってやっとNo.40のRK化が完了したことになります。
 神戸から入手した3本の計算尺の中の1本No.40RKは刻印がJGですから昭和34年7月製。一ヶ月早かったら当方の生まれ月の計算尺ですが、残念ながら未だ生まれ月の計算尺は持っていません。ケースは緑の貼箱で、昭和34年ですから旧タイプの小ロゴ型押しです。このNo.40RKはサンプルが少ないので断言は出来ませんが、昭和37年頃からNo.45kなどと同様にカーソルがオールプラスチック製に変わりますので、この時代の金属枠カーソルのほうが計算尺らしくていいと思います。このNo.40RKは上カーソル溝にカーソル脱落防止が施されており、これはアメリカからの要望だったのでしょうか。プラカーソルになってからカーソル脱落防止の仕組みがあるかどうかは確かめていません。後年のNo.40RKと比較するとゲージマークはもとよりCとπしかありませんが、πの形がこのJGはいわゆる「釣り針足」の旧型です。またK尺の10,100,1000の表示が旧型はすべて1と刻まれているのに、プラカーソル付きの新型はちゃんと10,100,1000と刻まれています。またこのJG刻印の個体はアルミの裏板が古いダブルスター時代のRelay片面尺のように弁当箱みたいな黄色いアルマイト加工を施した板が使用されていて、HEMMIではこの黄色い裏板がなぜか昭和34年ものだけに存在します。うちにもNo.64を初めとして何本か黄色い裏板のHEMMI片面尺がありますが、なぜ昭和34年物に限ってアルマイトの弁当箱のような黄色い裏板が存在するのか、No.250の黒金具同様にひとつの謎です。本来純アルミ板にしないと貫通したピンを通して電位差を生じ、腐食の原因になるはずなんですが、材料屋が間違って材料をシュウ酸第二鉄アンモニウム溶液に漬けたのか、実験的にこの年だけ一部の裏板に使用したのかわかりません。
Hemmi40rk

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