コンサイスA型計量単位換算器
8エリアのOMさんから入手したコンサイスのA型計量単位換算器です。以前にも書きましたとおり、この換算表を中から引き出すデザインはatom氏によるとSama Etani氏という人のものらしく、同一デザインで用途別に目盛の変えられた各種の計算尺がSama社経由でアメリカに供給されていたようです。ご他聞に漏れずこのA型換算器も実験機器のメーカーが研究員に配った名入れノベルティーで、前回が高温滅菌器などの平山製作所のものでしたが、今回のものは真空ポンプなどの実験機器を製造しているアルバックという会社のもので、ケースにはマークが金箔押し、本体には社名とマークが青で印刷されています。昭和40年代後半の実験機器展示会かなにかで配られたものをまったく使わずに40年間しまいこんでいたそうで、まったくの未使用品でした。やはり研究員などに喜ばれるノベルティーとして実験機器の会社はけっこうこのコンサイスの換算尺を配ったようですが、もらったほうはあまりありがたみも感じず、活用もされずにしまいこまれる運命のようで、いままで目にしてきたコンサイスの換算尺は使い込まれた姿を目にしたことは一度もありません。もっとも単位換算は片面計算尺の裏側の換算表を見て計算するほうが楽でしょうし、HEMMIにしてもわざわざ製作したNo.P36だってあまり売れた様子はありません。また換算尺は仕向け国によって日常使用する度量衡が異なるので、仕向け国ごとにヤードポンドかメトリックがの違いを用意する必要あり、手間がかかります。この数量単位換算尺というのは、古来からいろいろな物が製作され、日本でも換算尺の特許は意外に多いようです。日本で一番換算尺が必要だったのは昭和に入ってからで、役所などの公式な計量単位が徐々にメートル法に換わることになって、尺貫法が頭に染み付いている日本人は馴染みのないメトリックに一種のパニックを起こし、木製・金属製・紙製の計量単位換算尺が雨後の筍のようにあちらこちらから販売されたことがありましたが戦後に入り、徹底的な計量法の規制のおかげで、日本人の頭も完全なメトリックに変ってしまい、昭和40年代には特別なヤードポンドの換算以外にさほど換算尺を必要としなくなったのが、この手の換算尺が売れなくなった原因ではないかと。
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