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May 26, 2014

第2級アマチュア無線技士資格養成講習は一体誰が得をするか?

 最近は無線の資格試験に関してはまったく興味が湧かないため、各試験期の上級アマ試験問題の出題傾向などを調べることもしなくなりましたが、最近、総務省によってとても興味深い制度の変更がなされようとしています。それというのも従来は上級アマ資格と呼ばれる2アマ1アマには養成講習制度が無かったのですが、今後は2アマの資格を養成講習で取得できるようにするため、5/23日まで総務省が2アマ講習に関するパブリックコメントを求めていたのです。過去はモールスの受信試験の廃止などにもパブコメを求めていましたが、過去に総務省がパブコメを求めるときはすでにその制度変更されることが決まっていて、最初から結論ありきでのパブコメ募集であることは火を見るよりも明らかなのです。
 しかし、この期に及んで2アマの養成講習なんか必要なんでしょうか?果たして誰のための制度変更で誰が得をするのかをよくよく考えてみる必要があります。
 すでに3アマの養成講習がモールス受信の予備試験を要しなくなって新たな制度で行われるようになって7-8年は経過したと思いますが、その間に数万人の4アマ所持者が1日の養成講習で3アマを取得しました。当初は全国各地津々浦々で行われてきた3アマの養成講習も限りある4アマ所持者が3アマにことごとくアップグレードしてしまうにしたがって受験人数も頭打ちになり、開催初期のころの活気はまったくありません。そもそもは養成講習にアマチュア無線機器メーカーやショップがぶら下がっており、3アマ講習の新制度による実施によって莫大な無線機買い替え需要を目論んでいた節があったのですが、実際に講習会にいち早く駆けつけたのは長年上級のふりをしながら免許をさらされてから過去の勢いを失ったOMたちを含む万年4アマ資格からのアップグレード組で、「資格4アマ、無線設備は1アマ」という実態があたりまえだったため、HF 10W機から50W機への買い替え需要増大という目論みは完全にあてが外れてしまったのではないでしょうか?
 3アマ養成講習で数万人の新3アマ資格取得者が生まれたのにもかかわらず、それからアマチュア無線関連メーカーや小売店が続々と廃業や倒産に追い込まれたのを見ても、この養成制度変更がメーカーやショップの実利に繋がらなかったことは確かなようです。その3アマ養成講習が頭打ちで、次のビジネスチャンスをなんとしてでも得ないとアマチュア無線ビジネスは消滅してしまうという危機感を強めた無線機器関連メーカーが総務省に働きかけ、まず2アマの養成講習を実現しようとしているというのは、おそらく本当のことでしょう。
 そもそも、そういう働きかけでもなければ総務省が自ら資格制度の変更を切り出すことが無いと断言できます。総務省が大してお金を生み出さないアマチュア無線資格のことに自ら深く関与する暇があったら、携帯電話関連の周波数確保の策のほうが大切でしょう。逆に言うとアマチュア無線の資格なんぞ、3アマであろうと2アマであろうと大して大きな差は無いと考えているのかもしれません。しかし、3アマにアップグレードされた人たちはすでに「資格3アマ、設備は上級アマ」の人たちであり、大人数の現3アマ所持者が2アマにアップグレードされたところで無線機器の買い替え需要が起こるはずもなく、内緒で使用していた無線機が晴れて正式な設備として固定局免許を交付されるだけで、今回も2アマ講習を総務省に働きかけた無線機器メーカーやそれにぶら下がるショップには実利がないであろうことは容易に想像できます。この2アマ養成講習で一番得をするのは、いままですべて養成講習で国家試験を一度も受験しないまま3アマから2アマにアップグレードしようとする現3アマ所持者だけなのです。さらに長年上級のふりをしながら免許状をさらされてからほぼQRT状態の人たちの復権のための救済処置か?なんて考えてしまいます。2アマ講習会で免許を取得しようが上級資格の免許状になって何年も経過してしまえばもうコールサインさえ古いとなるといつ上級免許になったかはわからなくなります。この現象を称してマネーローンダリングならぬライセンスローンダリング(免許状洗浄)というかどうかはわかりませんsmile
 個人的には今までまったく試験の勉強もしてこなかった人たちが4アマから2アマまですべて講習で取得することに関しては心情的にはあまり賛成できません。アマチュアである限りはこの手のことに関しても自己訓練があって然るべきだと感じてます。まして、過去に上級のふりをして我が物顔にオーバーパワーしてきた人たちの実情に合った免許を誰でも公平に受験することの出来る国家試験抜きで、実質的に金銭で与える事になることはおかしいと感じます。しかしまあ、今更どうでもいいというのが本音ですが、1アマまで養成講習を実施しようとしたら、本気で制度変更に断固反対するかもしれません(笑) 今後は年3回の2アマ試験の受験者がほとんどいなくなってしまうのが予想されます(モールスのある10年ほど前の2アマ試験も受験者は10名少々しかいませんでしたが)。実際に2アマの試験勉強をして試験に合格するのと養成講習で取得する労力の差が4アマ3アマ試験と養成講習の比とはまるで比べ物にならないからです。しかし、養成講習での2アマの免許は総務大臣名での発行に値しませんから、4アマ3アマ同様に総合通信局長名での発行に変更してもらわないと割が合いませんね。
 しかし、こうなると2アマの取得者がまた万単位の数で増殖し、それ以上の養成講習受講者が頭打ちになったとなると、次に手をつけられるのは最後の牙城「第一級アマチュア無線技士資格」となるかもしれません。ところが1アマには他のアマ資格では認められていないアマチュア設備などの第二種点検事業者として業務に就くことができるというプロの無線資格という側面があり、果たして1アマの養成講習が何年か後に総務省によってパブコメが募集されるころには、1アマの資格からこのプロの条項がばっさり切り捨てられる可能性は大いにありそうです。
 来年あたりから本格的に14メガあたりで日中「道の駅何番!」というような声が盛んに聞こえて、そこに群がる局がパイルになっているようなことを想像すると、14メガもつくづく住みにくくなってしまうのではないかと考えますが、2アマ人口が爆発的に増加すれば、日中14メガの7メガ化は避けられないでしょうsad

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Comments

始めまして、大変興味深く拝見致しました。有難うございます、私はこのたび、e-ラーニングで2アマを、取得いたしました。
あなたの、おしゃられる(いったい誰が徳するか?)は、なんですか?意味がさっぱり、わかりません。まっあ!、このようなところで論議しても仕方ありませが・・・誰が徳したかを?あえて言えば・・・徳は積むもの,我々の小さな趣味HAM!!!老婆心ながら。JN2OWE

Posted by: 宝田 三千代 | August 28, 2016 at 08:51 PM

楽しく拝見させていただきました。14メガが7メガみたいにはならないでしょう。今の18メガをワッチすればわかります。実技免除で一時増えた3アマも、コンディションに左右されていつでも交信できるわけではない18メガにそんなに飛びついてないような気がします。無線人口そのものが減ってきて、若い人の食指が動かないので状況はさほど変わらない気がします。

Posted by: JG5VFK | August 17, 2014 at 01:09 PM

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