« 意外に気がつかないHEMMI No.2664Sのインチスケール | Main | 炭鉱杖(タンコツ)と玄能つえ »

October 02, 2014

キンモクセイの芳香剤はなぜ廃れてしまったのか?

140921_143609  学生生活で初めて東京暮らしとなり、思いっきり暑い夏が終わってそろそろ冬の足音が聞こえ始めたある10月の晩、帰宅のためいつもの路地の角を曲がると路面にプラスチックのようなオレンジの小片が散らばっています。それと同時に特徴的な強い芳香を感じました。キンモクセイでしたが、何で本物を見たこともない北海道出身の人間がすぐにキンモクセイであることを理解したのかというと、兎にも角にもトイレや部屋の芳香剤として嗅ぎ慣れたおなじみの匂いだったためにすぐに気がついたのでした。普通は逆じゃないかと思うのですが、北海道では本物のキンモクセイが育たず、芳香剤でしかかいだことが無いからです。そのため、キンモクセイの香り=トイレを連想してしまうのが当時の年代を過ごした人たちには共通だと思うのですが、今やキンモクセイの香りのする芳香剤はほぼ絶滅品種となり、普通のドラッグストアなどに出かけても並んでいないことが普通になりました。キンモクセイの香りの芳香剤に代わり、平成になってから台頭したのがラベンダーの香りの芳香剤なんだそうで、今やトイレの香りのイメージといえばラベンダーなんだとか。これには汲み取り式から水洗に生活様式が変化して、強い香りで臭気をごまかす必要が薄れたということが大きいそうですが、我々の世代のポトーソ便所には「煙出し片脳油」などという戦前からの定番商品も存在してました。そういえばポトーソ便所にはトイレットロールではないシート状の「ちり紙」というのを使用していて、ちり紙交換などと言葉は残っていますが、再生技術の進んだ現代では信じらませんが当時のちり紙というのは古新聞古雑誌を融かして再生された再生紙ながらところどころに元の活字が残っているような下級の再生紙で、脱墨技術も確立されていなかったため、限りなく灰色の紙だったのです。まあ新聞紙を使うよりはましですが、使用にあたって揉んでやわらかくするという作業が付きまとってました(笑)そういえば当時のポトーソ便所にはちり紙とともに芳香剤としてパラジクロロベンゼンの丸い塊がネットで吊るされているのが普通でした。このネオパラボールなどの名前で売られていた芳香剤も水洗トイレの普及と香りの芳香剤の台頭で急速に廃れていったようです。
 本州からさかんにキンモクセイ開花の便りがラジオで聞かれ始め、改めてキンモクセイの香りの芳香剤を探してみましたが、古にはローズとともに芳香剤の2巨頭の1角であったキンモクセイは見事に店頭から消え去ってしまいました。ネットを検索してみるとわずかに製造はされていることがわかりましたので、改めてスーパードラッグストアホームセンターを何軒も探して入手できたのがエステーの室内用芳香剤「自動でシュパッと」と小林製薬のトイレ用芳香剤「サワデー」の2種類です。ところが双方ともに昔の強烈な香りのキンモクセイ芳香剤とは異なり、オレンジの香りなどを調合したやんわりとしたもので、どうもイメージはキンモクセイながら本物のキンモクセイの香りとは相当異なった現代的なものに進化したことが伺われます。どうもトイレを連想させるような香りではなくなってしまいました。それが何となく古を知る身には物足りないような…。

|

« 意外に気がつかないHEMMI No.2664Sのインチスケール | Main | 炭鉱杖(タンコツ)と玄能つえ »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/40824/60409421

Listed below are links to weblogs that reference キンモクセイの芳香剤はなぜ廃れてしまったのか?:

« 意外に気がつかないHEMMI No.2664Sのインチスケール | Main | 炭鉱杖(タンコツ)と玄能つえ »