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September 16, 2016

中央計器製作所標準速算器

Photo_2 日本における円形計算尺で古くからよく知られたものは玉屋商店から発売された藤野式計算尺だと思います。この藤野式は乗除用と金属重量計算用のほかにスタジアと切削時間計算器などが揃っていましたが、どうやら戦時中の金属統制で姿を消し、戦後になってからコンサイス円形計算尺としてよみがえり、今に至るのは周知の事実です。
 その他の円形計算尺といえば大正末期から昭和の初期にかけてメートル法の施行により度量衡の単位換算尺で円形のものが多く作られた以外には目新しいものがなく、わずかに単位換算機能に簡単な対数尺をつけたようなものが存在するくらいでしょうか?

 この標準速算器というのは大阪の斉藤喜代治という人が昭和10年くらいに発売したものを戦後になって中央計器製作所という会社が発売した円形計算尺です。昭和10年の発売当初はA号B号C号に特号の4種類があったようで、A号は直径3寸5分、B号は3寸、C号は2寸9分なのに対して特号は8寸5分というまるで通称「円盤」と呼ばれるラリー用計算尺ほどの大きさがあるもののようです。A型で定価2円だったのに対して特号は8円の定価がついていたようです。ヘンミの標準的な10インチ片面尺が当時8円前後ですから特号でやっとヘンミの10インチ片面尺の価格相当で他のものはポケット用や練習用にも届かないような価格の廉価な計算尺ということになります。それというのもブリキの円形盤に薄いセルロイドの円盤を重ねて鳩目でカーソルと一緒に止めてあるというような簡単な構造なためです。それはおそらくA号という2円のバージョンでB号はセルロイドのみの構造、C号は紙にコートをかけただけの構造と推定されます。その材質別の3種類は中央計器製作所の発売となっても継続し、今回入手したのは紙にコートだけ掛けた一番安いバージョンです。
 しかし戦後になって斉藤喜代治の標準速算器がなぜ再登場したのかはわかりませんが、この中央計器製作所の説明書によると説明書の著作兼発行人が斉藤喜代治で製造発売元が中央計器製作所というようになっています。そのため、戦前は考案発売は斉藤喜代治だったものの製造は中央計器製作所が行っており、戦後は製造も販売が中央計器に移ったということかもしれません。
 手元にあるものはコートされたボール紙製のもので発売価格が250円となっています。他に500円と1000円のものがありますので、おそらく内容は同じながらセルロイド製、ブリキのプレス製などの材質違いで内容はまったく同じものだったのでしょう。裏面はまったくのブランクです。高いものには単位換算の早見表くらいついていたのでしょうか?


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