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September 15, 2016

中岸式万能図形計算器

Photo  戦前の円形計算尺の有名どころはしっかりした工作と別途の解説書などか充実した藤野式計算器ですが、大正末から昭和の初期にかけて度量衡の尺貫法からメートル法への移行に沿ったかたちで単位換算に便利な円形計算尺がいくつか出現しています・
 代表的なところは昭和2年のイソメ式円形計算器ですが、やや遅れて昭和4年ごろから発売されたのがこの中岸式計算器です。

 実はイソメ式計算器も中岸式計算器もそれほど高価な計算用具ではなかったからか、発売された数に比較して
残存している数が少なく、オークションに登場してくるもののみでその全貌を推測しようとするのも困難です。それでもいままで判明したことは東京製作所と称する会社で発売された円形計算器はまったく同じものでイソメ式と中岸式の両方の名前が存在することと、そののちこのA,B尺のみの単位換算系円形計算器は昭和4年に新しい版を起こして中岸製作所名でP.N.242591を冠して発売されていること。その他中岸式には一歩踏み込んだセルロイドのカーソルが付き、表面にA,B,C,D,尺の4尺を備える「万能図形計算器」とタイトルの付いた円形計算尺が存在する、のたったこれだけしか判明していません。こちらの中岸式のほうもP.N.242591が印刷されていますので、おそらくこのプレスで製作されたブリキ製計算尺の構造的な特許を取得していたのではないかと想像しています。
 富山から入手した中岸式の万能図形計算器は戦前の製品でその証拠に奇跡的に残っている中岸製作所の所在地が東京市浅草区千束町1-85というように記載されていますので、昭和18年以前であることは間違いありません。いちおう製造販売元ではなく発売元となっていますので、製作所を名乗りながらも別な下請工場で作らせていたのでしょうか?

 プレスのブリキ円盤塗装をかけてメモリを印刷というのはイソメ式の時代と変わりありませんが、おそらくはこんなブリキ細工の計算尺でも金属枯渇で民生品の製造禁止を受けて戦争が激しくなる前に製造中止となってしまったのでしょう。

 A,B,C,D,の4尺と書きましたがこれは尺の種類ではなく説明上の位置を示すだけのものでありイソメ式の尺種がイ、ロと表記されていたことと同様です。A,B,尺は実質的なC,D,尺でこの部分だけ可動し計算することができますが、Cは二乗尺、Dは三乗尺でお互いには可動しません図形計算器のタイトルだけあって平方立方計算に特化した使い勝手を考えてのことだと思います。
Photo_2


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Comments

「万能円形計算機」だと思います。

圓 - 円の旧字体
圖 - 図の旧字体

Posted by: とおりすがり | November 01, 2016 at 08:23 PM

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