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September 18, 2016

UTO No.930U Poly-e

Img_0698 デンマーク製の計算尺は日本では直接輸入されたことがないため、DIWAくらいしか知られていないと思いますが、今回入手したものは同じくデンマークのUTOというメーカーのNo.930Uという計算尺だと思われます。このUTOというメーカーは品物自体日本でまったく見たことが無く、予備知識はぜんぜんありませんでしたが、DIWAが計算尺の終末期まで特殊な計算尺がほとんど無かったのに対し、このUTOではHEMMIを上回るほどの特殊計算尺をリリースし、おもに北米市場に流していたということが特筆されます。
 またこの計算尺はアメリカの化学繊維大手だったCHEMSTRAND社の特別なノベルティーになっており、ROLEXの腕時計ケースのような緑の表皮をあしらった木製クラムシェルケースに収められ、さらに計算尺本体のブリッジに金メッキが施され、カーソルバーにも金のメタルが埋め込まれているという「特別仕様の別注品?」です。得意先に配ったのか、それとも懸賞の景品にでもしたのかはわかりませんが、ケースにまで会社のキャッチフレーズと社名が金色で入れられているような状態で、とても実用にするようなものではなかったためか、まったく使われた形跡の無い計算尺でした。

 通常型番が刻印されている滑尺端にCHEMSTAND社のマークが入っているため、型番がわかりませんでしたがどうやらNo.930の一族であることはわかりました。しかしこのNo.930は同一型番で尺のレイアウトがかなり細かく異なるバリアントがたくさんあるようで、そのものズバリの型番がよくわかりませんがおそらくはNo.930Uなのでしょう。尺種類は表面がLL03,LL02,LL01,DF,[CF,CIF,CI.C,]D,LL3,LL2,LL1の12尺、裏面がL,K,A,[B,T,ST,S,]D,D1,Pの10尺の合計22尺です。いちおうシステムリッツということになるのでしょう。表面はほぼノーマルなのに裏面はS尺とD尺が相対していたり同一固定尺上にD尺,DI尺とP尺が並んでいたり、意図することは良くわかりますが、日本の計算尺になれてしまうと何か妙な違和感があります。このあたりの尺配置で同一型番で年代によっていろいろなバリアントが存在するようです。製造年代は1950年代後半から1960年代初頭にかけてでしょうか?
 このUTO社はアメリカのニュージャージー州にHOFFMAN PRODUCTSという代理店が存在したようで、そこを通じていろいろな計算尺が輸出されたようですが、それはすべて第二次大戦後のことのようで、すでにプラスチックの計算尺のみのアメリカ輸出だったようです。
 またこのUTOのプラスチック製計算尺の終末期は日本のFUJIあたりの構造がそっくりな計算尺も存在したようですが、やはり計算尺終末期には日本の山梨でOEM製造された事実もあったのでしょうか?日本で入手できる個体がないのでその追跡は困難ですが今後の研究が必要です。
 入手先は横浜市の神奈川区だと記憶してます。しかしなぜ日本にこういうものが手付かずで残っていたのかが不思議です。
Uto930
Uto930_2


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