帝北光学工業TEIKO 8x30mm 7.5°Zタイプ双眼鏡
こちらも帝北光学工業の製品で8x30mm 7.5°の双眼鏡ですが、前出の7x50mmよりも若干古いらしく、ケースは失われていましたが茶色い牛革のストラップが付いていました。
帝北光学工業に関しては前回の7x50mmで詳しく書いたため省略しますが、東京は板橋区の中仙道(R17)と環七が交わる大和町交差点の脇で、主に輸出用の双眼鏡組み立てを行っていた会社です。
設立は昭和28年ですから当時の大和町交差点は交通量も少なく、当然平面交差だったのでしょうが、現在では中仙道と交差する環七が中仙道を跨ぐ形で立体交差し、さらにその上を首都高速5号線が通り、さらに交差点周囲のビル群によって半閉鎖的な空間になってしまったため、2001年度と2002年度は日本一大気汚染の厳しい交差点という汚名を頂戴したそうです。
我々子供のときは新宿区の大久保通り牛込柳町交差点というのが大気汚染日本一だったような気がしますが。
そのような大和町交差点脇に位置していた帝北光学工業ですが、現在でも会社は存続し続けているものの光学製品には係わっていないようで、実質的には自社ビルの不動産管理のための会社でしょうか。
前回入手したTEIKOの7x50mm双眼鏡よりも年代が若干さかのぼると思われる8x30mm 7.5°の双眼鏡ですが、7x50mmが単独繰り出しだったのにこちらはその当時は標準的になった中央繰り出しです。作りこみは中まで丁寧に黒塗りされており筐体のダイキャストはJ-E7コードのメーカー。7x50mmはJ-E92だったので仕入先が異なるようですが筐体の精度は十分です。
プリズムもシングルーコートされていますが光学系全面コートではなく接眼レンズの一部にコーティングが省略されているような。
プリズムを外して曇りを取り除き、対物レンズ裏も無水アルコールで磨いた後、700メートル先の送電線のてっぺんを覗きながらエキセンリングで光軸修正を行いました。ダイキャストの精度が出ているため、光軸の修正はエキセンリングのみで簡単にできました。
完全調整が終わった後に実際に送電線鉄塔を両目で見た感じは特に不可もなく標準的な画像の結び方をします。しかし、岡谷光学のVISTA8x30mmと比べると、なぜかVISTAのほうは視野が若干黄色っぽいのですが、明るさやシャープネスはVISTAのほうに軍配が上がります。
ところで帝北光学工業のTEIKOブランドの双眼鏡はこれで7x50mmと8x30mmの二種類が見つかったわけですが、その他の種類がいまだに見つかりません。組み立てていたのが輸出用のこの種類だけで、製品が余剰になったらこの二種類を国内向けに流していたというわけなのでしょうか?
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