エイコーBULL FIGHT 7x21mm M型双眼鏡
ブルファイトというブランドの広角7x21のミクロン型双眼鏡です
一応エイコーのE.O.C.ロゴが入っていますが、同型の双眼鏡がビクセンブランドでも売られていたようです。
光学系は対物レンズの眼幅が対物側よりも狭いミクロン型なのに通常の形状をしている小型双眼鏡で、この手のミクロン型もどきは岡谷光学のVISTAブランドなどにもあるもののデザインの可愛さでもっとも人気のある双眼鏡のひとつです。
製造はおおよそ昭和30年代末から40年代半ばごろまでだとは思いますが、輸出用の製造業者コードが入っていない双眼鏡です。たぶん国内向けロットと海外向けロットを完全に分けて製造していたのでしょうか?
また、エイコーとビクセンの刻印違いでまったく同じ双眼鏡が出回っていましたので、おそらくは板橋区内の中小双眼鏡メーカーのOEM商品だったのでしょう。
昭和30年代末の双眼鏡にしてはコストダウンされておらず、筐体内部はやや艶が目立つもののきれいに塗装を施されており、対物側のプリズムには遮光カバーが装着されています。ケースもこの時代にはもう珍しい分厚い牛皮飯盒型ケースでストラップも牛革です。
光軸は接眼レンズ側の鏡板を外して内部のねじで調整します。
7倍なのに視界が広い(10度)のために視野が広くて気持ちがいいのですが、さすがに良像面は真ん中に限られ、周辺部がけっこうゆがむのは仕方がありません。
エイコーは地方の眼鏡店などでもカートンやビクセンと並んで普通に見かけるブランドでしたが、その前身は戦前の映光社までその歴史がさかのぼるようです。昭和30年代から40年代にかけての天文ブームの底辺を支えてきた光学総合商社でしたが、少子化による国内需要の低迷と円高による輸出の不振により屋台骨を支えきれず、ミザールブランドの日野金属に吸収されました。現在日野金属はミザールテックという社名で相変わらず光学製品をリリースしています。
このブルファイトブランドの双眼鏡、実は隣町の方から譲っていただいたもので、もしかしらた元は知っている眼鏡店の店頭で売られていたものかもしれません。
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