Kenko 8x25mm6° Zタイプ双眼鏡
ケンコーの8x25mm 6度というZタイプの双眼鏡です。実質的なZタイプのミニマムサイズとなった8x30mm双眼鏡よりも一回り小さな双眼鏡でどちらかというと旧陸軍の13年制式6x25mm双眼鏡に近い双眼鏡です。
時代的には昭和30年代末期から昭和40年代中ごろまでに存在した双眼鏡ですが、前期はケンコーのメーカー名が筆記体、後期はこのようなおなじみのケンコー社名のシルクスクリーン印刷になってます。
外装の接眼側と対物側の鏡板および対物筒リングが黒塗装という当時としては珍しい仕上げの双眼鏡ですがスタンダードから外れたオフサイズの双眼鏡ゆえか有名メーカーの商品にしては世の中に出回っている数が少ないような感じでオフでもあまり見かけません。
数が少ないのにブルファイトのように値段はあまりつかずこちらも100円で落札した双眼鏡です。
覗いた第一印象が何か像が8x30mmの双眼鏡にくらべて遠くに見えることが気になって射出瞳径を測定したら4.75ミリで口径の25mmを割ると実質倍率5.26倍しかありませんでした。どうりで結像が小さいわけです。また視界も狭いので何かオペラグラスを覗いている感があります。
また30mm口径と25mm口径の解像力の差もあり解像力にも不満が残ります。まあ利点としは小さくて取り回しがいいということがありますが、それならミクロンタイプやダハプリズムタイプのほうに軍配が上がります。
この中途半端さが数がはけなかった理由でしょうか。でも個人的には小さなZタイプのかわいらしい双眼鏡は大好きです。
J-E11のダイキャストメーカーの刻印がありますが、J-Bナンバーは入っていません。もっともケンコー自体J-Bナンバーを取得していますし、こちらは国内向けの双眼鏡なので、別に入っていなくともかまわないわけです。
ケンコー自体は研光社のスタートが双眼鏡の組み立てでしたが、倒産したワルツのレンズ用フィルターに参入したあたりから業態が拡大し、総合光学製品商社になってしまい、製品はすべてが関係業者からの納入品になっています。そのため、時代時代でかなり雑多な商品構成となっており、この商品も果たしてどこの会社のOEM製造なのかもわかりません。
また同じケンコーの製品でも請け負った製造メーカーの違いにより出来不出来があるようです。
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