TELSTER(黒) 18x35mm 7°Zタイプ双眼鏡
通称黒テルスターの18x35mm 7°です。茶テルスターSports 18ex双眼鏡といっしょに入手しましたが、実質的に同口径同倍率の双眼鏡です。
テルスターはスーパーゼニス同様に日本中に出回っていた廉価版の双眼鏡で、眼鏡店やカメラ店の店頭でニコンやフジノンの双眼鏡と一緒にならぶのではく、どちらかというとホームセンターやディスカウントストアのようなルートで売られていた双眼鏡なのでしょう。
流通させた業者も製造した業者もよくわからない双眼鏡ですが、ボディタイプがどうやら30mm/35mmレンズ用と50mmレンズ用の2タイプですべてのバリエーションを作っていたようです。
よく「手を掛けると見違えるほどよく見えるようになる」などといわれ、内面反射やプリズム迷光防止処置を施す入門用双眼鏡などとされていますが、果たしてノーマルのままではどうなのでしょうか?
実はこの双眼鏡、これが主目的で入手したものではなかったのですが、コピターの8x35mm超広角を入手しようとして、これだけでは送料がもったいないのでその抱き合わせで一緒に入札したら、コピターを落札しそこないテルスターの2台だけ498円で落ちたというものです。送料のほうが落札金額の3倍も高かったのはいうまでもありません。 でもまあ、いままで真剣に向き合ってきたことがなかったテルスターの本質を探るのにはいい機会です。
よく言われるのがテルスターは内部に反射防止塗料も施されておらず、ダイキャストの地肌が見えているということが前提で反射防止塗装入門機のような言われ方をしますが、今回の黒テルスター茶テルスターともに内部はやや艶が気になるもののちゃんと反射防止塗装は施されていました。
対物レンズ筒にはちゃんとブラスチックの反射防止筒も装着されていますし、おそらくは時代がさかのぼったテルスターは徹底的なコストダウンの洗礼も受けず、それなりにまじめに作られた双眼鏡だということを感じました。ただ黒テルスターは18x35mmのところ、実倍率は約7.29倍、茶テルスターのほうも実倍率同じく7.29倍しかありません。結局は倍率詐称双眼鏡に過ぎないのです。
またこの実倍率からしても実視界がかなり狭い双眼鏡で、その点でも性能的には「並以下」のスペックの双眼鏡です。さらに視界の中の良像面も中心部周辺に限られ、中心部はかなり良い結像ながら周辺部は像もゆがむようです。
このくらいの画角の双眼鏡ならせめて均一の視界を保って欲しいのですが、価格からするとまあ仕方がないということでしょうか。
まあ鳥を見る用途にも星を見る用途にも中途半端な双眼鏡ですが、古いテルスターだけにしっかり作られているとこだけは好印象です。また刻印はシルクスクリーンじゃなくてちゃんとした彫刻ですし。
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