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July 20, 2018

東京光学機械TOKO Pride x2.5 オペラグラス

Dvc00008 東京光学機械のトーコープライドという昭和20年代に輸出で外貨を稼ぎまくったありがたい逆ガリレオタイプのオペラグラスです。
このトーコープライドは戦後第一号のアメリカ輸出商品として日本光学のノバーなどとともに承認を受けた輸出第一号名誉の双眼鏡で、その後は鏡筒部分の貼り革の色を変えたり素材を鰐皮やトカゲ革風のものなどのパターンモデルをたくさん生み出し、おびただしい数が海を渡ったものと思われます。
 当然のこと、当時会社として1000人近い従業員を抱えていた東京光学機械としても他の双眼鏡や戦後復興に欠かせない測量機械、さらにはもっと高収益なカメラ開発の部署の要員まで投入するわけにはいかず、戦前に軍用の双眼鏡の部品を製造させていた周囲の光学関係事業者に図面を渡してレンズやプレス部品の製造をさせたり組み立てをさせたりの仕事を外注として出したことで、それ以降これらの業者がこの形式のオペラグラスを独自に製造して輸出するようになるようです。
 というのもこのトーコープライドの原型はツアイスあたりで、それがイギリスでコピーされ、戦前の日本でもすでに手を付けられていたらしく、東京光学機械のオリジナルというわけではなかったことも一因でしょうが、当時の知的財産権なんかなきに等しかった日本では「これと同じものを作ってくれ」と見本を渡せば一月半もあればまったく同じものが2千個ほど箱詰めされて納品されるという時代だったと思います。
Dvc00007_2 そのため、雑多な商標でいろいろなトーコープライドコピーが存在しますので、本家のバリアントを集めるだけではなく、そのコピーモデルまで手を広げるとけっこうなコレクションになりそうな。おまけにオークションの落札金額が1000円以下ですから手を付けやすいという利点もあるかたわら、いつまでも落札されないで残ってしまいがちで、結局は落札者もなく不燃物で捨てられてしまうことも多そうで、最近はあまり掘り出し物が少なくなったような気もします。 また各モデルでケースが異なるので、これもコレクター心をそそられます。
 眼幅固定で調整できないという難点がありますが、折りたたみのオペラグラスを始めとしてプレス製のものは眼幅固定タイプが主流ですからそれは気にはなりません。プレスタイプのオペラグラスと違い、このトーコープライドには視軸の調整があり、対物レンズ側ではなく接眼レンズがエキセンリングを介して固定されているため、ちゃんとこれを調整すればけっこうまともに見えるオペラグラスになるのです。もっともコピーモデルはこれを省略してしまったものもあるかもしれません。
 トーコープライドは輸出が始まった昭和22年からサンフランシスコ平和条約発効の昭和27年4月まではmade in occupied Japan刻印、その後はmade in Japan刻印が付されていますが、実際のトーコーブランドのプライドは昭和30年代くらいで製造を終了し、あとはコピーモデルだけが市場に出回り、昭和60年代前半くらいまでは市場に見られたようです。
 現在ではこのようなコストのかかるオペラグラスは市場に皆無で、数百円で買えるようなものはレンズもボディもプラスチックの一体成型品で視軸も合わせられないようなものが殆どです。

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