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July 03, 2018

岡谷光学 VISTA 8x30mm Zタイプ双眼鏡

Dvc00948 言わずと知れた岡谷光学のVISTA 8x30mmポロプリズム式双眼鏡です。 岡谷光学は服部精工舎のセイコー資本によって諏訪湖の畔に設立された会社ですが、現在は諏訪セイコー社が前進のエプソンの子会社になっているようです。

 戦前は同じく服部精工舎資本で設立された東京光学器械の下請けとして軍用の光学器械、戦後は民間用および輸出用の光学製品を製造しており、レンズシャッター式の小型35mmカメラのLordは服部時計店を代理店にして全国的にかなり売れたカメラでした
 双眼鏡も戦後いち早く輸出体制を整え、日本光学や東京光学器械と並んで大手6社の中の一社で、その製造品は一級品と認定され、板橋の四畳半メーカーの双眼鏡とは一線を画した輸出価格も割高の双眼鏡を製造していました。

 また、そもそもの設立が空襲被害からの疎開としての意味合いが強く、東京から遠く離れた地でレンズから筐体まですべて諏訪湖の近辺で調達出来たため、東京の地の利がなくとも部品調達には困りませんでした。
 Dvc00947_2 カメラの製造こそ昭和36年のキャノネット発売による、いわゆるカメラ業界のキャノネットショックでロードマーシャンを最後にすっぱりと撤退してしまいましたが、その後は諏訪精工舎の時計製造と平行して双眼鏡だけは製造が続いていたものの、昭和46年のドル切り下げから採算が悪化し、昭和48年4月のドルの完全変動相場制の以降とまもなく始まったオイルショックのあたりで双眼鏡製造からも撤退したようです

 意外と岡谷光学の双眼鏡はオークションでも安くは無いのですが、この8x30mmはケースなしが敬遠されたのか500円で落としたものです。
 プリズムはそこそこ曇っていたもののさほど酷使されていないシロモノでした。対物レンズをはずしてプリズムを外して見ると、その筐体の加工精度は抜群で、磨いて戻したプリズムは微動だにしません。接岸側のプリズムも同じで曇りを取り除いたのちに元に戻してあとは対物レンズのエキセンリングの調整だけで視軸調整が完了しました。
 各プリズムの表面にはコーティングが施されているものの、対物レンズの鏡筒に反射防止筒が省略され、プリズムの側面に迷光防止の塗装やプリズムに刻みが施されているわけではなく、中の塗装も簡易的に行われているためか、シャープネスはユニオン光学の同型双眼鏡をしのぐもののコントラストはそれほど良いわけではありません。それでも筐体の加工精度がきっちり出来ているためか、一度分解して組み立てたあとも視軸の調整は容易でした。
Dvc00946_2

 まあ昭和20年代30年代のVISTA双眼鏡と比べると、40年代の双眼鏡はコストダウンのしわ寄せがかなり来ているのでしょうから、そうなると初期のVISTA双眼鏡の実力が気になります。
 しかし、どう贔屓目に考えてもKOWAやFUJIの双眼鏡には肉薄しても昔のNIKONの妥協の無い双眼鏡の作りにはかないそうもありません。 重量は他の8x30mmの同タイプよりやや重く560gありました。

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