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August 03, 2018

Alps10x30mm Z型双眼鏡

Dvc00037 戦後板橋輸出用双眼鏡のブランド名の中には富士写真機工業に肖った格好かFUJIの付くブランドがいくつかあり、日本一の山が富士なら世界一はエベレストだということでエベレストブランドの双眼鏡やそれならヨーロッパはアルプスだということでアルプスブランドの双眼鏡、山の頂点はサミットだからサミットというような山関連のブランド名がいくつも存在しました。
 今回入手したのはその中でもAlps(アルプス)というブランド名の双眼鏡です。
 ALPSってHANZAやHAKUBAと同じような写真現像用品のブランド名だったような気がするのですが勘違いでしょうか?まあ中古カメラ店の新宿アルプス堂は有名でしたが。
 これも1円で落札した4台の双眼鏡の一台でしたがJ-B259という組み立て業者コードがありながら作った業者がわからないという双眼鏡です。組み立て業者コード設定の昭和34年当時は輸出価格の下落を防ぎ業者間の値下げ競争による品質低下を防ぐため、中小企業調整法とかいう法令の適用を受け、独占禁止法の例外業種として各業者に生産数量を割り当てていたそうで、そのために一目で出自がわかるように輸出双眼鏡は本体の刻印を義務づけられたらしいのですが、どうも個人事業者として個人名で業者コードを申請し、実際にはまったく事業を行わずに月間400台なりの製造割り当て数を他業者に売ってその手数料を稼ぐという手段の商売が横行したために問題になったという話もありますし、昭和30年代前半に雨後の筍のように設立された双眼鏡組み立て業者が昭和30年代半ばに数年の商売で仕事が激減し、不渡りを出して倒産廃業ラッシュが押し寄せたという話もあり、比較的短期間のうちに廃業したために一覧作成したときにはすでに存在しなかったという可能性もあります。けっこうこのコードは欠番や重複などがあり、そのあたりの事情はよくわかりません。
Dvc00036 そのアルプスブランドの10X30mm双眼鏡ですが作りとしてはオーソドックスな板橋輸出クオリティーのZタイプ双眼鏡です。倍率が真正10倍で倍率詐称していないところはそもそも輸出検査に回って輸出されることを前提で作ったのでしょう。対物レンズ表裏および接眼レンズ表はシアン色コーティングですが、プリズムはコーティング無し。内部は野口光学工業の双眼鏡同様に黒の鍍金かアルマイトのような仕上げで光沢があり内面反射が気になります。
 筐体のプリズム加工部分は精度的にも問題なく、プリズムもピタリと位置が決まるのですが、わざわざプリズムがずれないように透明なグルーで接着がありました。左側対物レンズの接着面にほんのわずかバルサム切れが見受けられます。
 それで実際に見た感じではやはり筐体内部の黒鍍金のてかりが影響して微妙にコントラストが低くて視界も暗い感じがします。一キロ先の送電線の鉄塔もどうも平面的に見えてしまい、コントラストとシャープネスは並以下。見え方としては手元にある野口工学工業の双眼鏡とよく似ている感じで典型的な板橋輸出双眼鏡クオリティーの双眼鏡のようです。
 気になって射出瞳径をノギスで計測してみるとおおよそ3.05mmほど。表記の10倍も検査合格範囲内のようでした。

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