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August 31, 2018

アース光学スーペリアオペラグラス(2.5x25mm?)

Dvc00110 アース光学という会社は戦前に広く普及品のオペラグラスを多数発売していた会社ですが、どちらかというと昭和13年発売のグッチという豆カメラのほうが有名かもしれません。このグッチは20mmx20mmの画面を持つ裏紙式の独自のフィルムを使用するもので、特に少年向きのおもちゃカメラ的なものだったようですが、オペラグラスのほうも少年が小遣いを貯めれば購入できる程度の普及品が多かったようです。それでも中には対物レンズが2枚合わせの色消しになったものも存在したようです。
 その普及品の製造に徹したアース光学ですが、戦時中は民生品の製造が禁止になり、海軍の艦載用大型双眼鏡や陸軍13年制式似の6x24mmのIFおよびCFの双眼鏡をGELBONの商標で製造していたりしたようですが、昭和20年3月の空襲で灰燼に廃してしまったのか、戦後にそのアース光学の直系の会社は存在していないようですし、終戦直後の昭和20年12月に設立された日本光学機器工業会15社の中にも名前を連ねてはいませんでした。
 また豆カメラのグッチのほうも部品のプレス型を持っている会社は無事だったようで、戦後すぐに別な名前でアース光学以外の会社により再発売されたようです。
 そのアース光学の戦前発売のおそらく2.5倍25mmくらいのオペラグラスですが、アース光学のオペラグラスとしてはアンダーラインに属するような普及品で小型のものであり、対物レンズも接眼レンズも単玉レンズのような構造のオペラグラスです。それでも戦前の余裕のある時代の製品か革巻きも本物のシボ皮ですし、付属のケースも分厚い牛革ケースです。光学的には極小サイズのトーコープライドあたりのオペラグラスと変わりないのですが、それでもヨーロッパ発信のオペラグラスのコピーですから優雅な趣があり、今出来のプラスチックの成型品でレンズもプラスチック製のオペラグラスとは一線を画します。
Dvc00109 また現在ではどんな複雑精密な金型を作ることが出来ても、すでにこういうものの部品を全てプレス加工で作る技術というのは絶えてしまったようで、二度とこういうもを作るノウハウが無くなってしまったというのは何か寂しいような。
 何せ製造後に80年近く経過した製品ですので元はどうだか知りませんが、今は遠くの送電線がきれいに分かれて見えてしまいます。特にこの時代のオペラグラスには視軸を調整するようなネジの類は存在しないので、おそらくは木の中子のようなものをはめ込んで、木槌で叩いて直接鏡筒の視軸を変えてしまうのではないかと思ってます。まあ低倍率ですが、そういう視軸調整は勘と経験が要るかなりの名人芸だったでしょう。
 それで対物も接眼も色消しのない単玉だとしましたが、鏡筒内部に遮光絞が入っており、これによって迷光を防止してコントラストを確保し、色収差も目立たなくしているのでしょうか?筐体内部には丁寧な黒塗りが施されていました。

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