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August 02, 2018

WORLD 8-20x50mm BL型双眼鏡(大塚光学)

Dvc00035 WORLDというこれも聞いたことの無い輸出ブランドの双眼鏡です。見口がゴムということもあり、そろそろブラスチックの部品が構成物に現れた80年代に近い双眼鏡だと思われます。
基本的にズームの双眼鏡は好きではなく、というのも何台かまとめて一梱包の双眼鏡を落札すると好き嫌いに関係なく必ずプラスチックボディの小型ズーム双眼鏡が混じっており、性能を誇示するためかやたらとズーム比が高いにもかかわらず最低倍率にしてもほぼ使い物にならず、すっかりズームの双眼鏡嫌いになってしまったからのようです。
それでもプラスチック以前のズーム式双眼鏡でズーム比が低いものはやたらと大きくて重いという欠点はあるものの、最低倍率でもそこそこは見え、最高倍率でも使えないことはないということがわかり、少しはズームの双眼鏡に興味を持つことが出来るようになったというところでしょうか。
 この双眼鏡は1円双眼鏡まとめて4台のなかの一台でした。左右の連動がギア式のズーム双眼鏡で倍率は8-20倍となっており当時の普通の水準。J-B48の刻印が残っているため、ワイドタイプとズームタイプの双眼鏡でその名を残し、未だに光学会社として存在する大塚光学の製品だとわかりました。
 大塚光学は昭和31年11月に練馬区仲町で操業しており、昭和40年代には練馬区北町、現在では川越市に工場があるようです。昭和40年代に輸出用双眼鏡メーカーが続々と廃業倒産していった時代にも高性能高付加価値の双眼鏡を作り続けていたためか、その当時でも従業員50名以上を抱える板橋双眼鏡業者としても大きな業態の会社でした。
 板橋双眼鏡がNIKONやFUJINONのような自社ブランドで輸出出来なかったなかで自社のDia-Stoneは数少ない板橋双眼鏡の自社ブランドとして海外でも通用したものです。
 その大塚光学の昭和50年代になってからの製品ではないかと思われる8-20X50mmのBL型ズーム双眼鏡ですが、分解前に覗いたところわずかに視軸が狂っていて送電線鉄塔の先端が斜めに分かれて見えました。
そしてズームカム部分のグリスの油分が蒸発してレンズやプリズム表面に付着したのか少々視界が曇っていたため、どっちみちオーバーホール対象機です。
Dvc00034 構造的には対物のセルだけがプラスチックという時代のものですが、面白いことに左右の視差の調整が接眼側の焦点を変えるのではなく右側の対物レンズをヘリコイドで出し入れして調整するという方式こういうのはあまり見たことがありません。対物レンズ接眼レンズともに外側がアンバーコーティング、内側がシアンコーティングのようです。最大径46mmもある接眼レンズ部分のバレルも巨大でさらにBL型の筐体も巨大で重く、とても持ち歩く気にはなれませんが、光機舎のズーム双眼鏡のように筐体下部にカメラの三脚に固定するためのねじ穴が設けられています。これよりも古い光機舎の同ズーム比8-20x50mm双眼鏡と比べるとやや対物レンズの焦点距離が短いのか全長が短くなった双眼鏡で、光学系に新種のレンズを使用したりして屈折率などを高めた結果でしょうか。
BL型の対物側接眼側のプリズムは一個のプレートに収まっていて、このプレートを接眼側から抜くことでプリズムの清掃が可能になります。この双眼鏡の場合は油分が蒸発してプリズム表面を曇らせているだけだったため、プレートからプリズムを取り出すことなく清掃可能だったのですが、プリズム相対部分に曇りやカビが無い限りは極力このプレートからプリズムは外さないほうがいいと思います。
プレートから外さない限りはプリズム同士の視軸の調整は不要なのですが、対物レンズとの視軸の修正はこの3本のねじで調整するようです。この場合対象物を覗きながらでないと調整が困難なので、接眼側の鏡板を閉じないまま接眼レンズのアッセンブリーを取り付け筐体をカメラの三脚に固定し、対象物を覗きながら送電線の鉄塔先端を一致させる作業を行ったのですが、どうやればどういう動きをするという感覚がないままぴたりと合ってしまいました。8倍で調整していたので倍率が変わるとズレも拡大されてダメかとおもったのですが、20倍でも大丈夫です。ただ、これは仕方が無いことですがズームしていくとピントのズレがけっこう気になり、いちいちフォーカスし直さなくなるのがわずらわしいことで。
 8倍時の描写はズームの癖にけっこうシャープで解像力のあり、並みの8x30mm双眼鏡より口径も大きい分分解能も優れているような感じです。光機舎の双眼鏡もそうですが、なんかズーム双眼鏡というと解像力がいまひとつのような先入観がありましたが、ズーム比が割りに低く口径が大きなズーム双眼鏡は調整さえしっかりされていれば実用に問題ないかもしれません。ただし逆光には弱そうでコントラストの低下は否めませんが。
 光機舎のズーム双眼鏡と重量を比べると光機舎が1234gに対して大塚光学が1140gとやはりやや軽いのですが、後の時代のプラスチック多用、おそらく海外製(実は鎌倉光機製でした)の20-50X50mm双眼鏡は963gしかありませんでした。まあこいういう大きさと重さで大型のズーム双眼鏡以前より廃れてしまった訳が何となくわかるというものです。

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